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犬や猫を飼うのに愛情はもちろん必要ですが、「かわいい」という気持ちだけでは動物は飼えません。
生態や習性を理解し、ご自身が最後まで責任を持って飼えるかどうかを、飼う前によく考える必要があります。
以下に、飼う前に考えるポイントを掲げます。
1.あなたの住まいは犬や猫を飼える住居ですか?転居や転勤の予定はありませんか?
家の広さや家屋の状態に合わせて犬や猫の種類や数を考えなくてはなりません。
転居や転勤の予定があるなら慎重な判断が必要です。
2.あなたの飼いたい犬や猫はあなたのライフスタイルに合っていますか?
犬や猫は、生態や必要な世話が品種によっても大きく違ってきます。
自分のライフスタイルと目的に合っているか、冷静に判断してください。
3.あなたの家族は全員犬や猫を飼うことに賛成していますか?
犬や猫を飼うのに、家族の理解と協力は不可欠です。
あなたが突然の病気やアクシデントに見舞われたときも、家族の協力があれば乗り越えることができます。
4.動物に対するアレルギーを持っている人は家族にいませんか?
家族にアレルギー体質の人がいる場合は、飼う前に医師に相談するなど慎重な判断が必要です。
5.毎日欠かさず世話に時間と手間がかけられますか?
犬や猫は生きていくための全てをあなたに依存しています。
犬や猫の世話をし、必要なしつけをするつもりがないのであれば、飼うことは控えるべきでしょう。
6.あなたの体力で世話ができますか?
犬や猫の世話には体力も必要です。犬では、品種によって毎日の必要な運動量が異なります。
自分たちが歳を重ね、犬や猫も老いたときの世話や介護のことも考えて、種類や大きさを選んでください。
7.近隣に迷惑をかけないように配慮できますか?
犬や猫の鳴き声、臭い、ふんの放置は、多くの地域で近隣トラブルの元となっています。
近隣に迷惑をかけないために、ふんの始末はもちろん、適切なしつけや防音対策などもしなくてはなりません。
8.犬や猫の一生にかかる費用を考えてみましたか?
9.生涯にわたる計画をたててみましたか?
生涯とは、犬や猫の生涯とともに、あなたの生涯のことも含まれます。
犬や猫が高齢になったときの介護のことも考えておかなくてはなりません。
将来予測できる生活の変化があった時に犬や猫を飼い続けることができるか、よく考えてみてください。
10.万一、飼えなくなったときのことを考えていますか?
万一のとき、 あなたの代わりに飼ってくれる人を見つけておきましょう。
1.犬や猫の安全の確保
犬が迷子になる原因のほとんどは、飼い主の不注意やアクシデントです。
放し飼いの猫は、常に多くのリスクにされされています。
⑴放し飼いをしない
動物愛護管理法や市の条例に基づき、犬の放し飼いは原則禁止されています。
犬を外出させる際には、必ずリードをつけましょう。
猫は屋内で飼うようにしましょう。環境を整えれば、猫は屋内だけで心身ともに健康に過ごすことができます。
⑵迷子にしないためには…
屋内や庭で飼っている犬や猫が、ドアや門の隙間などから脱走しないように、戸締りにも注意しましょう。
首輪が弛んですっぽり抜けてしまったり、鎖やリードが古くなって切れた例も多くあります。首輪などは定期的に点検しましょう。
鑑札や迷子札、マイクロチップを付けるようにしましょう。
⑶不妊去勢手術
長崎市では、これまでに多くの野良猫を引取り、殺処分をしてきました。殺処分していた猫のほとんどは、生まれたばかりの子猫です。
このような不幸な命を増やさないため、野良猫の不妊化が必要となります。不妊去勢手術は、なるべく早期に実施することが有効です。
最初の発情の前に行えば、一生涯繁殖に関するストレスから解放し、安定した生活を送ることができます。
2.健康管理
毎日の世話を通して、犬や猫の様子や飼育環境をよく観察しましょう。
犬や猫には感染症や生活習慣病など、人と同じように、たくさんの病気があります。
犬や猫の状態を確認するための定期的な健康診断と予防接種をすることが大切です。
普段からかかりつけの動物病院を決めて、いろいろ相談しておきましょう。
また、たばこの副流煙や消臭剤・殺虫剤などの使用は、犬や猫の健康に影響を与える可能性がありますので気を付けましょう。
3.人と動物の共通感染症
人と動物の共通感染症とは、動物から人へ、人から動物へお互いに感染する病気のことです。約60種類が日本国内でも発生していますが、犬や猫の場合は、一般的な衛生対策を守れば、ほとんどの病気は予防できます。
4.高齢犬、高齢猫
獣医療の進歩と食生活や生活環境の改善により、犬や猫の寿命は、年々延びています。
一般に動物が高齢になると、視力、聴力、嗅覚などの感覚が衰え、動きが鈍くなり、睡眠や休憩している時間が長くなります。
高齢の犬や猫の世話には、これまで以上に注意を払いましょう。
「5つの自由」とは、動物が生きていくために必要な要求が満たされ、動物が心地よく、安心安全に暮らせているかを確かめるための指標です。この指標は国際的に認められたものであり、動物を飼うときに飼い主はこの「5つの自由」を動物に与え、できる限り快適に生活ができるようにする責務があります。
1.飢え・渇きからの自由
動物の種類や健康状態にあった適切なフードを与え、水は新鮮なものがいつでも飲めるようにしましょう。
2.不快からの自由
清潔で安全で快適な飼養場所を用意して、動物が快適に過ごせるようにしましょう。
3.痛み・負傷・病気からの自由
けがや病気の場合には適切な治療を受けさせましょう。日頃から病気の予防を心掛け、健康状態をチェックしましょう。
4.本来の行動がとれる自由
本能や個性に合った動物本来の行動がとれるように工夫しましょう。
5.恐怖・抑圧からの自由
恐怖や抑圧をうけないように、また、精神的な苦痛や不安の兆候を示さないように的確な対応をとりましょう。
犬や猫が人間社会で生活していくにあたり、人との良い関係を築き、そして周囲の迷惑にならないようにするためには、しつけは欠かせません。
犬については、家庭内のルールとコミュニケーションの取り方、社会性を身につけさせるため、無駄吠えの防止、甘噛みのコントロール、「オイデ」、「マテ」といった基本的なしつけをしましょう。
犬や猫について学習し、本能や習性を正しく理解してください。
なお、過度にかわいがり擬人化するようなことは、犬や猫にとっても不幸な結果になります。愛情を注ぎつつも、犬は犬として、猫は猫としてつきあっていくことが必要です。
地震などの災害が起きた時、人と同じようにペットも被災します。飼い主はペットを落ち着かせ、危険な場所から同行避難(飼い主が飼育しているペットを連れて避難場所まで移動すること)しましょう。災害時にペットを守ることができるのは飼い主だけです。ペットが人の迷惑にならないよう日頃から準備をしておくことが必要です。
【長崎市】猫の適正飼養ガイドライン(H26.3) (PDFファイル/3.08MB)