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今年も暑い夏がやってきました。江戸時代、オランダ船が入港する夏から出港する秋にかけての時期が、1年間で最も出島がにぎやかな時期でした。
出島にオランダ商館が設置されたのは1641年のこと。以降、長崎港には毎年多くのオランダ船がやってきました。
船が出島沖に到着し、いかりを降ろすと、早速、手続きや作業が始まります。船が転覆しないように、積み出しと積み込みを同時に行い、重量バランスに注意しながら作業が行われました。出島には、荷物を運ぶオランダ船の船員や日本側の人足(荷物を運ぶ労働者)、目付け役の役人や商人など、多くの関係者が出入りしました。
にぎわったのは出島だけではありません。オランダ船や唐船が来港するこの時期、長崎の人々は港に遊船で繰り出し、異国の帆船を見物しました。長崎の港がさまざまな船でにぎわっている様子が、この季節の風物詩となりました。
石崎融思「蘭館図」(複製)
(原資料:長崎歴史文化博物館蔵)
貿易でにぎわう出島の様子(出島二番蔵 模型)
出島で貿易が行われたことはよく知られていますが、忙しい貿易の季節が過ぎた後、オランダ商館員たちは、仕事以外の時間をどのように過ごしていたのでしょうか。出島では9月13日(土曜日)から、当時の出島で行われた「オペレッタ」などの催しやビリヤードなどの娯楽について紹介する企画展を開催します。真相は本展にて。ぜひお越しください!
出島復元整備室 学芸員 和田