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米国・ニューヨーク市の国連本部で開催のNPT再検討会議(会期:4月27日~5月22日)に、被爆地長崎の代表と平和首長会議の副会長として出席しました。国連・各国政府関係者等に対して、スピーチや個別の面会を通じて、被爆地の平和への思いを直接訴え、具体的な核軍縮の進展を要請したほか、平和首長会議として、NGOサイドイベントを開催するとともに、平和首長会議のバナー展示などを開催しました。
滞在期間 令和8年4月27日(月曜日) ~ 令和8年5月1日(金曜日)
(※出張期間:令和8年4月26日(日曜日)~ 令和8年5月3日(日曜日))
鈴木市長は、松井広島市長とともに平和首長会議の代表として行ったスピーチで、長崎で被爆した故谷口稜曄氏が生前に残した言葉を引用しながら、核戦争に突入しかねない今の危機的状況に警鐘を鳴らしたうえで、「核兵器は絶対悪であり、核兵器廃絶こそが、地球上のいのちを未来へつないでいくため人類に残された唯一の道」であることを力強く訴えました。そして最後に、「長崎を最後の戦争被爆地に」という被爆地長崎の普遍的なメッセージでスピーチを結びました。

核兵器国であるロシア、英国、米国、並びにフランスの政府代表者に対し、NPT再検討会議に先立ち、広島市と連名で、今年4月に核兵器5か国に対し発出した、NPT体制の堅持を求める要請文を提示しながら、各国の立場や核軍縮へのアプローチ等について意見交換を行いました。
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ベロウソフ ロシア連邦外務省特命大使 |
ライリー軍縮会議英国政府常駐代表 |
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ザドロズニー米国国務省 |
ラザル=スリ軍縮会議フランス政府 |
市川軍縮会議日本政府常駐代表との面会では、同席した広島のユースから、異なる立場や価値観を持つ国々との対話のあり方や、今後の主体的な活動について質問がなされました。これに対し市川大使は、対話と相互理解を重ね、共通点を見出す重要性を強調されました。
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市川軍縮会議日本政府常駐代表 |
その他、本年11月に開催予定の第1回核兵器禁止条約再検討会議で議長国を務める南アフリカ、および第3回核兵器禁止条約締約国会議で議長国を務めたカザフスタンの政府代表者とそれぞれ面会を行いました。
平和活動を推進するうえで世界中の若者に被爆の実相を知ってもらうことが重要であることから、世界の各都市で平和学習ができるよう支援をお願いしたところ、EUの自治体組織との連携も視野に入れた若い世代への支援に協力したいと述べられ、前向きに協力する意向を示してくださいました。
| グテーレス国連事務総長(中央) |
広島県内の高校生と大学生で構成される平和首長会議ユースの代表から中満国連事務次長に、約3万4千筆分の「『核兵器禁止条約』の早期締結を求める署名」の目録が手交されました。中満国連事務次長は、視野を広く興味を持っていろいろなことを吸収し、これからも平和のために考え、声を上げて行動してほしいと激励されました。
議長は、今回のNPT再検討会議が極めて困難な状況下で開催されていることを強調しつつも、各国が自らの主張を押し通せば、解決を見出すことは不可能であるが、全ての国が、等しい程度の不満を受け入れるのであれば合意は可能であり、来週にも議長案を提示する意向を示された。また、過去の被爆地訪問が自身の原点となっていることに触れ、広島・長崎からの平和発信の重要性と平和首長会議の取り組みへの期待を述べられました。
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| ビエット第11回NPT再検討会議議長(中央) |
NPT再検討会議に合わせて日本被団協が主催、長崎・広島の両市が共催する原爆展が国連本部ロビーで開催されました。市長は開会挨拶において、本展を通じて「長崎を最後の被爆地に」という長崎の切なる平和への思いが共有され、同会議での活発な議論を通じて核軍縮への具体的な道筋が示されることへ期待を表明しました。
平和首長会議が主催したNGOサイドイベントは、次世代を担う若い人たちが平和活動を通して感じた平和への思いを発表し、核兵器廃絶と平和について意見交換を行うことを目的に開催されました。長崎・広島の若者や世界各地で平和活動に取り組む若者10団体が取組発表を行い、自らの平和活動を通して感じた平和への思いを発表しました。
発表後には、聴講者と登壇者の間で活発な意見交換が行われました。
新たな試みとしてUNIDIR(国連軍縮研究所)との共催で開催したサイドイベントでは、NPTの三本柱(核不拡散、原子力の平和利用、核軍縮)について、専門家による詳細な分析報告が行われた後、NGO関係者や若者らを交えて将来の方向性や解決策について議論が行われました。質疑応答を経て、最後に、NPT体制がかつてない圧力に直面している現状を再確認しつつ、その維持・強化が不可欠であることを強調してイベントを締めくくりました。
『NPT体制の弱体化を防ぐ』と題したサイドイベントでは、核兵器国を含む各国の若者や専門家が参加し、NPT体制に影響を及ぼし得る3つのトピック(環境問題、新興技術、市民社会)についてグループ別に議論と結果発表が行われました。各グループではモデレーターの進行のもと多角的な議論が交わされ、当日の飛び入り参加者も現れるなど、長崎の若者による主体的な取り組みに対し、高い関心が寄せられていることがうかがえました。
会期中、会議出席者や国連関係者に平和文化の振興に向けた平和首長会議の取り組みについて理解を深めてもらい、核兵器のない平和な世界の実現に向けた気運を醸成するため、平和首長会議原爆平和展(バナー展示)と子どもたちによる”平和なまち”絵画展を開催しました。4月27日には、国光外務副大臣が展示を視察され、松井会長と鈴木副会長が展示内容の説明を行いました。
| 国光外務副大臣(中央)に 説明を行う鈴木市長 |
国光外務副大臣(中央) |
昨年に続き、今回も平和首長会議ユースと共に、国連国際学校マンハッタン校を訪問しました。中学3年生などを対象とした講演では、松井広島市長とともに、被爆の実相と被爆者の平和への願いを原点に活動する平和首長会議の取り組みについて英語で説明を行いました。
同校では今回の訪問に合わせ、平和学習を通じて被爆地への理解を深める取り組みを行い、その成果として高校生による平和や核兵器の問題に関する研究発表の展示・説明が行われたほか、小学生による平和への思いの発表と歌の披露などが行われ、有意義な交流を行うことができました。
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| 市長講演の様子 | 高校生による研究発表の展示 | 小学生による平和学習発表 |
レセプションには、被爆地である広島・長崎の若者をはじめ、平和首長会議主催のユースフォーラムで発表を行った若者、ニューヨークで平和や核軍縮を学ぶ学生・大学関係者、被爆者、そしてNGO関係者などが出席。山﨑国連日本政府代表部特命全権大使と、中満国連事務次長兼軍縮担当上級代表による開会挨拶の後、「核軍縮を進める上でのアートや創造的表現が持つ力の探求」をテーマに、アーティストらによるパネルディスカッションが行われました。