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(にしはまのまちかさぼこさがり うすみずいろらしゃちゅうごくこそじゅうはっけいず)

指定年月日 令和8年4月3日
所在地 長崎伝統芸能館傘鉾収蔵庫
西濵町の傘鉾の垂(さがり)は、巻子のようなデザインで、一枚物の羅紗で制作されている。寸法は縦162cm、横694.6cm。大判のオランダ渡りの薄水色羅紗の下地に、長崎の画人・荒木千洲が描いた姑蘇十八景の下絵をもとに米原吉造、三浦彌吉、志築弥三郎らが仕上げた長崎刺繍の布地が縫い付けられている。刺繍部分の布地は下地と同様に羅紗で、来舶清人である徐雨亭、王克三による画賛も同様に刺繍によって浮かび上がらせている。
制作年代が文久二年(1862)と明確な、絵画作品としても価値づけることのできる下絵を基にし、さらには下絵師2者の異なる作風を、微修正しながら統一感をもって、詩情豊かに、かつ精緻に表現した長崎刺繍の極めて高い技術を示す秀作である。また、当時の長崎における中国文人趣味の隆盛、長崎の豪商・画人と来舶清人(文人)との交流を物語るものとして、さらに、それが長崎くんちの神事に取り入れられている点においても、往時の長崎の文化を象徴する美術工芸品として価値が高い。