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(2003年10月3日)ロシア連邦の新軍事ドクトリンに対しての抗議


本文

ページID:0004997 更新日:2021年7月12日更新 印刷ページ表示

抗議文

2003年10月03日

在本邦ロシア連邦大使館

 特命全権大使

 アレクサンドル・ニコラエヴィチ・パノフ閣下

長崎市長 伊藤 一長

 本日、貴国が通常兵器や核兵器による攻撃に対して、核兵器の使用も含めた「戦略抑止力」を限定的に使用することもありうるとした新軍事ドクトリンを公表したとの報道に接しました。

 今から58年前に原子爆弾による惨禍を経験した私たち長崎市民は、この悲惨な経験は私たちが最後であってほしいとの願いから、核兵器のない平和な社会の実現を訴えてまいりました。去る8月9日には原爆犠牲者慰霊平和祈念式典において、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に向けて決意を新たにしたところであります。

 このたび貴国が核兵器の先制使用を辞さないとした2000年に引き続き公表された今回の新軍事ドクトリンは、「核兵器による威嚇と使用は国際法に一般的に違反する」という国際司法裁判所の勧告的意見に明確に抵触するものにほかならないものであります。

 インド・パキスタンによる核実験に引き続く北朝鮮の核保有宣言により、いまや核不拡散のための国際的な約束事であるNPT体制は崩壊の危機にあり、今後核実験の再開や新たな核兵器の開発・使用さえもが現実のものとして危惧せざるをえません。

 ここに貴国はこのたびの新軍事ドクトリンを直ちに撤回し、核兵器廃絶の実現に向け努力されるよう求めます。

 以上、本国へ伝達されるようお願いします。