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1945(昭和20)年8月9日、当時13歳だった𠮷田さんは、長崎工業学校造船科の2年生でした。空襲警報が解除となり避難場所から学校に学友と戻る途中、爆心地から約850mという近距離で被爆。全身に大火傷を負い、大村海軍病院に1年余り入院。顔の植皮手術(傷と離れた部位から皮膚を移植すること)を何度も受けましたが、大きな火傷の傷跡が残り、人目にさらされる辛さから一歩も家を出られなくなりました。しかし、母親の励ましにより少しずつ外に出るようになりました。
その後も苦しみは続きましたが、「二度と被爆者をつくってはならない」という思いで1985(昭和60)年から被爆体験を語る語り部となりました。被爆の実相とともに、他者の痛みに寄り添う心の大切さや、その心を持っていれば争いを未然に防ぐことができることを多くの方々に伝えました。
2010(平成22)年、78歳でご逝去されました。

学校で被爆体験を語る𠮷田さん
[𠮷田勝二さん証言映像はこちら]<外部リンク>
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国立広島・長崎原爆死没者追悼平和祈念館 平和情報ネットワークGLOBAL NETWORK
※証言映像の前に、被爆の実相を伝える解説映像が流れます。その中には、死傷された被爆者の写真が含まれています。
核保有国が増える(核が拡散する)ことを防ぐ目的でつくられた条約で、1970(昭和45)年に発効しました。2003(平成15)年1月に一方的に脱退を表明している北朝鮮も含めると、現在の国連加盟国の中で、インド、パキスタン、イスラエル、南スーダンの4か国を除く191か国・地域が加入しています。
主な内容は、以下の3つです。
⑴ 「核不拡散」
当時、すでに核兵器を保有していたアメリカ・ロシア(旧ソビエト)・イギリス・フランス・中国の5か国(核兵器国)だけに核兵器の保有を認め、それ以外の国(非核兵器国)が保有することを禁止しています。
⑵ 「核軍縮」
5つの核兵器国には、核兵器を減らすための交渉を誠実に行うことを求め、非核兵器国には核兵器の製造、取得、保有をしないことを約束させています。
⑶ 「原子力の平和的利用」
非核兵器国には、原子力の平和利用が認められており、原子力技術や核物質を使用する場合は、必ずそれが平和利用であるかどうかを確認するために、国際原子力機関(IAEA)の査察を受ける義務があります。
[NPT再検討会議]
NPTでは、条約が定める義務の履行状況を確認し、締約国の取組みを強化するため、原則5年毎に再検討会議と、その間に3回から4回の準備委員会が開催されます。
再検討会議では、全会一致による最終文書の採択を目指します。しかし、2026(令和8)年4月27日から5月22日までニューヨークで開催された第11回NPT再検討会議では、核不拡散、核軍縮、原子力の平和的利用をめぐり約1か月にわたって議論が行われたものの、締約国間の意見の隔たりを埋めることができず、最終文書を採択しないまま閉幕しました。これにより、2015年、2022年に続き、3回連続で最終文書の採択に至らなかったこととなり、NPT体制の実効性と信頼性が一層問われる状況となっています。
現在の国際社会には、国境を越えて全世界で取り組まなければならない問題が多く存在しています。地球市民とは、人種、国籍、思想、歴史、文化、宗教などの「違いを乗り越え、誰もがその背景によらず、人として尊重される社会の実現」を目指して活動する人々を示す造語です。地球市民は市民としての帰属を国家ではなくより広い概念に求めています。
このように同じ地球に住む市民という考えに立ち、すべての人々の生活の向上を目指していくことが大切になっています。
1945(昭和20)年につくられた国連憲章は、全19章、111条から構成される国連の基本文書で、加盟国の権利や義務を規定するとともに、国連の主要機関や手続が定められています。国際社会における基本的なルールや原則を形成していることから、国際社会の憲法と位置付けられています。
国連憲章の前文には、「戦争の惨害から将来の世代を救い」という言葉が用いられ、国連の理念である戦争根絶、基本的人権の尊重、人民の同権、国際協力、生活水準の向上などが記されています。
何千万もの命が奪われた第二次世界大戦の惨禍を二度と繰り返さないという国際社会の強い決意のもと、1945(昭和20)年10月、51か国の加盟によって設立されました。世界の平和と安全の維持、そして国際協力の促進を目的とする国際機関です。
現在の加盟国は193か国、本部はアメリカ・ニューヨークに置かれています。国連には、総会、安全保障理事会を含む6つの主要機関が設けられています。
国連の活動を支える重要な理念のひとつが、「法の支配(Rule of Law)」です。これは、特定の権力者が自らの意志でルールを決めたり命令を下したりする「人の支配」に対抗し、法の統治、法の優位、法の下の平等といった「法の原則」に基づいて、平和、開発、民主主義の実現を目指す考え方です。
相手国が攻撃してきた場合には核兵器で反撃するという姿勢を見せることによって相手国の攻撃を思いとどまらせようとすることを、核兵器の抑止力といいます。しかし、抑止力に固執すると、お互いに相手国よりも強力な核兵器を保有したり開発しようとしたりするために、核の拡散につながり、逆に核兵器による攻撃の危険性が高まる可能性があります。
日本や韓国、NATO(北大西洋条約機構)に加盟する非核保有国は、いずれも核兵器は保有していませんが、アメリカの持つ核兵器の抑止力に依存している国々です。これらの国々も、核抑止力に依存する国となります。「核の傘の下にいる国」とも呼ばれています。
これに対し、核兵器の抑止力に頼らない方法で国の安全を保障しようとする考え方もあります。長崎市は、その現実的で具体的な方法として、北東アジア非核兵器地帯(10で解説)を提唱しています。
核兵器は一旦使用されれば、取返しのつかない甚大な被害を人間や環境に与えます。それは戦争での使用だけでなく、核兵器が存在する限り、誤って使われたり、テロなどに使われたりする危険性があります。核兵器不拡散条約(NPT:2で解説)で約束された核軍縮が進まない状況に不満を持つ国々の間で、核兵器を法的に禁止しようとする動きが、2010(平成22)年頃から強まりました。
そのような核兵器を持たない国々の主導のもと、三度にわたる核兵器の非人道性を考える国際会議の開催などを経て、2017(平成29)年7月、国連加盟国の6割を超える122か国・地域が賛成し、核兵器禁止条約が採択されました。
条約の前文には「被爆者の苦しみと被害を深く心に留める」とあります。被爆者の「私たちの体験をもう、誰にもさせたくない」という願いを国際社会がしっかりと受けとめました。
しかし、採択されただけでは、条約は力を持ちません。本当に力を持つためには、それぞれの国の議会等が国内法にしたがって条約を認め、締結する意志を最終的に決定しなければなりません。これを「批准」といいます。
2020(令和2)年10月24日、批准した国が発効要件の50か国に達し、その90日後の2021(令和3)年1月22日に発効(国際法として効力を持つこと)しました。
なお、条約は締約国(条約に正式に入った国)が話し合う会議を定期的に開催することを定めており、これまでに3回開催されました。
今年、2026(令和8)年11月から12月にかけて、条約の運用と条約の目的の達成についての進捗状況を検討するため、はじめてとなる第1回再検討会議がニューヨークで開催されます。
日本国憲法の前文には、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」、また「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とうたっています。
その決意を実現するため、第9条第1項では、戦争の放棄をうたっています。日本国民の恒久平和の願いが不戦と平和の理念となっています。
非核三原則とは、核兵器を「持たない」「つくらない」「持ち込ませない」という戦争被爆国である日本政府の3つの原則のことです。
1967(昭和42)年12月、当時の佐藤栄作首相が国会で表明しました。
1971(昭和46)年11月の衆議院で沖縄返還に関連して、初めて国の方針として、国会の意思を決める決議が行われました。
地域の国々が条約を結び、核兵器の製造、実験、取得、保有などをしないと約束した地域のことを「非核兵器地帯」といいます。
条約によって核戦争の危機をなくし、国際的な緊張をやわらげることで、核兵器の役割を減らし、核兵器を開発・保有する動機をなくしていくことにもつながります。
地球の南半球は、1967(昭和42)年のラテンアメリカ核兵器禁止条約のほか4つの条約(南極条約、南太平洋非核地帯条約、アフリカ非核兵器地帯条約、東南アジア非核兵器地帯条約)によりすでに陸地のほとんどが非核化されています。
北半球でも、1998(平成10)年にモンゴルの「非核地位」が国連で認められ、2009(平成21)年には中央アジア(ウズべキスタン、タジキスタン、キルギス、トルクメニスタン、カザフスタン)非核兵器地帯条約が発効しています。
「北東アジア非核兵器地帯」には、日本と韓国と北朝鮮の3か国を「非核兵器地帯」にしようとするものなどがあります。
条約が実効力を持つためには、3か国に核兵器が存在せず、近隣の核兵器国(アメリカ、ロシア、中国)が、3か国を核兵器で威嚇や攻撃をしないと約束することが必要になります。
「朝鮮半島の完全な非核化」が明記された2018(平成30)年の米朝共同声明などを活かしつつ、地域国間の信頼醸成を図り、北東アジア全体の平和を実現するために日本政府が果たすべき役割は大きいといえます。

世界の非核兵器地帯はこちら<外部リンク>