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平成24年10月、「障害者の虐待防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律<外部リンク>」(障害者虐待防止法)が施行され、長崎市では、障害者の権利利益の擁護を図るため、障害者虐待に関する通報・相談窓口として、「長崎市障害者虐待防止センター」を設置し、障害者の虐待に関する相談や通報を受け付けています。適切な周知・啓発・指導を行うことで、虐待の未然防止及び早期発見に努めます。
長崎市障害者虐待防止センター(長崎市障害福祉課内)
〔8:45~17:30〕 障害福祉課(直通)095-829-1141 FAX 095-823-7571
または、障害者虐待防止センター 095-829-1800
〔休日・祝日・夜間・時間外〕 障害者虐待防止センター 095-829-1800
「障害者虐待」とは、「養護者による障害者虐待」、「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待」、「使用者による障害者虐待」とされています。「養護者」とは、障害者の身辺の世話や金銭の管理などを行う、障害者の家族、親族、同居人等です。また、同居していなくても、現に身辺の世話をしている親族・知人などが該当する場合があります。「障害者福祉施設従事者等」とは、障害者福祉施設または障害福祉サービス事業等に係る業務に従事する人です。「使用者」とは、障害者を雇用する事業主または事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をする人です。この場合の事業主には、派遣労働者による役務の提供を受ける事業主なども含まれます。
区分 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
(1) |
障害者の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、又は正当な理由なく障害者の身体を拘束すること | 平手打ちする、殴る、蹴る、叩きつける、つねる、無理やり食べ物や飲み物を口に入れる、やけどさせる、打撲させる、縛り付ける、閉じ込める、など |
(2) |
障害者にわいせつな行為をすること又は障害者にわいせつな行為をさせること | 性的な行為や接触を強要する、障害者の前でわいせつな会話をする、わいせつな映像を見せる、など |
(3) |
障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応その他の障害者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと | 怒鳴る、ののしる、悪口を言う、仲間に入れない、子ども扱いする、無視をする、など |
(4) |
障害者を衰弱させるような著しい減食、長時間の放置、(1)~(3)に掲げる行為と同様の行為の放置等、養護を著しく怠ること | 食事や水分を(十分に)与えない、入浴や着替えをさせない、排泄の介助をしない、掃除をしない、病気やけがをしても受診させない、第三者による虐待を放置する、など |
(5) |
障害者の財産を不当に処分することその他障害者から不当に財産上の利益を得ること | 年金や賃金を渡さない、本人の同意なしに財産や預貯金を処分・運用する、日常生活に必要な金銭を渡さない、など |
※「障害者虐待防止法」では、「何人も障害者に対し、虐待をしてはならない」と広く虐待行為を禁止しています。
対象となる障害者は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含みます。)、その他心身の機能の障害がある人で、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある人とされています。障害者手帳を取得していない場合も含まれます。
虐待が発生している場合、虐待をしている人(虐待者)、虐待を受けている人(被虐待者)に自覚があるとは限りません。虐待者が、「指導・しつけ・教育」の名の下に不適切な行為を続けていることや、被虐待者が、自身の障害の特性から自分のされていることが虐待だと認識していないこともあります。また、長期間にわたって虐待を受けた場合などでは、被虐待者が無力感から諦めてしまっていることもあります。
平成25年6月、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律<外部リンク>」(障害者差別解消法)が制定され、平成28年4月に施行されることとなりました。また、長崎県においては、平成26年4月、「障害のある人もない人も共に生きる平和な長崎県づくり条例<外部リンク>」が施行されました。
長崎市においても、共生社会の実現を目指して障害を理由とする差別の解消や権利擁護の推進を図っていきます。