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このたび、もみじ谷葬斎場の火葬料金改定(現行6,000円→7,800円)に関する報道を拝見し、長崎市が運営する公営火葬場としての公平性・利便性・財政負担の観点から、以下のとおりご提案申し上げます。
【1.料金設計の明確化と端数解消】
長崎市民及び長与町・時津町の料金は、一律8,000円(千円単位)とすることを提案いたします。
百円単位の端数をなくすことで、遺族の心理的・実務的負担を軽減し、支払いが簡素化されます。
支払方法による料金差は設けず、現金・キャッシュレスいずれでも同額とし、公平性を担保します。
市外利用者は従来どおり高額料金を維持し、市民負担の公平性を確保します。
【2.キャッシュレス決済の導入(現金併用可)】
クレジットカード、交通系IC、QRコード等のキャッシュレス決済を導入し、現金も併用可能な形としてください。
遺族の現金準備負担を解消し、職員の釣銭準備・現金管理・入金業務の負担を軽減できます。
キャッシュレス導入に伴う手数料(約3%)は、8,000円の料金に内包することで、市民間の公平性を確保します。
なお、現金管理も無料ではなく、釣銭準備・日次精算・銀行入金・誤差対応等により、1件あたり100~200円程度の間接コストが発生しています。
よって、一律8,000円とし、キャッシュレス手数料は現金運用の効率化と実質相殺され、市財政への負担は最小限に抑えられます。
【3.長与町・時津町の負担金の見直し】
両町は近年急速に発展しており、火葬場の利用件数も増加傾向です。
現行の覚書は尊重しつつ、維持管理負担金は人口・利用件数・物価・人件費・光熱費の変動に連動するスライド方式に改定することをご提案します。
将来の建替や炉更新等の資本的経費についても、応分負担として明文化することで、市民の実質的負担を抑制できます。
併せて、利用件数・料金収入・負担金・市の差額負担を年次で公開いただくと、市民にとっての納得性が高まります。
【4.移転整備に関する基本方針】
もみじ谷葬斎場は長崎市が運営する公営施設であり、移転整備は長崎市域内立地を原則としていただきたく存じます。
高齢者や障がい者の移動負担を考慮し、公共交通アクセス・災害リスク・環境影響・駐車動線等を定量的に評価し、候補地を比較・公表することで、市民への説明責任が果たせます。
【まとめ】
本提案は、利用者の心理的・実務的負担の軽減(端数解消・キャッシュレス導入)
市の会計業務効率化と透明性向上
長与・時津の応分負担による市民負担の公平性確保
将来の移転整備における合理性と説明責任の強化
の四点を同時に実現できるものと考えます。
料金改定とあわせて、上記施策をご検討いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます
この度は、貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございます。
【1.料金設計の明確化と端数解消】についてお答えします。
今回の使用料の改定につきましては、施設運営費が増加し続ける中、将来にわたり施設を運営するため、施設利用者にご負担いただく使用料と公費(税金等)で負担する分の割合を適正化する考えのもと、全市的に使用料の改定を行うこととしております。この考え方に基づいて算定したところ、もみじ谷葬斎場の使用料は7,800円となります。
また、長与町及び時津町につきましては、両町から負担金をいただいていることから、市内と同一料金としており、長与町及び時津町を除く市外料金につきましては、見直し後も改定前の割合(市内料金の5倍)での改定を予定しております。
使用料につきましては、今後も5年ごとに見直しを図ることとしており、必要な改定を行ってまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
【2.キャッシュレス決済の導入(現金併用可)】についてお答えします。
キャッシュレス決済の導入につきましては、「長崎市役所キャッシュレス化推進基本方針」において、長崎市DX推進計画における「行政DXにより、質の高い市民サービスが提供されるまち」に掲げる、一人ひとりにあった利用しやすい行政サービスを提供するスマート市役所実現の一環として、長崎市役所への支払い方法のキャッシュレス化を推進しております。また、即時払いの収納窓口においては、可能なものから速やかにキャッシュレス決済対応端末を導入し、将来的には全ての収納窓口のキャッシュレス化を目指すこととしております。
今後、新たな火葬場の建設等も踏まえ、他都市の状況や地域におけるキャッシュレス化へのニーズを調査・把握し、必要性や導入時期を見極めたうえで判断したいと考えております。
【3.長与町・時津町の負担金の見直し】についてお答えします。
施設の運営にかかる長与町及び時津町からの負担金につきましては、平成17年1月に締結した「長崎市もみじ谷葬斎場の利用に関する覚書」により、人件費や光熱費を含む維持管理にかかる全ての費用を対象に、両町の火葬件数に応じて、それぞれご負担いただいております(火葬場利用環境向上基金を活用した一部改修等を除く)。
また、施設の建替えにかかる費用につきましては、平成29年3月に策定(令和4年3月改定)した「長崎広域連携中枢都市圏ビジョン」において、両町も応分の費用を負担していただくこととしております。負担割合につきましては、今後、両町と協議を行ってまいります。
なお、利用件数・料金収入・負担金・市の差額負担につきましては、毎年、決算資料として公表しております。
【4.移転整備に関する基本方針】についてお答えします。
新火葬場の建設場所につきましては、令和4年9月に策定した「長崎市新火葬場整備基本構想」において、敷地規模や交通アクセス等6つの視点を掲げ、周辺住民等の理解を得て決定することとしております。
これまで、もみじ谷葬斎場が位置する現在地に加え、現在地と同規模以上の面積を有する市有地等市内数十箇所を抽出し、庁内における検討に加え、市の附属機関である「長崎市火葬場整備計画審議会」においてもご審議いただいてまいりました。さらに、審議会には、建設候補地の選定に関する専門部会を設置し、より専門的な視点を有する土木や都市計画分野の学識経験者にも参画いただいたうえで、交通アクセス、インフラの整備状況のほか、候補地及びその周辺の災害リスク等、6つの視点に沿った絞り込みについて、ご意見をいただいてきたところです。
このような検討を経て、現在地については、大正10年以来100年以上にわたって近隣住民の皆さまのご理解のもと運営してきた歴史的背景があること、また市内全域からの交通アクセスが良いこと等から、現在、地元自治会等に現在地での建替えについて説明を行い、ご意見をいただいているところです。
なお、建設場所の最終決定や公表につきましては、基本構想に掲げているとおり、周辺住民等の理解を得て決定する必要があることから、地元への説明等さまざまな状況を見極めながら適切に判断したいと考えております。
(注)掲載されている回答は回答時点のものであり、その後の社会情勢や制度の改変などにより、最新の回答と異なる場合があります。