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長崎市役所の駐輪場が有料であることについて、非常に疑問を感じています。
市役所は、住民票や税務、福祉など、市民の暮らしに直結する様々な手続きのために訪れる公共機関です。その来庁手段にかかわらず、すべての市民にとって利用しやすい環境を整えることが、本来の公共サービスのあるべき姿だと考えます。
駐輪場の有料化について、「徒歩や公共交通機関を利用する人との公平性」を理由とするご説明を拝見しました。しかしながら、この「公平性」の捉え方には疑問があります。そもそも徒歩の方やバス利用者は、物理的な施設を一切使用しておらず、維持管理の対象外です。一方で自転車利用者は、自分の責任で自転車を持参し、必要最低限の敷地を使って短時間停めるのみです。これは駐輪場という「スペース」の利用であって、駐車場のように占有的に使うわけでも、施設内で何かを享受しているわけでもありません。
もし公平性を理由にすべての来庁者の移動手段ごとに負担を求めるのであれば、バス代やタクシー代に対する補填も検討すべきという極論に至ってしまいます。公共施設における「公平」とは、等しく機会を与えることであり、すべてを一律に扱うことではありません。必要な人に必要な配慮を行うことこそが、真の意味での公平だと考えます。
また、自転車は経済的で環境負荷も少なく、誰もが使いやすい移動手段です。特に高齢者、学生、生活に余裕のない世帯にとっては、最も現実的な交通手段の一つです。そうした人々が数十分の手続きであっても都度課金される仕組みは、経済的な負担だけでなく、市役所に足を運ぶことへの心理的なハードルにもなりかねません。
加えて、長崎市としても自転車の利用促進や環境保全を推進していると認識しています。その方針と、市役所自身が自転車利用を抑制しかねない施策を取っている現状とは明らかに矛盾しています。
本件については、駐輪場の無料化、もしくは短時間利用の無料措置(例:1時間以内は無料)といった柔軟な対応を早急にご検討いただきたく、切にお願い申し上げます。公共施設として、市民が安心して訪れることのできる環境を整えることが、結果的に市政への信頼にもつながるはずです。
ご意見ありがとうございます。
長崎市役所の駐輪場については、受益者負担の考えのもと、また、バスや電車等の公共交通機関を利用して来庁される方々との公平性の観点から、使用料を設定しています。
施設の占有に関しては、確かに駐車場と比較すると駐輪場の占有面積は狭くなりますが、駐輪場についても駐車場と同様に施設を占有しているという状況に変わりはありません。
駐輪場の料金については、無料化や短時間の無料措置としますと長時間の利用や市役所に用事がない方のご利用により、市役所に御用がある方が駐輪できないという事態も想定されることから、前述しました公平性を考慮しつつも、市庁舎を利用される方に過度な負担とならないよう、近隣の市営駐車場の二輪車利用料金と比較しますと半額ほどの料金に設定しているところです。また、駐輪場の利用率が低い平日の17時半以降の時間外や閉庁日につきましては、令和6年12月より入庫から30分間無料としたところです。
以上のことから、駐輪場の無料化や短時間の無料措置については現状で難しい状況でありますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
(注)掲載されている回答は回答時点のものであり、その後の社会情勢や制度の改変などにより、最新の回答と異なる場合があります。