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長崎市役所ご担当者様
突然のご連絡をお許しください。私は長崎市出身で、現在は医師として、また学生時代から20年以上東京で生活しております。長崎を心から愛する一人として、長年離れて暮らしている今も、2か月に一度は帰省し、同僚や友人、後輩を連れて長崎の魅力を伝えることを楽しみにしております。
その上で観光客目線で長崎を見た際に、いくつかの改善すべき点があると毎回感じております。その中でも特にお伝えしたい点に関して以下の提案をさせていただきます。
・朝食環境の充実
長崎では、朝食を提供する飲食店が非常に少なく感じ、どこに連れて行けばいいか困ることも多いです。
午前中に帰らなければならない観光客も多い中、早朝から観光客が「長崎らしさ」を感じられる食事を楽しめる環境を整えることは非常に重要だと思います。
たとえば、朝からちゃんぽん、地元の豊富な魚介を使った刺身定食や海鮮丼などの提供を、毎日が無理なら、週末限定のイベントとして長崎市ぐるみで企画することも一案だと思いました。
これにより、観光客が朝活を楽しみながら長崎の魅力を満喫でき、さらに市内にお金が落ちる機会を創出できると考えます。
ホテルと市内数カ所のカフェや居酒屋が連携して朝食を提供するシステムもあるようですが、長崎に来て普通の朝食を食べたいわけではないと思います。
是非是非、朝ちゃんぽん、などのムーブメントをおこしていただければと思います。
・国際港ターミナル周辺の商業活性化
国際港ターミナル周辺から水辺の森公園エリアの動線において、観光客をターゲットとした商業施設の不足を感じます。特に、カフェなどの休憩施設が観光地としては少ない印象です。
例えば、旧香港上海銀行跡や東山手洋館、出島内などの施設を活用し、スターバックスや地域資本のカフェなどに委託して経営を行うことも検討いただければと思います。他都市では、神戸異人館店や道後温泉店、鹿児島仙巌園店のように観光名所でのカフェ展開が成功している事例も多く見られます。長崎でも同様の取り組みは十分可能ではないでしょうか。
・V長崎との連携
V長崎スタジアムについても、客観的に見ると、現状では地域との連携が不足しているように感じます。
スタジアムそのものは立派で素晴らしい施設ですが、長崎らしさを感じる「ソフト」の面が不足しているように思います。
スタジアムが長崎の文化的な背景としっかりマッチし、地域全体での盛り上げを行うことで、その魅力を最大限に活かせるのではないでしょうか。
全国的にも同様の施設が次々と建設されることが想定される中で、スタジアムの独自性や長崎らしさが希薄なままでは、施設としての魅力が早晩失われてしまう懸念もあります。
長崎市として、V長崎や地域コミュニティとの連携や支援を進め、長崎ならではの、長崎だからこその文化的な魅力を持つスタジアムとして発展していけるよう、ぜひご検討いただければと思います。
長崎は本当に素晴らしい魅力を持つ街で、連れてきた人は本当に褒めていただけます。
その魅力をより多くの観光客に感じていただけますよう、上記のような取り組みをご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
貴重なご提案をいただきありがとうございます。
・朝食環境の充実についてお答えします。
ご指摘のとおり、長崎市においては、朝早くから朝食を提供する飲食店は少ない状況です。長崎らしさを感じる朝食の提供は、訪問客の満足度向上に繋がり、また、飲食事業者にとっては新たなビジネスチャンスにつながるものと思われます。
現在、長崎市は、(一社)長崎国際観光コンベンション協会(DMO:Destination Management /Marketing Organization)とともに、さまざまな事業者と連携して、地域の魅力を引き出す取り組みを推進しており、「食の魅力向上」にも力を入れているところです。
・国際港ターミナル周辺の商業活性化についてお答えします。
松ヶ枝国際ターミナル付近の南山手地区にあるグラバー園内では、日本人シェフによる初めての西洋レストラン「自由亭」跡にカフェ「自由亭喫茶室」を設けたり、常盤・出島地区にある出島オランダ商館跡では、「旧長崎内外クラブ」を長崎の食をテーマにしたレストランを設けるなど、民間事業者による活用がなされています。一方で、グラバー園を除く山手地区の市有の洋館については、魅力的な活用がなされていないことから、市民の皆さまからも民間活力を導入し、各洋館の個性と魅力を最大限に活かした活用を望む声をいただいております。
そこで、令和6年度、官民連携による魅力的な活用を行うために適切な事業手法等について、民間事業者様を対象とした導入可能性調査を行っております。
この調査の結果を受け、来年度、実際に洋館を活用していただく民間事業者様を公募するための条件等を整理し、令和8年度に公募を行う予定としております。
・V長崎との連携についてお答えします。
長崎スタジアムシティをはじめ、市内に新たなまちの基盤が整備される中、交流人口の拡大を捉え、来訪者に周遊を促し、滞在時間や消費拡大につなげていくことが重要な課題であり、長崎市は、DMOや商工会議所などの関係団体、民間事業者などと連携し、浜町を含めまちなかへの回遊促進などに取り組んでおります。 ご提案にあります 「ソフト」面の具体的な取組内容については、長崎スタジアムシティでのサッカー試合後のスポーツファンを対象とした飲食イベントや、来訪者の回遊を見込んだスタンプラリーイベントの支援をしており、また、今後長崎スタジアムシティとまちなかを結ぶ直行のシャトルバスの運行も予定しております。事業実施に際しては、スタジアムシティとの連携協議の場も設定するなど、周辺部へ交流人口を波及するよう官民連携での取り組みを進めております。
今後も、スタジアムシティや関係団体、民間事業者などと連携して、イベント等の定着や拡大を図ってまいりたいと考えております。
(注)掲載されている回答は回答時点のものであり、その後の社会情勢や制度の改変などにより、最新の回答と異なる場合があります。