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無原罪の聖母図(聖母マリアの御絵)


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ページID:0004011 更新日:2024年11月11日更新 印刷ページ表示

無原罪の聖母図(聖母マリアの御絵)

(むげんざいのせいぼず(せいぼまりあのごえ))

県指定有形文化財

聖母マリア

指定年月日 平成29年10月16日

所在地 長崎市上野町10番34号 カトリックセンター

本資料は2009年フランスで確認され、2014年にカトリック長崎大司教区が譲り受けたものである。構図は王冠をかぶり三日月を足下にする聖母マリアを中心としており、マリアは原罪を受けていない存在だったとする「無原罪の御宿り(むげんざいのおんやどり)」を主題とする歴史資料である。
フランシスコ会系の要素を持つ複数の図像を、教義に基づき組み合わせていることから、制作にはフランシスコ会宣教師等の指導があったと推測される。そのため制作年代はフランシスコ会が日本で宣教活動をした17世紀初期と考えられている。また制作者については、和紙に日本の近世絵画の絵の具で描かれており、墨の下書き線に日本の伝統的な筆法が、曲線的な衣装や彩色などには西洋画の描写手法がみられることから、日本の絵画技法の素養を持った人物が西洋画を模倣して制作したと考えられる。
台紙には、フランス語で「プチジャン神父の贈り物」と印字があり、幕末から長崎で宣教活動をしていたプチジャン神父を経由してフランスへ渡ったと考えられる。
本資料はフランシスコ会の聖人が描かれるなど、フランシスコ会系のキリシタン絵画として現存する唯一の作例であり、キリシタン資料として学術的価値が高い。

  • プチジャン神父…フランス出身のカトリック宣教師。パリ外国宣教会会員として1863年に長崎に着任。