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薬害とは、医薬品の使用により、単なる副作用とは異なる重篤な健康被害が発生し、社会問題化したものをいいます。
過去に日本で起きた主な薬害には、スモン(キノホルム製剤による神経障害を主とする疾患)、サリドマイドによる胎児の障害、血液製剤によるHIV感染やC型肝炎ウイルス感染等があります。
薬害の発生をきっかけに、薬の安全性を確保するための法律改正や薬の副作用で被害を受けた人を救済する制度、副作用の発生を監視する制度の創設がなされました。各制度の詳細や手続き方法は、PMDA※ホームページからご確認いただけます。
※PMDA:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)の略称(厚生労働省所管)。
医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度です。
制度の概要や手続き方法:PMDAホームページ「医薬品副作用被害救済制度」<外部リンク>
医薬品の使用による副作用が疑われる場合に、患者又はその家族から直接報告を受け付ける制度です。
制度の概要や報告方法:PMDAホームページ「患者の皆様からの医薬品副作用報告」<外部リンク>
医薬関係者等が医療の現場で起こった医薬品の副作用や医療機器の不具合等を、厚生労働大臣に報告する制度です。
報告された情報は、専門的観点から分析、評価され、必要な安全対策を講じるとともに、広く医療関係者に情報を提供し、医薬品及び医療機器の市販後安全対策の確保を図ることを目的としています。
制度の概要や報告方法:PMDAホームページ「医薬品医療機器等法に関する報告の制度について」<外部リンク>
厚生労働省では、文部科学省の協力を得て、薬害を学ぶための教材「薬害を学ぼう」を作成しています。本教材は日本で起きた薬害の概要や被害にあった方々の声を知り、薬害が起こらない社会の仕組みを考えるために作られており、全国の高等学校や中学校等に配布されています。
本教材のほか、視聴覚(動画)教材や教員用の指導の手引き、実践事例集等が、厚生労働省ホームページ「薬害を学ぼう」<外部リンク>に公開されていますのでご活用ください。