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昭和57年7月23日、43年前の今日、長崎を集中豪雨が襲いました。「長崎大水害」と呼ばれるこの災害では、市内の各地で河川の氾濫や土石流が相次いで発生し、甚大な被害をもたらしました。この災害により、死者・行方不明者299名という尊い命が失われました。
改めて、この災害によりお亡くなりになられた方々と最愛の方を失われたご遺族の皆さまに対し、謹んで哀悼の意を表します。
近年、地球温暖化の影響により、全国各地で記録的な大雨や台風による大規模な災害が発生しています。
私たちは、「長崎大水害」を経験し、これまで河川の改修や砂防ダムの建設など、ハード面の対策を施してまいりました。しかし、災害はそれを上回る規模で激甚化し、想定を超える災害がいつ発生してもおかしくない状況となっています。
今年の長崎は例年と比べ早い梅雨明けとなりましたが、全国各地では大雨による異常気象に見舞われています。幸い、長崎市では、43年前の長崎大水害以来、大規模な災害は発生していませんが、近年の災害の頻発化・激甚化を考えると、いつ発生してもおかしくない災害に備え、「長崎大水害」を教訓として伝承し、市民の皆さまの防災意識が向上していくことはとても大切なことだと考えています。
災害から身を守るためには、「自分の命は自分で守る」という自助の意識が最も重要です。いざというときに最善の避難行動が取れるよう、ハザードマップを使って地域の危険箇所を確認し、「マイ避難所」について家族の方と話し合ったり、食料や非常用トイレ袋など家庭内備蓄品を準備しておくなど、日頃から災害への備えをお願いします。
長崎市といたしましても、市民の皆さまと連携して、防災訓練や避難所運営訓練を実施するなど、「オール長崎」で地域の防災対策に取り組んでまいりますので、併せてご協力をお願いします。
結びに、長崎大水害の記憶を風化させることなく、災害に強いまちづくりを進めることで、市民の皆さまが安全・安心に暮らせることを祈念してメッセージといたします。
令和7年7月23日
長崎市長 鈴木 史朗