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IHクッキングヒーター(IHコンロ)でも火災の危険があります


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ページID:0004327 更新日:2024年11月11日更新 印刷ページ表示

IHクッキングヒーターにも火災の危険

長崎市内で、IHクッキングヒーターを使用中に発火する火災が発生しました。

長崎市消防局管内では、過去10年間(平成21年~平成30年)で4件のIHクッキングヒーターに起因する火災が発生しています。

1 IHクッキングヒーターの安全心理

近年、ガスこんろに代わって多くのご家庭で使用されているものに、IHクッキングヒーターがあります。IHクッキングヒーターが普及した理由のひとつに「火を使わないから安全」ということが挙げられます。

火を使わずに調理ができるという点では、確かに安全と言えるのですが、使い方を誤ってしまうと、火災や事故が発生する危険があります。

2 IHクッキングヒーターが鍋を加熱する仕組みと安全装置

IHクッキングヒーターには、渦巻状のコイルが設置されており、ここに高周波の電流を流すと、「電磁誘導の法則」により磁力線が発生します。磁力線は通過した金属にうず電流を発生させ、うず電流と金属の電気抵抗を利用して金属である鍋自体を加熱するのです。IHとはIndaction Heating(誘導加熱)の頭文字をとった呼称です。
また、安全装置として、温度センサーなどが搭載されています。

IH加熱原理

3 火災事例

事例1:揚げ物をするために、食油が入った天ぷら鍋をIHクッキングヒーターで加熱中、家人は台所から居室へ行きテレビを見ていました。20分ほど経過したところで、天ぷら油が発火し、火災は発生した。なお、天ぷら鍋は、IH専用のものでなく、ステンレス製の鍋を使用していた。

事例2:揚げ物をするために、鍋に少量(100ml)の油を入れて、IHクッキングヒーターで加熱中、他の用事で約3分間台所を離れていたところ、天ぷら油が発火し、火災が発生した。なお、天ぷら鍋はIH専用鍋を使用していた。

火災事例

4 火災原因

2つの火災事例とも、火災が発生した最大の原因は、調理中に台所を離れたことですが、その他にIHクッキングヒーターの特徴が原因のひとつとなっています。その特徴とは、「加熱する力が強い」ということです。少量の油が強い火力で急速に加熱されたため、温度センサーの作動が間に合わず火災が発生してしまったのです。
また、IH専用鍋でなかったり、IH専用鍋であっても鍋底が反った鍋や変形した鍋、汚れ防止シートを使用すると、温度センサーが正しく働かない恐れがあります。

IH発火仕組み

5 IHクッキングヒーターからの火災や事故を防ぐために

IHクッキングヒーターからの火災や事故を防ぐために、以下の点に注意してください。

【重要】 調理中は、その場を絶対に離れない

  1. 取扱説明書記載の鍋やフライパンを使用する。
  2. 鍋やフライパンは、加熱部の中央に置いて使用する。
  3. 加熱温度を設定して使用する。
  4. トッププレート(ガラス部)に、鍋やフライパン以外の物以外の物を置かない。金属と1cm程離れていても、金属が発熱する場合があります。
  5. トッププレート(ガラス部)の汚れ防止カバーを使用する際は、IHクッキングヒーターと汚れ防止シートの取扱説明書の指示に従う。汚れ防止カバーにより、温度検知、空焚き防止機能が正常に作動しない場合があります。
  6. 調理中の注意事項
    • 揚げ物を調理する場合
      メーカー指定(取扱説明書に記載された)油量を守る。
      「揚げ物キー」や「揚げ物コース」を使用する。
    • いため物、焼き物を調理する場合
      少量の油を入れて予熱する場合は、火力を弱めて加熱しすぎないように注意する。
    • 液体を加熱する場合
      カレーや味噌汁などはかき混ぜながら加熱する。

6 最後に

IHクッキングヒーターは、便利で快適で安全な製品です。ただその安全性や利便性をフルに生かすには、取扱説明書の指示に従い、正しい利用方法を守るのが不可欠です。