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かんしょの原産地は、中央アメリカですが、日本へは17世紀はじめに中国から伝わったと言われています。かんしょは、根の一部が太ったイモ(塊根)を利用するために栽培されるつる性の作物で、やせ地でもよく育ち、強風にも強いことから、江戸時代には飢餓のときの救荒作物として栽培が普及され、第2次世界大戦後の食料不足のときにも大いに活躍した作物です。
長崎市内のかんしょの作付面積は約50ヘクタール、生産量は約1000トンと推計されています。かんしょは、ベニアズマや高系14号、焼酎の原料に利用されるコガネセンガンなど多くの品種がありますが、長崎市で主に生産されているのは、ベニアズマです。
かんしょの主成分は米と同じでんぷんです。野菜の中では糖分を最も多く含み、ビタミンCはりんごの6倍以上含んでいます。
また、食物繊維を豊富に含むことから便秘解消に効果があり、最近では美容食品として若い女性に人気があります。
かんしょの収穫時期は、品種によって異なりますが、8月から12月とされています。やきいも、てんぷら、サラダなどお好みの食べ方で食べられるほか、茎についても湯がいて煮物やおひたしとして食べられますので、秋の味覚を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。