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まちの個性を際立たせるシンプルで調和のとれたデザイン
公共空間は、それ自体が主役ではなく、まちの歴史や文化などの個性を“際立たせる”ための空間です。
そのため、公共空間を形成する路面や照明、サインなどのデザインは、それ自身が主張しすぎることなく、まち本来の個性を際立たせるようなデザインが必要となります。
このデザインを、まちなか軸では、「みえないデザイン」と定義します。
「みえないデザイン」とは、公共空間の各要素を、まちの個性にあわせて形態、色彩、配置などを十分に考慮した上で、それ自身が主張しすぎることがない、シンプルで美しく、機能性にあふれたデザインを行うことを意味します。場合によっては、雑多なものを“隠す”ことも「みえないデザイン」として重要な取り組みといえます。
まちなか軸では、こうした「みえないデザイン」を基本理念に、次に示す7つの基本原則に具体的なデザインを行い、持続可能で質の高い空間づくりを目指します。
多様性がひしめくまちの中で、さまざまな要素を繋ぎあわせまちの質を高めるとともに、雑多なものを隠し美しく潤いのあるまちを彩るものが「緑」の存在です。多様な緑がつながり、まちや市民とともに成長するデザインを行います。
まちの歴史や文化など現在までに培われてきたまちの個性・特性を踏まえたデザインや、時代の潮流やまちの成長、維持管理など将来に渡って持続的に発展・成長するデザインを行います。
公共空間のデザインは、5つのエリアの特性を顕在化するとともに、“軸”としての「連続性(つながり)」を創出するデザインも必要です。エリアの特性を活かし、その表面的な表情は変化しながらも、基本的な要素については統一感のあるデザインを用いることを原則とします。
公共空間を構成する要素はひとつでありません。路面、サイン、照明など、個別要素同士が調和し、全体として質の高い空間となるような「関係性・関連性」に配慮したデザインを原則とします。
全ての人にとって機能的で安全に利用できる公的空間としてのユニバーサルデザインを行います。
低炭素型社会にふさわしい地球にやさしいデザイン、生態系に配慮したデザインなど環境との調和を図るデザインを行います。
公的空間は、市民、事業者、行政が、まちの共有の財産として意識し、ともに創造していくものであることを原則とします。