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梅雨による湿気、豪雨、台風等の影響で、市内のマンションやビル等で自動火災報知設備が作動する事案が発生しています。
一定規模以上の建物に設置が義務付けられている設備で、建物内に複数の「感知器」を設置し、どこか1カ所の感知器が火災による煙や熱を感知すると、「受信機」で感知区域を表示するとともに、「地区音響装置(警報ベル等)」などで建物全体に警報を発して建物内の人たちに火災を自動的に知らせることができる設備です。
また、火災を発見した人が近くの「発信機」のボタンを押すことでも建物全体に警報を発することができます。
自動火災報知設備は、火災以外の要因によって作動することがあります。電気回路が不具合(故障)を起こしたり、いたずら等で故意に発信機が押されることもあります。定期的な点検を実施し、次の事例を参考に日頃から火災以外の要因によって作動しないよう注意しましょう。
自動火災報知設備の作動が頻繁に起こると、警報ベルが鳴っても誰も火災だとは思わず、次第に無関心になってしまいます。この状態で、本当に火災が起こったときに、初期消火、119番通報、避難の行動が遅れ、建物内の人たちが命を落とすことにもなりかねません。こうしたことを防ぐには、火災以外の要因の作動の件数をなくし、自動火災報知設備を信頼できる状態にしておく必要があります。また、警報ベル等が鳴ったら、他人任せにせず、みんなで対応するように体制を整備しておきましょう。
手順1、「受信機」にて点灯している区域と「警戒区域一覧図」で感知区域を確かめ、近くにある消火器、携行ライト、送話器を持って感知区域に行き、状況を確認します。
※注意 この時に警報ベル等を停止させないこと!
手順2、火災が発生していたら、下記の「火災発生時の対応」に従い適切に行動しましょう。
火災が発生していない場合は、「受信機」にある音響停止スイッチで音響(ベル等)を停止し、次の手順3へ
手順3、感知区域の「発信機」の押しボタンが押されているものはないか探し、発見したら押しボタンを引き戻し「手順5」に移ります。
押されている発信機がない場合は「手順4」へ
手順4、感知区域内の「感知器」に、赤色の「確認灯」が点灯しているものがないか探し、点灯しているものがあったら、それが作動した感知器ですので、直ちに消防設備士等による点検を受ける。
「確認灯」が点灯している感知器が無い場合は「手順5」へ
手順5、受信機の「復旧ボタン」を押し、受信機の地区表示が消灯したら手順2で操作した音響停止スイッチを元の位置に戻す。感知地区の表示灯が消灯しない場合や作動した感知器が不明な場合は、直ちに消防設備士等による点検を受ける。
※注意 復旧後は必ず、地区音響・主音響ともに、停止を解除してください。一度停止させると、解除しなければ次に感知した時に音が鳴りません。
火災以外の要因による自動火災報知設備の作動が起こったら、機器の不具合も考えられますので、直ちに消防設備士等による点検を受け、常に正常な状態にしておきましょう。