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●寺院
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全国でも珍しい寺院が集まる
清水寺〜寺町通り、そぞろ歩き
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様々な文化が混在し、今に息づいているのが長崎の町。
そこには当然日本古来の文化もあるのが当然だ。
長崎で寺と言えば、すぐに国宝級の建造物の宝庫である唐寺(とうでら)の「崇福寺」「興福寺」の名前が浮かぶけれど、この2つの寺を取り囲む風頭山の麓、寺町を中心に、鍛冶屋町、伊良林にまたがる界隈には14の寺と2つの神社が一列に並ぶ全国でも珍しいエリアがあるのだ。
昔ながらの祭りが根付く神社、絢爛(けんらん)な唐寺と静寂な寺々が並び、その奥には長崎の歴史を彩った偉人たちがひっそりと眠る墓碑群が広がっている。
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それぞれの寺院の御利益や昔からの言い伝えなどにも目を向けながら、300年以上もの歴史を持つ風情ある町並みを歩いてみるのも楽しいもの。
夕方の5時や6時には鐘を付くお寺もあり、ボーンという鐘の音が一帯に響き渡る。
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●唐寺と孔子廟
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福々しい縁起物いっぱい
国宝、重文いっぱいの崇福寺
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崇福寺と言えば、国宝、重文(重要文化財)いっぱい!の赤い唐寺として知られる長崎を代表する観光スポット。
なんてったって国宝2件、国指定重要文化財5件を含む、計21件もの文化財があるのだ。
しかし、一口に国宝や重文がいっぱいでスゴイ!
と言われても、どんな所がスゴイのかわからな〜い!よね。
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そこで分かりにくいスゴサの他に崇福寺を楽しむ方法があるのだ。
それは「縁起物み〜っけ大作戦!」。
中国で福を招くと言われる象徴が寺内にあふれているのだ。
キーワードは
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「狛犬(獅子)が戯れている繍球(毬)」
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「桃」
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「瑞雲(雲)」
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「蝙蝠(コウモリ)」
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「蓮の花」
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「鹿」
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パッと見てコレ何? と思うものにも、なるほど! と納得できる言い伝えがあったり、見れば見るほど不思議?が広がる崇福寺。
ビジュアル的にも赤いお寺はカワイイし、記念撮影もどこでも絵になる実に福々しい場所なのだ。
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●唐寺と孔子廟
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ゆったりとした時間が流れる
長崎最古の唐寺・興福寺
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隠元禅師が趣いたことで有名な興福寺。
その時、隠元禅師がインゲン豆を伝えたというのは長崎では有名なお話。
しかし、隠元禅師が伝えたものはまだまだいっぱいあった!
今は和食に分類するごま豆腐、胡麻あえ、けんちん汁。
すいか、れんこん、なすびなどの野菜果物、そして印鑑、ダイニングテーブルまで。
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中国文化がこの寺を通じて日本へ伝わったのだ。
そんな長崎最古の唐寺・興福寺は、建物の素晴らしさはもちろんながら、その素晴らしい空間を活かし、本堂や本堂前の庭などを利用したコンサート、イベントなどがさかんに行われているので、訪ねるときは必ずチェックして行こう。
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昨年10月に行われたイベント
「長崎さるこーで」の様子(上/左)
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●唐寺と孔子廟
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一歩足を踏み入れると、そこはまるで中国
孔子を祭る孔子廟で精神修行!
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儀門(ぎもん)と呼ばれる孔子廟の正面玄関をくぐり抜けると漂うお香のかおり……。
居留地時代の名残りから現在でも多くの洋館がみられる東山手の中で、レンガ塀からのぞく色鮮やかな極彩色の廟宇は長崎らしい異国情緒あふれる光景。
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孔子と言えば『論語』で有名な儒教の祖。
子曰く(し、いわく)……と始まる20編約500章もの孔子の教えが日本に伝えられたのは西暦285年。
そして、江戸時代に入るとさらに今でいう大ブレイク!
その精神世界が人々の胸を打ち、明治期までは生活の規範、人生の指針として根強く日本人にも根付いてきた。
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儀門から連なる左右の廻廊状になった両廡という場所には、この孔子の言行録である『論語』全文16000余字が台湾省花連産の大理石に彫ってある。
「子曰く、故きを温ねて新しきを知る。以って師と為るべしか
(しいわく、ふるきをたずねてあたらしきをしる。もってしとなるべしか/
古いものを洗い直して学ぶとすばらしい知恵が発見できる)」などなど、孔子の言葉に触れてみよう。
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●石畳・石橋・坂
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長崎らしさを足元の石に注目!
街中の石畳から石橋、石畳の坂まで
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長崎の街中は、何気なく歩いていても様々な石畳の道筋に出会う。
それは古くからの石畳や石橋であったり、新しく整備されたものだったりするのだけれど、これも長崎の情緒を形成する大きな要素のひとつなのだ!
中でも代表的な場所と言えばオランダ坂や中島川の石橋群。
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眼鏡橋
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桃渓橋
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しかし、他にもまだまだあるのだ。
グラバー園がある南山手にあるどんどん坂やこの坂周辺の石畳、
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坂本龍馬ゆかりの地である伊良林から風頭山へ上るに整備された龍馬通りなど、観光スポットの周辺は石畳の道や坂道ばかり。
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シーボルトが開いた鳴滝塾近くには市内に架けられた最古の石橋として眼鏡橋から数えて3つめに古いアーチ型石橋、古橋(中川橋・なかごばし)があって、この橋付近から続くトロトロ坂は長崎旧街道の古い石畳の道なのだ。
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ここは昔から坂の町・長崎のエキゾチックな風情を象徴する風景と言われている。
有名どころじゃない路地にも個性豊かな石畳があふれている長崎。
徒歩での観光の際はぜひぜひ足元にも気を払って歩いてみよう。
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