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くんちが子どもの成長を育んでくれた
cotoco 柳まり子
諏訪神社の秋季大祭「長崎くんち」。寛永11年(1634年)に開始されたこの行事は、長崎市の伝統行事として市民に親しまれています。
子育てをしながら教育活動を行う柳さんは、祖父母や父の影響を受け、長崎くんちを大好きになった人の一人。柳さんが長崎くんちに出会ったのは2歳の時です。先曳として、母に抱っこされながら、初めて長崎くんちに出ました。その後、7年後も同様に先曳をし、徐々に長崎くんちの魅力に触れていきました。県外の大学に進学した時も、毎年、シャギリの音が聞こえる季節になると長崎に戻ってきて、庭見世や庭先回りなどに行っていたそうです。
柳さんは自分の結婚式の余興に、長崎くんちの演し物「コッコデショ」の披露をお願いするほどの大のくんち好きです。そんな柳さんに転機が訪れたのは10年前。踊り子として長崎くんちに出ることになりました。これまで踊りや作法について触れたことが無かったので、当時は不安ばかりだったと言います。しかし、稽古を重ねるうちに演じる側のうれしさを感じていき、長崎の伝統的な部分に惹かれるようになりました。
その後、今度は柳さんの子どもが長崎くんちに参加することに。まだ幼い2人の子どもたちにとって、厳しい稽古に励んだり、大勢の人の前で演じたりするのは簡単ではありません。時にはくんちに出ることを諦めようかと思ったこともあるそうです。しかし、最後まで稽古を続けて、しっかりと本番を演じきった2人の子どもの「また7年後も出たい」といった言葉と聞いて、とても頼もしく思ったと言います。
長崎くんちを通じて、普段の生活の中でも子どもたちの成長を感じられるようになったと話す柳さん。自身に負けず劣らずのくんち好きの子どもたちは、まちなかを歩いている時に長崎の歴史や文化に自然と興味を持つようになったと言います。時にはくんちの楽曲の中に出てくる場所に実際に行ってみるほど。最近では、子どもたちに長崎の良さを気づかされることも多いですねと笑顔で話します。
私の好きな風景
家族でよく散歩する長崎水辺の森公園。港と稲佐山を眺めながら、子どもたちとおしゃべりしたり遊んだりします。
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