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枠を超えて地元のおもしろさを伝えたい
SLOW 武次 亮
市内中心部とは少し雰囲気が異なる長崎市の南部地区。
美しい海や恐竜の化石が発掘されるなどの独特な自然環境、そして海の向こうに浮かぶ世界遺産「端島炭坑(通称 軍艦島)」。このエリアには人を惹きつけるたくさんのおもしろさがあります。
武次さんはそんな南部地区の魅力を伝え続けて8年。雑誌を通じて、生まれ育った自分の地元の魅力を地元の人たちに届けています。「生まれた場所で働きたかったんです」と話す武次さん。ウェブやSNSなど伝える手段が多様化する現代で、雑誌が持つこれからの可能性を考え、「狭く深く伝える」ということを大切にしたいと思ったと言います。
仕事柄、地域の人と話す機会が多い武次さん。あるお店の人からこう言われたそうです。「遠くから足を運んでお店に来てもらうのもうれしいけど、やっぱり地元で暮らす人に来てもらうのがうれしいね」。この言葉が「狭く深く」という自分の雑誌をつくる指針になりました。雑誌の取材を通じて、仲間や地元のおじいちゃんやおばあちゃんたちと話し、その人たちが大切にしていることを知ることが仕事のヒントになっているとも言います。武次さんが地元の魅力を伝え続ける理由は「おもしろさ」があるから。風景や食べ物、そして人などさまざまな魅力がある中で、それを表現することが楽しいと話します。時には居酒屋で時には定食屋で。地元の人と話したりつながったりすることで、これまでとは違った新しい企画が生まれていきます。
小さい頃の同級生と一緒に営む「はじっこ商店」には、コーヒーの良い香りが漂い、懐かしい本が置かれています。地元の人がほっと一息できるこの場所には、武次さんが南部のおもしろさを伝え続けた雑誌「Hajikko」が立ち並びます。
私の好きな風景
鶴見台第3公園からの眺め。武次さんが子どもの頃、友だちの家から帰る時によく通った思い出の景色です。
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