ザボンといえば、ザボン漬けが主でしたが、長崎市内のみかん生産者が数年前からそのまま食べられる「長崎ザボン(紅まどか)」の復活に取り組み、生産が始まりました。ザボンの原産地は、アジア 南部(ポリネシア・マレーシア)で、1667年に日本で初めて長崎に種が持ち込まれ、西山神社に播かれたといわれています。今でも三代目の原木が西山神社に現存しています。


この「長崎ザボン」はグレープフルーツのような赤く柔らかい果肉で、文旦特有の苦みがなく甘みが強いのが特徴です。ザボンは、1月〜2月にかけて熟し収穫されます。購入後1週間位はそのままで香りを楽しみ、それを過ぎたら実を食べ、果皮は陰干しして、半乾き程度になったらお風呂に入れるという昔ながらの柑橘類の味わい方ができます。


長崎ザボン」といえば、歌謡曲「長崎のザボン売り」を思い出される年配の方も多いと思います。歌がヒットした当時、長崎では害虫駆除のためにほとんどの木が伐採されてザボンは手に入らず、歌のイメージで長崎を訪ねた観光客からは苦情が出たと言われています。しかし、ほどなく駅前広場に、他県から持ち込まれたザボンが並べられ、なつかしい映像でおなじみの“ザボン娘”も登場しました。県内生産も増え名物となりましたが、その後は生産がだんだんと減っていき、一時はほとんどなくなるほどでした。


今年のランタンフェスティバルでは、この「長崎ザボン」が長崎の古くて新しい名物として売られていました。長崎ザボンが復活することで新しい歌も出てくるかもしれませんね。



【もどる】