3.観光地あり絶景あり!のダイヤランドコース
(長崎バス・60番系統 大平橋経由)ルート間230円、所要時間約35分

ルート長崎駅前東口→市役所前→興善町→親和銀行前→中央橋→浜の町→長崎新地ターミナル→市民病院前→大浦天主堂下→石橋→上田町→川上町→日の出町→椎の木町→大平橋→丸尾神社下→大浦中前→南町→八景町→長崎霊園下→出雲3丁目→二本松団地→上戸町→水源地下→戸町中裏→大山入口→新戸町団地→ダイヤランド入口→ダイヤランドセンター→くすのき通り→ダイヤランド→ダイヤランド車庫(終点)


車内からの景色

長崎駅前東口から興善町までは「立山・浜平コース」と同じルート。このコースでは右側シートをキープしよう!
興善町バス停から左折して路面電車が通る賑町方面へと坂を下ると親和銀行前バス停に出る。このコースでの中央橋バス停は、県庁坂ではなく浜市アーケードや中島川に架かる“くろがね橋(通称・鐵橋/てつばし)”側。この橋は、今は鉄筋コンクリートに架け替えられているが、明治元年にオランダ通詞であると共に日本における活版印刷の始祖である長崎出身の本木昌造が架設した日本で最初の鉄製の橋だった。

鐵橋

そして、次のバス停はこの鐵橋の隣に架かるまさしく“中央橋”を渡り、電車道を築町電停方面へ進んだ十八銀行本店前の浜の町バス停。中央橋のバス停同様、浜の町バス停も向かいあっておらず、コーナーにあるため、同じバス停名でも行き先によって場所が異なるので注意しよう。
次は長崎バスの本社である長崎新地ターミナルバス停。このバス停は、“長崎新地中華街”、“唐人屋敷跡”、“出島和蘭商館跡”、“オランダ坂”など長崎を代表する観光地巡りの拠点になる。中国の旧正月を祝う祭り、長崎ランタンフェスティバルのメイン会場“湊公園(みなとこうえん)”もここから目と鼻の先にあり、今年も多いに賑わった。

左手に“ながさき出島道路(長崎IC)”を見ながら直進すると市民病院前バス停がある。この“大浦海岸通り”と呼ばれる通りは、慶応元年(1865)、トーマス・B・グラバーが日本で初めての汽車、“アイアン・デューク号”を走らせた道。まだ明治を迎える以前、モクモクと煙を吐き出しながら走る汽車に、当時の人々はさぞ驚いたことだろう。現在、この大浦海岸通りの右手に広がるエリアは、長崎市民の憩いのスペース“長崎水辺の森公園”が広がり、春には各国の大型帆船が入港する“帆船まつり”(2007.4.26〜30開催)、夏には毎年“ペーロン選手権大会”や恒例の“花火大会”などが催される“ながさきみなとまつり”(2007.7月下旬)の舞台となる。また、ここから見る“女神大橋”の夜景は最高だ!

長崎水辺の森公園

次は松が枝橋から左折。すると長崎きっての観光名所“大浦天主堂”、“グラバー園”の上り口の大浦天主堂下バス停がある。大浦海岸通りも含めたこの海岸線一帯が埋め立られ、整備されたのは安政開港から明治初期にかけて。バス停横を流れるこの“大浦川”をはさみ、上流に向かって右の丘を南山手、左の丘を東山手として、昭和初期まで主にヨーロッパ系外国人が異国の文化そのままに暮らす“外国人居留地”が栄えた。今でもその名残が町のあちらこちらに点在するところが大浦界隈の面白いところだ。

そしてこのバスは石橋バス停上田町バス停と、曲がりくねった道を上っていく。進行方向右手、川上町バス停日の出町バス停の中間に位置する場所には、居留地時代、長崎に移り住んだ外国人や航海途中で亡くなった外国人などが眠る“大浦国際墓地”がある。


大浦国際墓地

このバス道路もかつてはかなり狭く、バス同士の離合などは困難そうだったが、現在は日の出町バス停から椎の木町バス停大平橋バス停までがかなり広くなった。しかし、そこから先、丸尾神社下バス停大浦中前バス停までの道が“風頭コース”に負けずと劣らずの坂道&カーブ&細道。さらにバスが通る頻度も意外と多い。若葉マークの方は必ずビビる難所なのだ。しかし、バスの運転手さんはいたって冷静。バス同士がすれ違う際は“ファ〜ン”などとクラクションを鳴らし、時にはゼスチャー交えて笑い合っている。そんな長崎のバスの運転手さんはやっぱりスバラシイ!

さて、南町バス停までくれば快適なドライブコースが待っている。ここからは、“小ヶ倉田上線”と呼ばれる県道237号線。八景町バス停から長崎霊園下バス停出雲3丁目バス停と今通ってきた長崎市街地と大浦の街並み、そして長崎港と稲佐山の素晴らしい景色が一望できるのだ。特に東山手に建つ、“活水女子大学・東山手キャンパス”や“海星学園”の存在感のある洋風建築はことさら美しい。その絶景の程を証明する日が前述した“花火大会”の日。沿道には「どこから来たの?」と問いたくなる程大勢の見物客がつめかけるのだ。

そして二本松団地バス停近くにさしかかると右手にデーンと女神大橋が出現する。この女神大橋からの眺めも絶景だが、女神大橋自体も長崎の町に新しいエッセンスを与えてくれた。四季折々のイルミネーションも見逃せない!


女神大橋

さて、この辺りから下り坂となり上戸町バス停まで下ると、左前方に今度は“活水女子大学・新戸町キャンパス”の美しい建物を望むことができる。

小ヶ倉水源池下の水源池下バス停からは、主に左手に曲がりくねって見え隠れする“鹿尾川(かのおがわ)”を右手に、233.7mと意外に高い“大久保山”を眺めつつ戸町中裏バス停大山入口バス停新戸町団地バス停へ。


鹿尾川

そして、ガソリンスタンドから左折するとダイヤランド入口バス停。この“ダイヤランド”というネーミングには「?」の方もいるかもしれないが、これは長崎市内で2番目に付けられたカタカナの町名。別にダイヤが採れるわけではなく、三菱が開発した団地だったために三菱の社章であるダイヤが付けられたのだ。洒落た家が多く立ち並ぶ閑静な住宅地であることはもちろん、その多くの家から海を望むことができるのが、このダイヤランドの魅力だ。ダイヤランドセンターバス停くすのき通りバス停ダイヤランドバス停と、まるでモデルハウスを訪れたかのようにバスの中から眺めるのも楽しい。


車庫からの眺望

そして、終点のダイヤランド車庫に到着すると、ここでも長崎湾に浮かぶ“三菱造船所香焼工場”や行き交う船を見下ろす絶景が広がる。

長崎の山と海と坂と歴史を一度に体感できる、そんな路線バス観光。ぜひ、一度お試しあれ!

〈3/3頁〉
【最初の頁へ】
【前の頁へ】