「かまぼこ」は、長崎では普通「かんぼこ」と呼ばれて親しまれています。
この「かまぼこ」の歴史は古く、平安時代に神功皇后が地方征伐の際に、生田の社ですりつぶした魚肉を鉾の先につけて焼いて食べたのが起こりといわれていますが、これは、今で言う「竹輪」のこと。今日のように板にすり身を付け焼いて食べるようになった室町時代から、竹輪と板に付けたものを蒲鉾と区別するようになったらしく、蒸すようになったのは江戸時代からだそうです。


「かまぼこ」は時代と共に進化していき、今もいろいろな新製品がでてきて、その味と見た目で人々の目を楽しませていますが、今日ご紹介するのは、長崎ならではの「カスティラかまぼこ」(伊達巻)です。
「カスティラかまぼこ」は、元々、江戸時代に誕生した卓袱(しっぽく)料理の中のひとつとして誕生しました。これが、文化文政時代、江戸に伝わった際に「伊達巻」と呼ばれるようになったといわれています。

一見、玉子焼きの親分という感じの「カスティラかまぼこ」は、魚肉に砂糖と卵を混ぜ合わせ、丁寧に焼き上げるには高度な技術が必要で、昔から板付け3年、竹輪5年、伊達巻10年と言われるのだとか。この贅沢なかまぼこも最近の一般の家庭では、お正月や特別な料理の時にしかお目にかかることができなくなったのが少し残念な気もします。
甘くて、ふわっとした食感はどこかなつかしく、長崎では「伊達巻」ではなく、「カスティラかまぼこ」と呼んであげたい一品です。

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