井村さん「安禅寺と東照宮は長崎一の大寺院となって、多くの信仰を集め、寄進も多かったようです。東照宮下の石段は、昔からの古い石段のようです。おそらく、一般の人はここまでくることはできなかったんじゃないでしょうか?それにしても周囲の石垣のきれいに切り分けられた石積みは素晴らしいですよね。ここの石段脇の狛犬は、町年寄だった高島秋帆のお父さんが寄進したものです。これに比べて、この横の石段は狭いですよね。正面の石垣も、ここだけ、大きさも違うように見受けられます。後年に造られたものではないでしょうか。とにかく、県立図書館横から丸馬場を経て東照宮にかけての現存する石門、石垣、石灯籠、石の唐獅子は当時を彷彿とさせる素晴らしいものがあります。私は、この石垣の石は近くの女風頭といわれる岩原郷立山から切り出されたと推測しています。」
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