石に囲まれた長崎の石材店 町中に敷き詰められた石畳、高台の家に続く石段、中島川に連なる石橋群。長崎は“石”ととても縁の深い町でもある。かつての寺町(筑後町周辺)、現在の寺町のどちらにも通称“弊振坂(へいふりさか)”という名の坂があり、その坂を登ると石切り場だった。“弊振り”の語源は、石を運ぶ際、指揮者が御幣、つまりお金を見せて労働者にやる気を出させたことに由来する。建物や町造りなど、古い長崎の歴史と伝統が刻み込まれている石。その中でも一番身近な存在はなんといっても墓地だろう。唐人墓をはじめとした外国人の墓碑もだが、長崎人の墓には他県には見られない独自の伝統文化があるのだ。
〈2/4頁〉 【長崎の伝統を食文化に見る】 【長崎の伝統を石文化に見る】 【長崎の伝統を菓子文化に見る】 【長崎の伝統を薬文化に見る】