●犬の糞横町(いんのくそよこちょう)/これはどこか一定の場所の地名ではなく、ある条件が当てはまるとこう呼ばれるというニュアンスのもの。西浜町や銅座町、江戸町などにこう呼ばれる道筋があったといわれるが、その条件とは、道が狭くしかも不潔な感じの横町ってことらしい。各町でそう呼び合ったというが、決して自分の町のことは言わなかったところらオモシロイ。喜ばしいことに現在はこの条件に当てはまる場所はないようだ。
●シバヤンジ/銅座橋の向かいの角から西方の小道に入ったところに弦月形の“銅座釜屋”と呼ばれる地があった。銅座が設けられ銅座銭を鋳造していた当時、熔鉄を製造する熔鉄炉の釜が設置されていた場所だ。その近くに人字形の通りがあり、ここを“シバヤンジ”と呼んでいたのだそうだ。由来は、近くに数軒存在した芝居小屋の存在。当時の人は、芝居を“シバヤ”と言っていたことから“芝居小屋の地”または“芝居小屋へ行く道”が訛ったものだと言われている。
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