3.山頂まであと少し!
 険しい山道も踏ん張って登れ!(後編)



来た道を戻り、先程の分岐点から本来のルートに戻りしばらく行くと、左側に「飯盛神社」と刻まれた鳥居が見えてきた。
右へ進めばそのまま英彦山神社へと辿り着くが、ここでも神参りのため立ち寄ることに。

見上げる程延々と続く石段にはちょっと腰が引けたが、思い切って足を踏み出す。
自然石でできたこの参道は手すりがはめ込まれた中央に向けてやや反っていて危険。手すりに手をかけて登ることにした。より達成感を感じるために石段の数を数えてみる。172段。一息に登るのはやや困難な段数だ。しかし、休憩がてら途中で振り返るのも高所恐怖症の人には不向き。ひたすら前をみて登ろう。


豊前国英彦山の末寺であった豊前房神社内にある飯盛神社は、受験、進学に御利益があり年々参拝者が増えているそうだ。境内には、なでると万病に効くと言われている“蛤(はまぐり)石”や、かつて力士が力試しをしたという“両国関初土俵力験之石”があった。また、湧水も豊富で、水神様が祀られている。祠の前には竜神様の姿もあった。


<飯盛神社>


<蛤石>


<竜神様>


<両国関初土俵力験之石>

祠下の石段を数段下り左手に進むと、今、後にした飯盛神社、田手原、そして英彦山神社の分岐点となる製材所広場に出た。ここまでは田手原方面から車で来ることも可能だ。ここからは右へコースをとり、英彦山神社と書かれた鉄製の鳥居をくぐり抜け、再び細くて険しい山道へと入っていく。
さぁ!いよいよこのハイキングもクライマックスへ!
ここからはかなり急傾斜の山道。晴れの日だったにも関わらず、うっそうと繁る草木のせいで日が当たらず地面が滑りやすくなっていた。注意が必要だ。

山道にはたくさんのいが栗が落ちていたが、栗の実は入っておらず……。野生動物が食べているのか? すでに栗拾い来た人がいるのかは不明。


この山道をひたすら15分程度進むと、左手に照葉樹林に囲まれた英彦山神社の石段が見えてきた。


石段を登り上がると山頂を示す英彦山の祠に到着。


無線中継所の前を通り抜け、田手原方面の景色が一望できる岩でお楽しみのランチタイムにとることにした。




お楽しみはこれから!
澄んだ空気と美味しいランチ…

実は今回、藤澤さんと野瀬さんは共に18キロもあるザックを背負って登山。普段登っている山に比べると英彦山は物足りないというのが、登山家の本音なのだ。

18キロものザックの中にはビールにワインといった飲み物と食材、調理器具に携帯用のワイングラスやテーブルなどがぎっしり詰められていた。


本日のランチメニューは藤澤さんお手製のブルスケッタ(薄切りパンにニンニクをすり込んでトマトとオリーブオイルなどを合わせたものをのせて食べるイタリア料理)、ポトフなどなど。


とってもデリシャスなイタリアンを口に運びながら眼下に広がる景色を眺める……。「登って良かった〜」「最高だね〜」と感じるひとときは、おそらく2時間は続いた。最後に田手原の景色をバックに記念撮影をパチリ。


さて、帰りは愛宕山方面へと下っていく。





途中、稲佐山や長崎港入口が一望できる場所があり、この絶景に思わず心動かされ、約1名、両手を広げ風を感じる人が現れた。



ゴールデンレトリバーを連れて登山する人にも出会った。



愛宕山への下り道は日当たりがいいので道も乾いていて歩きやすく、野草にも目がいくような余裕もでてきた。




   

15分ほど歩くとコンクリートの道になり、八橋神社に出る。ここのあまりに低い鳥居にびっくり。






道なりに進むと矢の平の住宅地へと出た。ここを下っていくと国道34号線、スタート地点と同じ蛍茶屋電停へとゴールした。
所要時間約5時間半。(ランチが長過ぎたのか……短縮すれば4時間半!)
久々のハイキングに清々しさを感じた取材班。下りはラクチン!と思いきや、その日の内に足がパンパンになる情けなさを味わってしまうことになり、日頃の運動不足を痛感させられてしまった。
普段眺めている山から住んでいる長崎の町を見下ろしてみると、四季折々で新たな発見ができる。皆さんも日頃の運動不足解消、また素晴らしい見晴らしと美味しい空気を味わいに彦山をはじめとした近郊の山へと登ってみてはいかがかな?


〈3/3頁〉
【最初の頁へ】
【前の頁へ】