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つながる「まち」と「ひと」

更新日:2023年1月4日 ページID:031948

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まちづくりを通して出会った「まち」と「ひと」のつながりについてご紹介します。

第8 回 「合同会社wakuwaプランニング のみなさん」と「まち」とのつながりをご紹介します。

~夢がカタチに!シェアキッチン「くるねこんね」OPEN~

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≪左から藤本さん、渡辺さん、吉持さん≫

今回は、平和町に誕生したまちづくり会社「wakuwaプランニング」のみなさんをご紹介します。wakuwaは平和町商店街とその周辺の活性化のため、令和2年2月に観光事業とシェアキッチン事業を主軸に藤本さん・渡辺さん・吉持さんの3名で創業しました。メンバーの渡辺さん・吉持さんはきらりびと第6回(平成30年12月)でご紹介しています。今回はその続編となるので、そちらも合わせてご覧ください。
任意団体から合同会社になるまでのwakuwaの歩みと今後の展望について、渡辺さん・吉持さんのお二人からお話を伺いました。

1.これまでの主な取り組みを教えてください。

もともと、平和町商店街を盛り上げたいとの思いで活動を始めました。その思いは平和町全体へ広がり、多くの出会いに支えられながら、一歩一歩楽しみながら進んできました。

平成28年4月 「あったらいいな、こんなまち」のまち歩きワークショップの企画・実施

平成29年4月 長崎市まちなか商業人材サポート事業参加「まちづくり会社のすすめ」(~平成30年3月)

平成29年7月 山里地区わくわく夏祭り(主催:山里連合地区自治会 計画・企画:wakuwa)

平成30年1月 第1回長崎観光ビジネスプランコンテスト(サポート賞受賞)

平成30年6月 ワークショップ・平和町ガイドブック製作(※1)など(~平成31年9月)
(九州電力まちづくりサポート制度)

平成30年10月 山里地区わくわく秋祭り(主催:山里連合地区自治会 計画・企画:wakuwa)

令和 2年 2月 合同会社wakuwaプランニング設立

令和 2年 7月 シェアキッチン「くるねこんね」(※2)オープン
(長崎市交流の産業化リーディング事業)

(※1)旅行者向けガイドブック「浦上天主堂編」「平和町を考えるミッション編」

(※2)共同で使う飲食店の設備がある空間
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≪シェアキッチン「くるねこんね」≫

2.シェアキッチンはどんな方を対象にしていますか?

・飲食店の独立開業を目指す方がチャレンジする場(営業許可を得ています)

・お料理・パン・お菓子などの教室を運営したい方

・セミナー・ギャラリー・ワークショップ・イベントスペース・保護者会などで使いたい方

3.シェアキッチンをオープンしてみた感想を教えてください。

シェアキッチン「くるねこんね」は、10年以上の空き家物件を改装しました。床張りや壁を塗る作業をみんなで行い、苦労した分、温かみのある空間になったと思います。 改装作業や情報発信に大学生の参加もあり、新たな交流が生まれました。また、シェアキッチンを探していた方から早速連絡を頂き、シェアキッチンの必要性と、ここから出会いが増え新たな展開が生まれる予感がしました。

4.シェアキッチンはどのような場に育ってほしいですか?

・地域の人々が楽しめる場

・長崎市外の方との交流の場

・旅行者と地域の方の交流の場

・外国人旅行者にとり日本体験の場となり、地域の人との交流の場

地域の方をはじめ、多くの方に利用してもらい、利用者の方が将来独立して地域の賑わいを作っていってくれたら嬉しいです。
5.wakuwaに対する地元の方々の反応を教えてください。

オープンを楽しみにしていて声をかけてくれる人が最近増えました。平和町商店街の方々と、近隣のお店に注文したお惣菜を「くるねこんね」に持ち寄って小さな食事会を数回行いました。実際に使い方を体験していただき、協力体制が少しずつできていくのを感じています。


6.みなさんが地域のために尽力できるエネルギーの源は何ですか?

・今までつながった長崎の方々との連携が深まることと、出会っていなかった方との素敵な出会い

・自分たちが動くことで、地域の方のワクワクする笑顔と変化が見られること

・国内外の旅行者の方と時間を共にすること


7.ご覧になっているみなさんへのメッセージをお願いします。

現在、シェアキッチンは地域の皆さんの交流の場が中心となりますが、将来的には国内外の旅行者や留学生など文化交流の場にもなるようにと願っています。

「くるねこんね」にぜひ、一度足をお運びください。みなさまと楽しい時間を共有できればと思います。

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【取材して】

長崎市に今までなかった新たなコミュニティスペースが誕生しました。どなたでも好きなこと得意なことを活かして、気軽にアイディアを形にしていける場所です。初めは小さな一歩でも、社会の中で自分の新たな可能性を見つけたいという人を後押ししてくれるはずです。

このような場があちこちで芽吹いて、気づいたら長崎市がもっと面白いまちになる、そんな可能性を感じました。

ホームページアドレス:https://wakuwa.net/cc

第7回「築町べっぴん会」を通した「まち」と「ひと」のつながりをご紹介します。


“築町に関わる女性たちが女性目線で築町を盛り上げよう”と「築町商店街」の活性化に独自に取り組んでいる『築町べっぴん会』の会長 川口由布子さん、副会長の青山由美子さん、前副会長 田中香代子さんに、日頃の取り組みや築町への思いについてお話を伺いました。

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【(左から)前副会長 田中さん、会長 川口さん、副会長 青山さん】

平成30年1月の県庁移転をきっかけに、会長の川口さんが中心となり同年2月に『築町べっぴん会』を発足。「町内の人たちがお互いの顔を知って絆を深め合い、女性たちの力を結集して、まちの賑わいを取り戻して活性化したい」との思いで、毎月定例会でメンバー(正会員17名)のアイデアを取り上げ、”今できること・すぐできること“から取り組んでいます。

『築町べっぴん会』として初めての取り組みは、平成30年11月に開催した「築町フェスタ」。ポルトガルの華やかな民族衣装をイメージしたファッションショーやライブを行いました。これは、長崎市とポルトガルのポルト市が姉妹都市であること、また、築町の通りがポルトガルの下町をイメージしたものであることから開催したそうです。ファッションショーのモデルは公募し、衣装は『築町べっぴん会』のみなさんが手作業でリメイク、メイクはプロの美容師さんが手掛け、参加者の皆さんはとても喜んでくれたそうです。普段は商店街では見かけないお客さんも来てくれ、参加者は200名以上に上ったとのこと。

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平成31年1月には、築町にある店舗を紹介する「築町マップ」を5千部作成し、築町の各店舗や観光案内所などに配布。からすみ屋さんや鯨肉店をはじめ、長崎らしい老舗店からペットのトリミングサロンまでバラエティ豊かなラインナップです。築町の歴史なども紹介しており、普段何気なく通っている中島川沿いに海援隊発祥の地「土佐商会跡」があったことは新たな発見でした!マップのQRコードで、最新の店舗情報を確認することも可能。観光客の方にも地元の方にも、見どころ満載な「築町マップ」です。
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このほかにも、6月はてるてる坊主、7月は七夕飾り、8月には打ち水を行い、10月にはハロウィンにちなんだ飾りつけを行ったそう。このように『築町べっぴん会』では、女性ならではのきめ細やかな気遣いや、人に喜んでいただくことを想像しながら、活動を楽しんでいます。
「今のまちのために次に何をやるのか考えることが好き」と話す副会長の青山さんは、生まれも育ちも築町。魚屋が3~4列並んでいた昔の賑わいを知っている方です。会員として1年活動してみて、会員それぞれの店の事情があり一丸となって取り組むことの大変さを痛感したそうです。
だからこそ「“まちおこし”のように気張ったものではなく、ダメだったら休んでいい。まずは3年続けてみようと。そして何より、『築町べっぴん会』の活動に参加できるのは勤務先の理解があってこそ。周囲の方にとても感謝しています。」と笑顔で話します。この活動が店の利益ひいては築町全体の発展につながると信じて取り組んでいるそうです。
さらに『築町べっぴん会』に参加してから、築町のいろんな店舗の商品も紹介したいと心境の変化もあったそう。専門店が減り、高齢化、後継者不足の中、「“築町べっぴん会を通してまちを盛り上げたい”と声に出すことで、誰かに届き、人を寄せることにつながれば。」と話します。

現在『築町べっぴん会』では築町の情報を届けるため、定期的に「News Letter」を発行し、築町の多くの店舗にも配布しています。また、メルカ築町にはアンケート回収箱を設置し、築町を訪れた方の意見を活動に活かそうと工夫しています。


前副会長の田中さんは、「築町が元気になるということは、店が元気になること。そのためには、シナプスが繋がるように人と人との繋がりが増え、個人商店が行うイベントでもお互いが手伝いに行くなどしてみんなで協力していけたら」と熱く語ります。ゆくゆくは、学生さんや近隣の保育園の子ども達と関わりながら築町を盛り上げていきたいとの夢も!

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最近の『築町べっぴん会』の活動では、令和元年11月から商店街の早朝清掃を始めました。小さな活動を通して心を通わせ、地域の結束が強くなることへの期待と、築町の多くの方に『築町べっぴん会』を知ってもらうことで、築町商店街を盛り上げる動きを大きくしていきたいとのこと。今後、早朝清掃は月1回(第1日曜日)程度行う予定です。

3人のお話を伺って、できる人ができることを無理せず行うことで、まちが元気になることに一役かっていることが分かりました。少しずつ地元を盛り上げていく機運が育まれている築町に、これからも注目したいと思います。

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【(左から)中村さん、川口さん、田中さん、青山さん】

≪令和元年10月31日 銅座サルディンまつりでの様子≫この日は、銅座町のイベントに出店。町を超えた交流が広がっています。

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≪令和2年ランタンフェスティバル期間中 青山さん手作りのランタン!!が飾られています≫

第6回 「自治会活動」を通した「まち」と「ひと」のつながりをご紹介します。

上銭座町自治会では、外国人留学生が地域活動に参加しています。地区内にある岩永学園「こころ医療福祉専門学校 長崎校」に通っている皆さんです。今回は、上銭座町自治会の松尾國博 会長と同校の小野格副校長に、地域と留学生のつながりについてお話を伺いました。

松尾会長が8年前に自治会長に就任した頃に、学校法人として、同校が上銭座町自治会の自治会員になったことをきっかけに、地域活動に参加するようになったそうです。
同校が自治会員になったことで、学校の会議室を毎月の定例会に使用させてもらうようになり、高台に位置した同自治会は、開催する場所が近くになり、参加率もよくなったそうです。また、学校は、自治会員のマイ避難所(市が指定する指定避難所ではないが、地域で決めている避難所)にもなっており、そのことでも地域の自治会員は助かっています。

小野副校長に自治会活動に参加している留学生がどういった活動をしているのか、お話を伺いました。現在、長崎校だけで、日本語科と介護福祉科を合わせ、107名の留学生が在籍しており、出身国はフィリピン、ネパール、ベトナムなど様々。ほとんどの学生が学校近辺の寮で自炊生活をしています。日頃から地域の方々との関わりも大切にしており、銭座小学校との国際交流会や高齢者の活動拠点である、長崎市立あじさい荘でのあじさい荘まつりでは、毎回貴重な異文化交流が行われています。また、精霊流し、銭座校区連合自治会内で開催している銭座校区大運動会、ふれあい餅つき大会への参加も毎年恒例となっています。

精霊流しでは留学生が法被を身にまとい、鉢巻を締めて、爆竹と鐘の音に包まれる中、精霊船を曳き、町内から流し場へ向かいます。留学生にとって初めての体験ですが、地域の方に教えてもらいながら、異文化間で協力して事を成すことの大切さを学んだそうです。参加後「長い時間大変だったけど、終わった時、達成感を感じた」「挨拶と握手を学びました」「長崎の言葉が難しかったけど、教えてくれたので嬉しかった」などの感想が寄せられました。
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【松尾会長(後列右端)と留学生のみなさん】

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また、ふれあい餅つき大会では杵と臼で餅をつきます。男性だけでなく、子どもから女性まで大興奮。順番待ちがでるほどの人気でした。掛け声も自然とかけ合い、毎年、美味しい餅がつきあがります。試食では、「あんこが美味しい」「餅を丸めるのが楽しい」「初めてだっただけど、おいしく食べることができた」など、餅の感触と食感に様々な感想が聞かれました。

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松尾会長に留学生との交流は、言葉や習慣などが違うので大変なこともあるのでは?と伺ったところ、「留学生は、昼は勉強、夜はバイトをして忙しい日々を過ごしているが、餅つき大会でも片付けまで手伝ってくれる。国が違う、生活が違うということが念頭にあり、言葉が通じにくいことや、卒業後に地域を離れるため残念に思うこともあるが、楽しいことの方が多い」「地域活動ではない祭りで、ある留学生と偶然に出くわしたときに、“先生!”(先生ではないのに!)と声を掛けられたこともあった」「自治会の方々からも国際色豊かで町内が賑わって楽しい、という声を聞いている」と嬉しそうに話してくださいました。

お話を伺って、地域のみなさんと留学生の盛んな交流が感じられました。

上銭座地区から国際色豊かな地域の輪が広がっています。

第5回 「江平ふれあいお食事会」を通した「まち」と「ひと」のつながりをご紹介します

長崎市社会福祉協議会坂本支部(深堀義昭 支部長)では、江平公民館で月1回(1月と8月除く)地域のお一人暮らしの高齢者の方を対象に「ふれあい昼食会」を開いています。吉田弘子さん、永尾久子さん、松永信枝さんを中心としたスタッフ11名で運営しており、30年近く続いているそうです。

更に、この昼食会には毎回のように長崎大学多文化社会学部の皆さんが参加しています。取材した日は4年生の山根涼加さん、古川寛子さん、堀川みきさんの3名が参加されていました。
参加のきっかけは、4年前にスタッフのお一人である永尾さんのお孫さん(長崎大学環境科学部出身)が「おばあちゃんが地域の高齢者のために料理をしている」と、多文化社会学部の増田准教授に話をしたことだそうです。それから同学部の増田准教授を始め、毎回2~3名程度の学生がボランティアとして参加するようになりました。中には、この活動を卒業論文のテーマにした学生さんもいたそうです。

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参加する学生の皆さんは料理の手伝いのほかに、昼食会後に行う催し物の企画も行います。3名の学生からは「最初のうちは食事を作ることで精一杯だったが、今は楽しい」「これまであまり高齢者の方と接する機会がなかったが、皆さん、お茶目でかわいい」「いろんな人と話せる。昼食会が終わってから“よかったよ”と声をかけられると嬉しい」「増田先生が地域の団体の方と繋いでくれたので、こんな貴重な経験ができた」との話がありました。スタッフの皆さんも「若い方達からパワーをもらう」と、嬉しそうに話してくださいました。また、地域のお一人暮らしの高齢者の方には、「懐かしい料理を一品でも作って食べていただき、自宅でも同じように作ってもらって、元気をつけていただきたい」「さらに、たくさんの方に参加していただきたい」とおっしゃっていました。
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昼食会の後に行われる催し物も実に様々。地域の方々による民謡、浦上警察署による高齢者を取り巻く犯罪・事故等への注意の呼びかけ、もとお保育園の園児や坂本小学校児童による催しなど。もちろん長崎大学学生の皆さんも認知症予防のゲームなどを行います。参加者の皆さんは「毎回楽しみ」と笑顔で話されていました。社協支部、学生、参加者の皆さん全員が楽しみながら活動していることが印象的なふれあい昼食会。これからも“地域で顔が見える関係”を築いていきそうですね。
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取材した7月18日は、サバのごま油焼き、肉みそおでん、きゅうりとちくわの酢のもの、かぼちゃの粉ふき、白ごはん、かきたま汁、ゴマプリンとバラエティー豊かなメニューでした♪

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第4回 子ども食堂を通した「まち」と「ひと」のつながりをご紹介します

平成31年4月、食事が十分に取れない子どもたちを支援しようと、西山2丁目に「こどもサロン竹とんぼ」と名付けられた子ども食堂がオープンしました。食堂名には「竹のように真っすぐ育ち、自力で飛び出す子どもになってほしい。」との思いが込められています。発起人は、地域で46年間、電気工事業を営む「イナヅマ電気工事」の創業者の犬塚貴雄さんです。
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日頃から地域貢献の一環として、社員とともに同社周辺の清掃活動を数十年間続けてきた犬塚さん。同社の創業45周年の節目には「地域に何か恩返しをしたい。」と考えるようになったそうです。「戦後、食べ物がなく満足に食べることができない時代に長崎で生まれ育ち、食料難で小学校の運動場は一面芋畑だった。」と当時を振り返り、「現在は飽食の時代と言われている一方で、社会環境や家庭環境に恵まれず、貧困や育児放棄など様々な事情で食べられない子どもたちがいる現状を知り、子ども食堂開設の構想を抱いた。」と話します。
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【犬塚貴雄さん(一番右)とスタッフのみなさん】
平成30年秋、同社近くのビルを購入。1階の一室を改修しテーブルや椅子を設置するとともに厨房設備を備えました。開設時には犬塚さんの活動に賛同する方々からエアコンや電子レンジなどの支援があったそうです。
食堂は毎月2回、無料で地域の子どもたちに食事を提供しています。調理を担うボランティアスタッフは、市内で小料理店を営んでいた犬塚さんの高校の同級生を中心に、地域の主婦の方々が自発的に集まったそうです。
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【令和元年8月24日取材時のメニュー 夏らしい素麺を取り入れています!】
この日のメニューはシイラのフライ、稲荷ずし、素麺、デザートはたっぷりのブドウともみじ饅頭とボリューム満点!魚は長崎魚市株式会社、果物はJA全農ながさき、調味料はチョーコー醤油株式会社、その他お米や野菜などは生活協同組合ララコープ、フードバンク協和など、子ども食堂を応援する様々な方から支援をいただいているそうです。
さらには、同町内のまわたり内科医院からは毎月寄付をいただいているそうで、「たくさんの人々の善意に感動する。」と犬塚さん。「いただいたものを提供する。地域社会の協力があってこその活動である。」と話します。

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【平成31年4月6日オープニングの様子】


子ども食堂を楽しみにしている子どもたちは、日に60~70人がやってきます。子どもに限らず、一人で来られる高齢者もいらっしゃるそうです。来られない日があると心配になり「前回は来なかったね、心配だったよ。」と声が掛けられ、地域の高齢者の見守りやふれあいの場にもなっています。
食事はとても賑やかで「みんなで食べるのが好き!」「美味しい!」と子どもたち。栄養満点の心も体も温まる食事。そして何よりも大勢で食事ができることに喜びを感じている子どもたちの姿が見られます。
スタッフのみなさんも「楽しい!!」と話します。活動を通して子どもたちに元気をもらうそうです。メニュー決めが難しく「何を食べたい?」との質問には「カレー、唐揚げ。」の答えが多いそうで、子どもたちが喜ぶ姿を想像しながら、提供していただいた食材をベースにメニューが考えられます。


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今後の目標としては、「地域のふれあいの場、活動の場を目指したい。」と犬塚さん。今年の夏休みは高校生数名がボランティアスタッフとしてお手伝いに来てくれました。来年の夏休みは高校生、大学生の協力を得て食堂も兼ねた学習会ができたら!と考えているそうです。

「こどもサロン竹とんぼ」を通して地域の輪が広がっています!!

第3回 高齢者ふれあいサロンを通した「まち」と「ひと」のつながりをご紹介します

「公民館に行けば誰かが居て、話が出来て、楽しく過ごせるようなサロンにしたい」という思いを持った白木町の高齢者ふれあいサロンと、「地域で活動したい」という思いを持ったNPO法人がつながることにより、それぞれの思いを叶えることができました。

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田手原町にある【NPO法人 環境保全教育研究所(通称:へんちくりん)】の代表理事を務める豊田菜々子さんは「人と自然が今の時代に合った形で共生している社会の実現」を目指し、「里山保全」「自然体験」「まちづくり支援」といった活動を行っています。

豊田さんは大学生の頃、子ども達のキャンプや、白木町の高齢者ふれあいサロンなどへの参加といったボランティア活動をされていたそうです。大学生活を通して「自然体験を仕事にしたい!」と思い、大学4年生の時に【へんちくりん】を立ち上げました。一緒に活動したい仲間が周りにいたこと、「田手原地区にある空き家と裏山について活用できないか」という相談を受けたことも活動を行うきっかけになったそうです。

しかし、実際に里山保全や自然体験活動を行ううちに「気持ちに余裕がないと、人は環境保全に目を向けてくれない」という考えを豊田さんは持ちます。

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一方、小柳会長は当時、忙しい毎日を送りながら高齢者ふれあいサロンの運営をしていました。「自分の都合がつかないとサロンが開催できない」「同じ曜日の開催では、通院や決まった用事など日程の都合で、いつも参加できない人がいる」という悩みを抱えていましたが、自分だけではどうすることもできませんでした。そこで小柳会長は、以前より地域活動に参加してくれていた豊田さんにサロンの運営について話をします。お互いの気持ちが合致した二人は、【へんちくりん】によるまちづくり支援事業として、高齢者ふれあいサロンの運営を支援することになりました。

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豊田さんは【へんちくりん】の活動で得たノウハウを活かして、竹を使った門松作りやそうめん流しなど新しい内容をサロンで実施しました。毎週開催されるサロンのうち、【へんちくりん】は第2金曜日を担当。豊田さん自身は事前準備と当日のお手伝いを行い、参加者の皆さんが自主的に活動する、みんなで一体となって作る高齢者ふれあいサロンです。参加者の一人は「皆さんの笑顔を見ることができて嬉しい」と話していました。

小柳会長の悩みも豊田さんが関わることにより解決。参加者が増え、笑顔の絶えない楽しいサロンになりました。参加者の皆さんは、お喋りを通して豊田さんに人生の様々なアドバイスを送ることも。「市外出身だが、白木のおじいちゃん、おばあちゃんが色々教えてくれる」と豊田さんは嬉しそう。お互いを信頼した、素敵な関係が築かれています。

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豊田さんは高齢者ふれあいサロンだけでなく、精霊船作りや地域のお祭りに関する自治会活動も手伝っています。今までの地域活動に寄り添い、うまく協力ができているそうです。「全く知らなかった場所で、まるで地域住民のような関係性を皆さんと築けたことがよかった」と豊田さんは笑顔で話してくれました。ほんわかとした豊田さんの雰囲気と、様々な提案を受けいれる小柳会長の柔軟性がマッチした白木町では、今後も参加者自身が楽しめる活動が続いていきそうです。

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第2回 卒業研究を通した「まち」と「ひと」のつながりをご紹介します

日本大学工学部建築学科4年生の荒木千春さんは「斜面地での生活における課題を解決する役割を持たせた建物」と卒業研究のテーマを決め、その調査地として子どもの頃から何度も訪れていた長崎市を選びました。「斜面地での暮らしぶりについて生の声を聞きたいが、誰に聞いたらいいかわからないので紹介してほしい」という要望を受け、中央地域センターから各分野で活躍されている方々をご紹介しました。

【岩本諭さん(斜面地・空き家活用団体つくる 代表)】

南山手町にある空き家を改装した「つくる邸」にて地域に根ざした活動を行う岩本さん。空き家を持つ人と住みたい人のマッチングや、斜面地ピクニックなど幅広く活動されています。

インタビューでは「つくる邸」の事例紹介を通して、空き家活用に関する話を詳しく説明していただきました。また、地域の夏祭り実行委員を担った話や、地域の方に「つくる邸」を開放した事例など、地域とのかかわりについてのエピソードも。同じまちづくり分野を学んだ先輩からの話に荒木さんの眼差しも真剣そのものでした。

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【坂田慎司さん(稲佐町本二自治会 会長)】

長崎ロープウェイの眼下に広がる、ほとんどが斜面地地区である稲佐町本二自治会。坂田会長は子どもから高齢者まで安心して暮らせる地域を目指し日々ご活躍中です。

インタビューでは地区の特徴として、地域の高齢者がゴミステーションでのごみの分別や公園等の清掃を行っており、そのことが毎週の楽しみになっているといった事例などを紹介していただきました。また、毎年8月に子ども達による地区対抗ラジオ体操大会を行っているというお話には荒木さんもびっくり!その他にも地域の特徴について地図を使い丁寧に説明していただきました。

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【辻󠄀郷國昭さん(大鳥町第三自治会 会長)】

ほとんどの家が階段上にある大鳥町第三自治会。辻郷会長は18歳から自治会役員を担い、暮らしやすい地域づくりに尽力されています。

インタビューでは奥様も一緒に地域の結束力の強さなどについて教えていただきました。掃除をしながら子ども達の登下校時に挨拶をする「愛の一掃き(ひとはき)声かけ運動」を行ったところ、自然と子ども達も挨拶するようになったといった事例を教えていただきました。荒木さんの「大鳥町周辺を個人で調査していたところ、たくさんの方が挨拶してくれた理由が分かりました」との言葉に、場の雰囲気も和やかになりました。

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【本田さなえさん(紅と香(こうとこう) オーナー)】

浪の平町にあった空き家をリノベーションし、国産茶葉専門店「紅と香」としてオープンした本田さん。お茶好きの間でも話題の、地域の方とのつながりを持つ心温まるお店を経営されています。

インタビューでは築100年を超える古民家ならではの苦労話や、縁もゆかりもなかったからこそ感じる地域の特徴などを教えていただきました。また、元保育士という視点から、地域での子どもの暮らし方についてのお話も。お店のシンボルツリーである「ざくろの木」を通して地域の方とコミュニケーションが生まれているというお話には荒木さんもほっこり。

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インタビュー後には周辺を探索し、坂のまち長崎を実感。荒木さんは「インターネットだけではわからない話をたくさん聞くことができ、訪れてよかった!」と今回の調査に手ごたえを感じておられました。また、「地域のつながりが強く残っていてすごい!」「親切な人が多く、ますます長崎のことが好きになった」など、長崎の魅力を強く感じたようでした。荒木さんのように、長崎のまちに興味を持つ若い方が増えるといいですね。

第1回 高齢者サロンを通した「まち」と「ひと」のつながりをご紹介します

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この記事を掲載している「さくらまち通信」はこちら!(第3号に掲載)

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〒850-8685 長崎市魚の町4番1号
電話番号095-829-1418(内線3241~3244)
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