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わがまちキラリびと✨

更新日:2023年1月4日 ページID:031042

タイトル

第13回 長崎市特別表彰受賞! 髙山真輝さん・石川奈那美さん

第12回 にししろっこを見守る男達

第11回 西山4丁目成年部

第10回 城山南部自治会昼食作りスタッフの皆さん

第9回 こんぶ屋 しお彩 工藤洋一さん・恵美さん夫妻

第8回 小菅修船場跡(通称:ソロバンドック)ボランティアガイドのみなさん

第7回 伊良林おやじの会

第6回 wakuwa代表 渡辺さん・吉持さん

第5回 鳴滝町西部自治会 副会長 永田酒店 永田美知子さん

第4回 上長崎から、癒しと元気を届けて40年 湯川 美智子さん

第3回 紅と香 オーナー 紅茶・香茶コーディネーター 本田さなえさん

第2回 風の大地美術館 館長 上田清人さん

第1回 【しゃべりばサロンこえばる】のみなさん

 

第13回 長崎市特別表彰受賞! 髙山真輝さん・石川奈那美さん

~夢を掴み取った2人の若者~

 毎年長崎市では、長崎市政に功績のあった個人または団体を対象に表彰しています。令和3年度表彰された方々のうち、中央地域センター管内で特別表彰された髙山真輝さんと石川奈那美さんに長崎の魅力などお話をお伺いしました。

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 【髙山真輝さん】

 まず1人目は、現在、活水女子大学1年生の髙山真輝さん。高校3年生の時、2020年度全国高等学校スポーツ射撃競技大会10mビームライフル男女混合において優勝されました。

 2019年に開催された茨城国体では、少年女子ビームライフル(60発)において6位入賞という成績も残しています。

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 髙山さんとライフル射撃競技の出会いは小学5年生の頃。行きつけの美容室で働いているスタッフの方に声をかけられ、練習に参加してみたところ、銃を持つ非日常感に魅了され、競技を始めたそうです。

 競技を通して集中力やコミュニケーション能力が身についたという髙山さん。「県外試合で多くの選手と関わりを持つ中で、人と話すことが楽しいと思えるようになり、現在の友達作りに活きている。」と笑顔で教えてくれました。

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 全国優勝という夢を掴んだ髙山さんが大切にしていたことは“自分の考え”を持つこと。

 高校1年生で出場した全国大会で入賞できなかったことが悔しく、それから全国優勝を目指します。しかし、その過程は険しく、思い悩むこともしばしば……。そんな時に周りの人からたくさんのアドバイスを受けたそうです。「どのアドバイスが自分に合っているのか考え、自ら選択することが全国優勝することに繋がった。」と振り返ります。

 今回優勝した2020年度全国高等学校スポーツ射撃競技大会は、新型コロナウイルス感染症の影響により、全国各地をリモートで繋いで開催。どの試合でも緊張するそうですが、これまでと違う形式での開催に、いつもに増して緊張したとのこと。そんな時、後ろで応援してくれる方々の姿を見ることや、ノートに書き留めてあるコーチの先生方からもらった言葉を読み返すことで緊張を解いていたそうです。その中でも“冷静沈着”という言葉が一番心に響いたと語っていました。

 現在、髙山さんは、経営者である父親の姿に憧れて、ビジネスについて勉強しています。これからは、「射撃から学んだ経験を糧に、勉強や友人との時間など、大学生活を全力で過ごしたい。」と次の夢を教えてくれました。

 そんな髙山さんが好きな場所は、“水辺の森公園”。広々した公園から見渡せる海や空、長崎のまちなみ。そういった空間が髙山さんにとって“落ち着く場所”になっているそうです。

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 これからの長崎市については、「若い世代が好むような大きな商業施設も欲しいけれど、まちのおじいちゃんおばあちゃんと気軽に交流できる場ができて欲しい。」と言います。それは、「まち中でおじいちゃんやおばあちゃんが話しかけてくれる、そんな親しみやすい人の温かさが長崎の良さ。」だと感じているから。“人々が世代を問わず交流する場所が身近にある長崎”という、地域の繋がりを求める素敵な意見をいただきました。

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 【石川奈那美さん】

 2人目は、現在、活水高校2年(普通科音楽コース)の石川奈那美さん。第24回PIARAピアノコンクールファイナルシニアA部門において第1位という結果を収められました。

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 年長の頃、お姉さんが習っていたことをきっかけに始めたピアノ。中学生までは、全国クラスのコンクールに出場しても賞が取れず悔しい思いを……。それでも、高水準なこのコンクールにおいて賞を取りたいと思い、再び出場したそうです。「高校での専門授業に加え、“毎日3時間の練習を地道に続けること”が第一位という結果に繋がった。」と、努力の甲斐あって成果が実ったことを教えていただきました。特に、過去の出場コンクールにおいて審査員からいただいた講評を一つずつ自分の中に取り込み活かしていくことに加え、自分にあった練習方法を見つけられたことが技術向上の大きな一歩になったそうです。

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 現在は、「色々な大会に出るために新たな曲に挑戦中。上手な先輩がたくさんいるけれど、着実に一歩ずつ成長したい。」と、これからの意気込みを語っていただきました。

 そんな石川さんは、「大学でも音楽を学び、将来はホテルロビーでの演奏者やピアノの指導者のような、音楽にかかわる仕事をしたい。」とのこと。これからも音楽の道を歩んでいくことを考えているそうです。

 石川さんにも長崎の好きな場所をお聞きしました。石川さんが選んだ場所は“長崎港”。「港と自然の緑、異国情緒ある長崎のまちなみが見える景色が好き。」だとか。また、「観光に携わる方や平和案内人をはじめ、訪れた方を親切に受け入れる人が多い。」ところも長崎の好きなところだそうです。

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 これからの長崎市については、「環境への配慮や、男女の格差が無くなるなど、持続的なまちになって欲しい。」とのこと。これは、学校での学びから感じていることなのだそう。また昨年、“浜んまち Machi Piano”が浜市アーケード内に設置されたことを受け、「音楽を楽しめる場ができて嬉しい。そんな場所がもっと増えて、“音楽”が長崎のまちに浸透して欲しい。」と長崎の未来について笑顔で語っていただきました。

 夢を掴んだお二人に共通していることは、自分自身と向き合い、夢を掴む努力を続けること。目標に向かって頑張っている方にとって、励みになるお話をありがとうございました。また、“人の温かさ”という長崎の魅力を感じているお二人。住む人も訪れる人も、ホッとできる温かいまち、そのような長崎の良さを守っていきたいですね。

 これからもお二人のご活躍を応援しています!


第12回 にししろっこを見守る男達

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【左から堀田さん、宮﨑さん、山﨑さん】

~にししろっこのために!受け継がれる熱き魂~

 平野部から山間部まで住宅が広がる西城山地区には“地域の子ども達(にししろっこ)のために”代々たくさんの男達が精力的に活動しています。その中でも中心を担っている3名にお話を伺いました。

  一人目は、社会福祉協議会西城山支部長の宮﨑武洋さん。宮﨑さんはスポーツを通して50年近く、子ども達を見守っていらっしゃいます。「はじめは地域のソフトボールチームでコーチをしていましたが、次第にレクリエーションや他のスポーツなども行うようになりました。鬼火焚きや精霊船を作ったりもしましたね」とのこと。今、地域で頑張っている男達は、自身が子どもの時に宮﨑さんがソフトボールを教えているのを見ていたり、自分の子どもがソフトボールチームの一員だったりと、どこかで宮﨑さんのことを知っているそう。まさに西城山のレジェンドです。

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【宮﨑武洋さん】

 平成17年には西城山小学校を拠点に、長崎県内初の総合型地域スポーツクラブを立ち上げ、子どもから高齢者まで運動を楽しめる基礎を築きました。現在も「元気広場」として小学生が運動する姿や、「貯筋運動」として高齢者が運動する姿を見守っています。小学校の特徴である芝生のグラウンドも、宮﨑さんが中心となり整備したもの。「山﨑さんと市に要望に行き、3年かけて整備しました。1年目は自治会だけでしたが、2年目は学校の先生も協力してくれて、3年目には子ども達も手伝ってくれました。芝刈りや毎日の水やりなど管理は大変でしたが、今は芝っこ~にししろっこを守る会~(小学校の親子会)がやってくれるので助かっています」と、にこやか。

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【元気広場として、子ども達が自由に運動する様子を見守ります】

 今、若い世代の男達が“にししろっこのために”頑張っていることについては、「皆さん忙しいのに、そのことを言い訳にしない。休みの日でもすぐに動いてくれるのがすごい!」と感心しているそう。「私が子どもの時も、地域の大人が子どもについて真剣に考えていましたね。高校生の時に小学校ができましたが、地域の大人に誘われて校庭の整備として友達と石を拾いに行きましたし。小学校のシンボルツリーであるメタセコイアも、1巡目の長崎国体(昭和44年)で余った木をもらって植えたものです。この地域では、いつの時代も子ども達のために行動する大人がいて、その流れを若い世代も受け継いでくれています」と嬉しそうでした。

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【メタセイコイアと芝生のグラウンド】

 二人目は、緑が丘中学校区青少年育成協議会長の山﨑克也さん。山﨑さんは宮﨑さんから西城山小学校のPTA会長を頼まれたことから、子ども達を見守るようになったそうです。「もともとは仕事人間だったのですが、交通事故に遭い自宅療養中に家族の大切さを再確認しました。子どもが学校に行くのを見送ったり、一緒に散歩に行ったりするうちに、こんな生活もあるのかなと」そのうちに、お子さんが加入していたソフトボールチームの応援にも通いだし、そこで宮﨑さんとのつながりが深まりました。「宮﨑さんから、西城山小のPTA会長をやってみらんねと言われて引き受けました。そのまま、緑が丘中学校PTA会長をし、現在は育成協の会長をしています。宮﨑さんから誘われなければ、こんなに楽しい世界があるとは知り得なかった。一緒に西城山小学校のグラウンドに芝生を敷いてほしいと要望に行ったのはいい思い出です」

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【山﨑克也さん】

 そんな山﨑さんは、特に「にししろっこまつり」に力を入れてこられたそうです。「元々は西城山小学校の児童に劇団鑑賞の機会を与える費用を捻出するために始まったそうです。そのためか、とにかく売上げをという風になっていましたが、そのことに保護者は疲れていて。私の時にとにかく楽しくやろう!と方針を変えました」にししろっこまつりでは、食べ物や飲み物の販売だけでなく、餅つきやスポーツ体験なども行われ、在校生だけでなく、卒業生や地域の方も参加します。学校行事の枠を超え、地域の一大イベントになっています。参加者全員が笑顔で思い思いの時間を過ごしつつ、地域で子ども達を見守っているよという気持ちが伝わる素敵なイベントです。

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【にししろっこまつりの様子】

 地域の先輩方から受け継いだ“にししろっこのために”という活動を、同年代や次の世代と一緒に行っていることについては、「先輩方をはじめ、子ども達を優しく見守ろうと思う人が多いので、地域の力が強いと思います。とにかく、子ども達の笑顔を見るのがみんな好き。同じ気持ちの仲間がいることが楽しいです」とイキイキと答えてくださいました。

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【みんなで子ども達を見守ります】

 三人目は、緑が丘中学校PTA会長の堀田敏郎さん。元々は西城山地区にある花園保育園で保護者会の会長をされていたそうです。その後、西城山小学校PTA会長をされ、今年の4月から緑が丘中学校のPTA会長になりました。「大人は子ども達に『みんな仲良くしよう』というのに、その姿を示せていないのでは?と思ったのが活動を始めた大きな動機です。まずは大人が楽しむ!そうしたら子ども達にも伝わる!と思うので」

 そんな堀田さんも芝生の整備を通して宮﨑さんや山﨑さんと強いつながりができていきます。「宮﨑さんのことは子どもの時から知っていましたが、深い関係になったのは芝生の整備を通してです。それまで宮﨑さんと教頭先生が行っていた芝刈りを私一人でした時に、丸一日かかり、これは大変だと。そこでPTAのお父さん達に声をかけたところ、みんなで芝生の整備を行うようになりました。すごく協力的でありがたかったですね。そのうち、地域の夏祭りにブースを出したり、カーブミラーの清掃をしたりと活動が広がり、お母さん達も一緒にしてくれるようになりました」今では芝っこ~にししろっこを守る会~(小学校の親子会)として、地域に欠かせない団体になっています。

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【堀田敏郎さん】

 堀田さんは西城山小学校のグラウンドに鯉のぼりを揚げる活動も3年前に始めました。「子ども達にすごい!と思ってもらい、笑顔になってほしいというのはもちろんですが、大人にも地域の力を感じてほしいと思っています。始めは自宅にあった鯉のぼりを揚げたのですが、あっという間に鯉のぼりが集まって、手伝ってくれる人も集まって、私自身もこの地域はすごいなと思いました」

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【鯉のぼり設置の様子(令和2年4月5日)】

 まさに今、同年代の方と一緒に“にししろっこのために”活動していることについては、「今まで頑張ってきた地域の方と子ども達を繋ぐことは、保護者である私達しかできないこと。それは地域活性化の役目を担っているのと同じことだと思います。でも、それ以前に、同じ年代で子育てについて悩みを共有し、協力し合うことで子育てが楽しくなりました」と、熱く答えてくださいました。

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【芝っこは地域の行事でも大活躍!】

 そんな3名の男達にお互いの印象を聞いてみました。宮﨑さんは「山﨑さんは頭がよく、話も分かりやすいので、伝え上手。堀田さんは先頭に立って行動するので、人をまとめる力がある」と信頼。

 山﨑さんは「宮﨑さんはこの世界に引き入れてくれ、楽しさに気づかせてくれた。体に気をつけて、これからも協力してほしい。堀田さんはその『けた外れた行動力』に感心し、尊敬している。若いパワーを発揮してほしい」と感謝。

 堀田さんは「宮﨑さんは地域の高齢者から子ども達まで、みんなが知っている。本当に地域を背負ってきたレジェンド。体調に気を付けて、笑顔で活動してほしい。山﨑さんは相談もしやすく、まさに頼れる兄貴。それぞれの気持ちを受け止めて、的確に判断し、上手に伝えてくれる。これから地域を引っ張っていってほしい」と尊敬。3人の長所がかみ合い“にししろっこのために”地域が動いている様子を感じることができました。

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【みんな西城山が大好き♥】

 最後に、にししろっこにどのように成長してほしいかお伺いしました。

 宮﨑さんは「西城山を好きになり、大人になっても西城山に住み、次の世代のことを常に想ってあげてほしい。そのためにも我々大人がしっかりして、ここに住んでよかったと子ども達に思ってもらわないといけない」と熱い想いを口にしました。

 山﨑さんは「強い力と思いやる心、そして責任感を持ってほしい。世界を目指すような人を輩出できれば、西城山はもっと明るくなる。そのためにも、大人がもっと子ども達を見守らないと」と、厳しくも温かいメッセージ。

 堀田さんは「いろんなことに挑戦してほしい。西城山から出ていってもいいが、この地域を誇りに思ってほしい。その中で、やっぱり大好きな西城山で子育てをしたいと思う人が現れ、子どものために親が楽しむということが受け継がれていけば嬉しい」と、子ども達への思いやりと地域愛あふれる言葉をいただきました。

 今回お話を伺った3名だけでなく、たくさんの男達が活躍している西城山地区。3名とも「みんな自己犠牲の精神や責任感がすごい」と仰っていましたが、それ以上に大人が楽しみながら子ども達へ地域愛を伝えたいという想いが大きな原動力になっていると感じました。今後も“にししろっこのために”男達の熱き魂が受け継がれていくのは間違いなさそうです。




第11回 西山4丁目成年部

~ 地域を元気に!!西山4丁目成年部 ~

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西山4丁目成年部の皆さん(前列左から2番目が部長の中尾貴文さん)
 

  西山高部水源地周辺に位置する西山4丁目自治会。ここ数年、西山4丁目自治会の中で、地域を盛り上げようと若い世代が奮闘しています。「西山4丁目成年部」の皆さんです。今回は、西山4丁目成年部長の中尾貴文さんにお話を伺いました。

 西山地区(上西山町上の切、上西山下の切、下西山町、西山1~4丁目)は、諏訪神社の秋の大祭、長崎くんちのお下りお上りで諏訪3社(諏訪・住吉・森崎)の神様を運ぶ神輿守町で、6年に1度その大役が巡ってきます。 

西山地区が神輿守の役を担った平成25年、6年ぶりに地域の若い世代が集まり、一致団結し大役を成し遂げました。そして、慰労会で「自分たちが子どもの頃には隣近所の人たちと繋がりが強かった。今は近所の子ども達がどこの子か知らない」という小さな気づきから、「地域交流に若手がもっと加わって、地域活性化に一役買ってでよう」と若い世代の中で地域を盛り上げたいと思う機運が高まり、翌年、平成26年7月「西山4丁目成年部」が立ち上がりました。

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    【令和元年神輿守稽古の様子】 

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    【令和元年お下りの盛り込みの様子】

 現在、部員は9名。主な活動は毎月第三日曜日の地域の清掃活動です。早朝から町内の公園やその周辺の清掃を実施しています。また、隔月で実施している廃品回収では、高台にある地域住民宅を訪問して作業の軽減を図るとともに、高齢者の安否確認も行っているそうです。

 さらに、大工業をしている部員の技術を活かし、地域にふんだんにある竹で花器をはじめ、竹とんぼや竹馬など様々な竹細工を制作し、地域の行事にも参加しています。毎年開催される上長崎地区ふれあいセンターまつりでは、普段見慣れない竹細工に興味津々の子ども達の姿があります。販売だけでなく、地域の子ども達に竹とんぼや竹馬などの昔遊びや水鉄砲の作り方を教えるなど竹細工を通した交流も実施しているそうです。

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     【竹細工販売の様子】    

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     【制作した竹細工】

 さらに、成年部主催の一大イベントが新年の「鬼火焚き」です。昔は子ども達が山から竹を切り出し、大人が組み立てて集落ごとに鬼火焚きがなされていたそうですが、時代の流れとともに途切れていました。そこで、地域の伝統行事を継承しようと成年部が立ち上がり平成27年に約50年ぶりに鬼火焚きが復活したそうです。

 11月、鬼火焚きの準備は会場である水源地公園広場とその周辺の清掃から始まります。草刈りの範囲がとても広いため、自治会と共同作業です。そして12月中旬にはやぐらの土台づくりが行われます。竹切りでは大量の竹を運ぶため重労働ですが、昨年から町内で建設業をされている自治会員の方の協力があり、作業はとてもスムーズになったそうです。約半日をかけて着々と土台ができあがりました。土台づくりの後は鬼火焚き当日にもてなすぜんざいの材料の買い出しと大忙しです。年が明けて鬼火焚き前日にはいよいよ最終段階に入ります。約10mもの巨大な櫓が自治会と成年部の皆さんの手によって仕上げられます。

 そして、令和2年1月12日の鬼火焚き当日、日が暮れた18時すぎ、多くの地域のみなさんが見守る中、年男、年女のみなさんによって火入れがなされます。火は瞬く間に勢いよく燃え上がり、とても神秘的で感動を覚えるひと時です。地域のみなさんとともに今年一年の無病息災を願いました。

 「鬼火焚きは11月の公園清掃から後片付けまで重労働。とても大変な作業を少人数でやっているので、毎年、今年で終わりにしようとみんな言っています。でも、当日たくさんの地域の方が来てくれて、鬼火を見ているとこれまでの苦労が報われるんです。やっぱり来年もがんばらんばろうという気持ちになります」と中尾さん。

 
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 【鬼火焚き準備の様子】


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 【鬼火焚き当日の様子】

 活動を通してよかったことをたずねると「成年部の活動は体力的にきついことも多いですが、そのたびに部員の結束は強くなっていて、苦労を共有することで絆が深まっているように感じています」と中尾さん。また、「以前は関わりが少なかった自治会長はじめ町内の方々ともいい関係が作れています」と話します。

 活動をするうえでの課題は、やはり人材不足だそうです。部員9名のうち、西山4丁目の住民は3名、中尾さんはじめ残りの6名は実家が西山4丁目で住まいは町外であるとのこと。「現在の限られた成年部員だけでは活動の幅が広げられないため、町内に住所がある若年層の方々を成年部に招き入れることが課題。しかし、お仕事の都合などでなかなか部員が増えていきません」と中尾さん。これからの課題をクリアしていくために「地域活動から離れている若手にもっと地元に魅力を感じてもらえるような仕掛けづくりをしていきたい。さらに、子どもを交えた地域交流を通して地域を活性化したい」と意気込みを話されました。

 地域を元気にしたい。西山4丁目成年部みなさんの思いがもっともっと地域に広がるといいですね。今後も引き続き西山4丁目成年部の活動に注目していきたいと思います。

第10回 城山南部自治会昼食作りスタッフの皆さん

~地域のために、自分のために昼食作り~

城山南部自治会では、高齢者ふれあいサロン【さたみ会】や、4世代交流イベント【やさしいゲームと昼食会】が行われています。どちらのイベントも、必ず地域の方が作った昼食を参加者が食べることが特徴です。今回は、昼食作りスタッフの皆さまの中で中心となって活動されている田平協子さん(城山南部自治会 文化部長)にお話を伺いました。

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【さたみ会】は月1回開催され、参加者は毎回60名程。【やさしいゲームと昼食会】は年4回開催され、参加者は毎回80名程になります。その時の昼食作りを行うのは田平さんを中心にわずか6名程。メニューによっては前日に仕込みを行うこともあるそうですが、取材にお邪魔した日は朝7時半から行ったとのことでした。「特に【やさしいゲームと昼食会】では子どもからお年寄りまでたくさんの方が参加されるので大変だけど、皆さんが手伝ってくれるので助かっています。」と田平さん。

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メニュー考案や買い出しは田平さんと、コンビを組む井手さんとで行うそうです。食材を切ったり盛り付けたりは田平さんが指示を出し、皆さんで行います。公民館にある台所はとても狭いですが、協力して手際よく準備を進めていきます。味付けの決め手は田平さんの長年の経験で。田平さんは30年ほど調理の仕事に携わっており、主に社員食堂などに現場責任者として勤務されたそうです。定年退職後も指導者として勤務をされたということで、その時の経験を今活かしておられると感じました。「【さたみ会】では高齢者が食べるので薄味にするなど工夫しています。季節のものを取り入れる、食べ残しが出ない量に調整するようにもしていますね。」と、田平さんは参加者のことを考えて料理をされています。

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定年退職後、自治会の役員を引き受けた田平さん。当初から公園清掃やリサイクル活動にも力を入れています。併せて、現在の自治会長が5年ほど前に【さたみ会】や【やさしいゲームと昼食会】を始めたことをきっかけに、現在の昼食作りを始めました。そんな田平さんは現在81歳。週3回体操教室に通ったり、お友達と旅行に行ったりととってもパワフル!「年下の友達と遊びに行っても、一番若いって言われるとよ!」と、笑顔で語ってくださいました。

会の終わりには参加者の方から「今日も美味しかったよ!」「いつもありがとう」と、田平さんに次々とお礼の言葉がかけられます。皆さんの楽しみの一つが、田平さん達が作る昼食になっているのです。「自分から外に出ていかないと、どんどん元気がなくなってしまうから、昼食作りは自分のためでもある。地域のためにも自分のためにも、できるだけ長く続けていきたい。」と田平さん。地域もご自身も元気になる、理想的な地域活動の形を見ることができました。

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第9回 こんぶ屋 しお彩 工藤洋一さん・恵美さん夫妻

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~ 美しい昆布を食卓へ ~

長崎市内中心部から約15分、長崎街道の面影が残る本河内地区で、北海道産のだし昆布ややさい昆布、とろろ昆布、おぼろ昆布など美味しい昆布を取り扱っているこんぶ屋さん「こんぶ屋 しお彩」があります。

こちらのこんぶ屋さんは、24年間、海産物屋で製造や加工の業務、営業として務めていた工藤洋一さんが会社を退職し、それまで専業主婦であった奥様の恵美さんと平成19年からお二人で始めたこんぶ屋さんです。店舗を構えずに昆布や海産物などの卸売りや各地で開催されているイベントでの出店販売をしており、長崎県内を拠点として、九州各地、山口、広島など各地を飛び回っています。

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楽しいこと大好き!!おせっかい好き!!なお二人は、イベントに出店するだけでなく、自らイベントも企画します!!数年前から年に2回、市立図書館で「Happyマーケット」を開催。さらに平成28年、自宅前ガレージにて販売を行ったところ、思いのほか町外からのお客さんも多く、好評だったことをきっかけに、翌年から本河内3丁目の公民館と本河内ダム公園を会場とした「Happyマーケットin本河内」を開催しています。

マーケットには工藤さんご夫妻の多くのイベント仲間が集まります。布物や革物の小物やアクセサリーなど手作りにこだわる作家さん、お茶の生産者さん、こだわりコーヒー屋さん、手作りパンに手作りスイーツなどなど一日楽しめるお店がぎゅっとつまったマーケットです❤イベントには大村や佐世保など遠方から足を運ばれたお客さんもいらっしゃったそうです。

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「商売を繁盛させることがまずは第一。けれど、Happyマーケットを知ってもらって本河内地区に人が集まって、結果的に地域が活性化していくと理想」と恵美さん。本河内地区は斜面地が多く、土砂災害警戒区域も広く含まれる地域です。高齢化が進み自治会の担い手不足も課題となっています。店頭販売をしているとよく「どこから来たの?」と聞かれることが多く、意外にも「本河内」という町が知られていないと寂しさを感じている工藤さんご夫妻。Happyマーケットを本河内で開催した一番の理由は「本河内という町を知ってもらいたい」という気持ちから。そして「地域に若者がいないなら、イベントを通して外から呼んでつながっていけるといい」「町見学の一角として地域を盛り上げるきっかけになったら」と話します。そんな工藤さんご夫妻の取り組みに、本河内地区の自治会も快く歓迎します。公民館の提供や地域住民へチラシの配付、イベントPRなどの協力はとてもありがたかったそうです。

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昨年、恵美さんは、企業する夢を持つ女性たちにご自身の経験を伝えるため、女性が起業するための講座で講師を務めました。初心者向けの手作りマルシェ出店4回講座です。講座では革小物を出したい、手作り帽子を出したい、手作りジャムを出したいという方から、イベントを企画したい方まで多様で、休憩中も閉会後も質問が絶えなかったとか。恵美さんも逆に熱心な女性たちに逆にパワーをいただいたそうです。

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「頭のなかはやりたいことがいっぱい!!強気になったり弱気になったり。夢を夢のままで終わらせることなく少しずつ実現できたらいいな」と恵美さん。昨年は一つ夢が叶って目標を失った時期もあったそうです。

今後の夢をたずねると、「食のイベントをやりたい。昆布屋でつながった知り合いをまきこんで、こだわりのある仲間と誰でも参加できる楽しいイベントを!!」と答えてくださいました。

夫婦二人三脚で確実に夢を実現させている素敵な工藤さんご夫婦にこれからも注目していきたいと思います。

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第8回 小菅修船場跡(通称:ソロバンドック)ボランティアガイドのみなさん

~地元の世界遺産を見守り、魅力を伝える人々~

小菅町が自治会のボランティア活動で清掃を続けてきた小菅修船場跡が、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界遺産に登録されたのは平成27年。これを機に、見学に来られる方へのガイドを引き受けられた小菅町自治会を中心としたみなさん。総勢15名で土日祝日の9時~16時に訪れた方々を案内されています。その中で、中心となって活動されている喜多満数さん(小菅町自治会長)にお話を伺いました。

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【ガイドのみなさん(左から3人目が喜多満数さん)】

小菅修船場跡を訪れる方は、その9割が県外からとのこと。遠くは北海道からの来訪者もあったとか。令和元年を迎えた大型連休中は1日平均40人程が訪れました。多くの来訪者から「詳しく、丁寧に案内をしてもらい、改めて歴史の勉強になりました」など、様々な喜びと感謝の言葉をいただいたとき、ガイド業務をしていて良かったなあと喜多さんは感じるそうです。

また、同じ「明治日本の産業革命遺産」の構成資産である「三重津海軍所跡(佐賀市)」からは団体で見学に来られ、意見交換会を開くなど、同じ世界遺産を保有する地元同士の交流も広がっています。

一方、夏の酷暑の日や、冬の厳しい寒さの中でのガイドはとても大変とのこと。施設が海に面しているため、特有の風により打ち上げられた大量のごみの清掃など、厳しい業務にも取り組んでおられます。このような大変なことも「地元の大切な世界遺産をきれいな状態で守りたい、来訪者の方に喜んで見ていただきたいという思いがあるからできる」と喜多さんは笑顔で話します。

ガイドは地元の小菅町有志を初め、戸町や土井首地区の方々で構成されています。中にはさるくガイドをされている方もいますが、ほとんどがガイド業務初心者です。だからこそ、一人一人が独自の方法で収集した知識を仲間同士で分け合っているそう。仲良くみんなで支え合いながら活動を行っています。

喜多さんのお話から、自分たちのまちにある世界遺産に誇りをもち、愛情をもって支えていらっしゃることがよく感じられました。また、市内からの来訪者は意外に少ないそうで、「身近にある世界遺産『明治日本の産業革命遺産』を市内の多くの方々にも見ていただきたい。」と喜多さん。ガイド駐在時に見学に行くと、曳揚げ小屋内を見学したり、当時の写真を見ながらお話を聞くことができます。明治の長崎に思いをはせながら、日本近代化の原点に触れてみませんか。

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【曳揚げ小屋内部の様子】

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【スリップドックの独特な地形が見られます】



第7回 伊良林おやじの会

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~ できる人が、できる時に、できるだけ ~

長崎市の市街地を流れる中島川沿いに位置し100年以上の歴史を持つ伊良林小学校。2016年から旧校舎が解体され、2020年からの新校舎での生活に向けて、現在約550人の生徒が仮校舎で学校生活を送っています。

そんな伊良林地区には、子どもたちを見守る地域のお父さん達がたくさんいます。「伊良林おやじの会」のみなさんです。「伊良林おやじの会」は、年間を通してお父さん同士の交流を深め、様々なイベントを通して子ども達を見守ることを目的としており、「できる人が、できる時に、できるだけ」をモットーに活動している集まりです。

今年で13年目を迎える「伊良林おやじの会」ですが、結成当時は、全国で子どもたちが犠牲になる悲惨な事件が多発しており、親が、大人が、ひいては地域で子どもたちを見守っていこうという機運が高まり、当時の校長先生やPTAのみなさんと話し合いを重ねてスタートしたそうです。

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【門松づくりの竹を本河内の山から切り出す様子】

年間を通して親子で楽しいイベントが企画されます。4月はデイキャンプ(バーベキューにマテ貝堀り)とタケノコ堀り、9月のアジ釣りでは、新鮮なアジをその場で刺身や天ぷらにして食するそうです。6月には芋の苗を植え、8月には芋畑の草取り、そして11月に芋を収穫して一部を焼き芋にします。

また、1年を締めくくる12月の門松づくりは、朝から竹を切り出しに行くところから始まります。切り出した竹は、お父さん達の慣れた手つきでサイズに合わせてカットされ、艶を出すために炙ります。仕上げの飾りつけもスムーズに行われ、完成した門松は、子ども達の安全に配慮された場所にしっかりと固定されます。お正月に門松を飾る日本の伝統を子ども達に伝えたいというお父さんたちの思いが込められた門松です。

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【竹をカットし炙る作業の様子】

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【飾りつけの様子】

そして、新たな年を迎えた1月の鬼火焚きでは、お父さん達の手によって竹などでやぐらを組み、正月飾りなどが積み上げられます。あわせて餅つきも実施され、つきたての餅やぜんざいが振舞われます。「伊良林おやじの会」による鬼火焚きは、今では地域の多くの子ども達が楽しみにしている伊良林地区の新年行事となっています。

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【竹などでやぐらを組む様子】

また、「伊良林おやじの会」の最大の魅力は、毎月実施している定例会の後の懇親会です。定例会で活動内容を協議した後、一人千円の負担で懇親会を実施し、いろいろな話で盛り上がります。ちなみに、「伊良林小おやじの会」ではなく、「伊良林おやじの会」としている理由は、自分の子どもが伊良林小学校を卒業してもおやじの会に在籍できるためだそうです。居心地がいいため、卒業しても参加してくれるお父さんも多く、懇親会では小学校在籍問わず、地域のお父さんや学校の先生たちが気楽に集まり盛り上がります。職場以外でお父さん同士のつながりができるのが楽しく、お互いに何の仕事をしているかも知らず、1、2年ぶりに突然「こんにちは」と気軽に会場に入ってくるのも当たり前だとか。活動を続けられる原動力は、「子どもたちが楽しむことが大前提だけれども、お父さん達も大いに楽しむこと」だそうです。

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【餅つきの様子】

今後の取り組みについて、普段お父さんと触れ合う機会が少ない子どもたちにもおやじの会のイベントに参加してもらって、地域で頑張るお父さんたちをたくさん見たり、たくさん触れ合ったりして欲しいとのこと。そんな地域の様々な子ども達が参加できるようなおやじの会の企画やイベントが今後できたらと考えているそうです。また、大自然のなかでのテントキャンプや星座鑑賞など、現在の子どもたちがあまり経験しないこともやってみたいとのことでした。

お父さん同士が楽しみながら地域の子ども達を見守り続ける「伊良林おやじの会」

今後のさらなる発展に注目していきたいと思います!



第6回 wakuwa代表 渡辺さん・吉持さん

~平和町から wakuwakuすること、始まってます!~ 

可愛らしい雑貨店に足を運び入れると、天然石を使ったアクセサリーやハーバリウム、地元の作家さんが作ったバックなどが並んでいます。ここは、「平和町から地元を元気にしたいという思いで活動をする団体wakuwa」のメンバー吉持さんのお店「patataの花」です。バス通り沿いにあることから、観光客はもちろん、地元の方も通ってくるといいます。このお店の2階がwakuwaの事務所になる予定です。

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もともと、wakuwaメンバーの渡辺さんと吉持さんがお二人で「地域を元気にする楽しいことをやりたい」と話しているなかで、地元の有志と共に、アナバ不動産(福岡のクリエイティブチーム~元九州芸術工科大学(現 九州大学芸術工学部)卒業生らがメンバー)と街歩きを企画したり、地域の人たちと一緒に平和町商店街のフラッグ製作をしていたとのこと。その後、周りの勧めもあり「まちづくり会社のすすめ」という研修会に参加したことをきっかけに、本格的に活動を始めるため、平成28年4月に7人でwakuwaとして活動開始しました。

平成30年秋には、wakuwaとして地域活性化のために地元の連合自治会や平和町商店街などと協力し、「山里地区わくわく秋まつり」を開催しました。当日は、本当にたくさんの家族連れが訪れ、地域にこんなにたくさんの子どもたちがいたのかと驚いたそうです。

吉持さんは県外出身で、“よそ者目線”を活かして長崎のまちを見つめています。「旅行者に、長崎の観光ポスターのイメージ以上だったと思っていただけるよう、利用料をきちっと頂いてメンテナンスをすることが大事では。サービスに見合った対価をいただき地域の経済が回り、より魅力的な長崎になり活性化していくのが理想。市の観光施設もしかり」と吉持さん。これは、wakuwaとして地域のアクティブシニアのかたに地域のために活動してもらい、その対価を払う仕組みを作りたいとの思いに通じるものです。

また、渡辺さんはマリッジサポートなどの本業が忙しい中地域のためにとwakuwaの活動に精力的に取り組んでいます。

そんなお二人は、地域を元気にする企画を、それぞれの特技を生かし取り組んでいます。

【山里わくわく秋祭りの様子】

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これまでの活動を通して感じた地域の変化について伺うと、“イベントが終わると、それまでと何も変わらない日々に戻る”とのこと。だからこそ、地域の元気が持続するような新しいこと・楽しいことを企画していきたいと話します。

今後の取り組みについて伺うと、「企画や準備は大変ですが、みんなが喜んでくれることが楽しいし、これからも自分たちが楽しみながら地域が元気になれるコトに色々取り組みたい。」とお二人は笑顔で答えてくださいました。

wakuwaのメンバーの皆さんはそれぞれ本業があるため、wakuwaの活動に割ける時間や体力面での苦労はあるそうですが、これからも、名前の通り、みんながわくわくするような、枠にとらわれないイベントを企画し、子ども、子育て世代の家族、シルバー世代など、各々が楽しめるコトを考え実現に結び付けたいとのこと。

日頃から、地域がどのようにしたら元気になるかを考えていらっしゃることがよく伝わってきます。これから“wakuwa×○○”の化学反応でどんな楽しいコトが起きるのか、楽しみでなりません。

【お二人が持っているバックは、秋まつりで使用した横断幕をリサイクルしたもの】

このように、リサイクルで素敵なバックに仕上げてしまうセンスも素敵!

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第5回 鳴滝町西部自治会 副会長 永田酒店 永田美知子さん

~今よりもっと住みよいまち 助けあい協力しあえるまちへ ~

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長崎の代表する観光名所「シーボルト宅跡」や「シーボルト記念館」が位置する鳴滝地区。地区の中央に、中島川と合流する川の水が滝のように落ちる場所があります。江戸時代、長崎再建に尽力した長崎奉行が「鳴滝」と名付けた由緒ある鳴滝地区です。

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そんな鳴滝地区のシーボルト記念館入口で酒店を営んでいる永田美知子さん。地域のおじいちゃんおばあちゃんからは「みっこちゃん」の愛称で親しまれ、とてもおしゃべり好きでパワーみなぎる永田さん。父親の代から構える永田酒店は、現在、永田さんが受け継ぎ、地域の皆さんに笑顔とパワーを届けるべく、娘の美香子さんと日々お店に立っています。

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永田さんは現在、鳴滝町西部自治会の副会長をはじめ、老人会(長永会)役員、地域が管理する中川郷財産区管理会事務局など地域活動に精力的に貢献されています。

特に鳴滝西部自治会(鳴滝2・3丁目)は、高齢化率が40.8%(鳴滝3丁目は54.1%と市内有数の高齢化率)と長崎市の高齢化率30.1%をはるかに上回っているため、高齢者の見守り活動や防犯活動、防災活動は特に力を入れているそうです。永田さんが地域活動に関わるようになったのは父母亡き後、平成21年から。今年の3月、89歳まで鳴滝西部自治会の副会長を務め、長年地域に貢献されてきた林田さんから、自治会役員へとのお誘いがきっかけでした。父親の代からお店を構え、林田さんはじめ地域のみなさんに幼い頃からとても可愛いがられた永田さん。長女の美香子さんが幼少期に重い病に倒れた頃を振り返り、地域のみなさんの支えが大きかったと話します。お世話になった地域のみなさんが年を取っていく中、少しでも地域の発展に協力することが、可愛がってもらった地域のみなさんに対するいくらかの恩返しとの思いで自治会役員を引き受けたそうです。

永田さんの地域での役回りは情報の発信役。そして盛り上げ役です。役員会等では永田さんが司会進行で会を取り仕切ります。軽快なトークで各々の意見を聞き、集約し、発表し、スムーズにまとめあげます。役員会のみならず、地域のイベントなどでも持ち前のパワーを発揮します。10月に開催された「なるたきハロウィンさるく」では、子ども達とのじゃんけん大会を大いに盛り上げました。さらに57歳で老人会にも入会し、毎年恒例のお花見や日帰り旅行、敬老会などではカラオケやビンゴゲームなどみなさんが楽しめる企画を計画し、自ら楽しみ周囲も楽しませます。

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地域活動を続けられる原動力について伺うと「鳴滝の人たちみんなが好きだからかな。それにお節介のせいだからかも。」と永田さん。地域の自治会、老人会、子供会、婦人会、民生委員の役員同士は日ごろからとても仲が良く、何事も連携して対応しており、役員以外の地域の人たちもみんな仲間だと話します。

また、自治会では「オ(おはようございます)・ア(ありがとうございます)・シ(失礼します)・ス(すみません)運動」を家庭内・地域内で展開しているそうです。その効果もあり、年々大きな声で「あいさつ」をする子ども(大人も)が増え、地域内の親睦が以前より図られていると感じているそうです。

さらに、地域活動における担い手不足問題について伺うと、鳴滝西部自治会では、神輿守や精霊流し、伊良林校区まつりなど地域行事を通して、世代間の親睦を図る中で、お互いに自治会活動の必要性の理解を深めており、早め早めに担い手をピックアップしているそうです。

また、地域活動の魅力は、「地域内が住みよくなって、お互いの連携が強く深まって、何といっても多くの人たちと仲良くなれる利点があることかな。」と話します。

最後に永田さんの今後の目標や夢を伺うと、「ただただ懸命に毎日を生きること。生きていないと何もできなくなるから。」と感慨深く答えてくださいました。これは永田さんの幼い娘の命が救われた経験から、命あることへの根底にある感謝の思いです。これからも娘の美香子さんと2人3脚で永田酒店から地域のみなさんに笑顔とパワーを届けます。

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第4回 上長崎から、癒しと元気を届けて50年 湯川 美智子さん

が大好き+遊びが大好き+人の世話好き=みんなと明るく楽しく~

会場には哀愁漂う音色が響き、会場のみなさんが一緒に歌ったり手拍子をしています。これは、長崎市赤十字奉仕団ふれあい交流会での一コマ。7~8名の奏者が、大正琴やオカリナで童謡~民謡~ポップスと多彩な曲を披露し、地元の方々が演奏を楽しんでいる様子です。

この奏者を率いる湯川美智子さん(71)は、平成18年に結成された長崎県赤十字芸能奉仕団 委員長として、病院や老人福祉施設などを訪問し大正琴やオカリナの演奏、手話による童謡、高齢者カフェ・サロンでゲームの司会進行をするなど、とにかく何でもこなす明るく楽しいパワフルな方。湯川さんが行く先々では、常に笑い声が絶えず盛り上がります。

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現在の主な活動だけでも、1. 病院でのコンサート(ひな祭り・七夕・クリスマス)、2. 老人福祉施設での演奏、3. 長崎市赤十字奉仕団ふれあい交流会での演奏、4. 認知症カフェや高齢者サロンでの演奏・ゲーム・折紙、5. 敬老会での演奏、6. 老人憩の家さくら荘の三地区(伊良林小校区、上長崎小校区、桜町小・西坂小校区)老人会演芸大会での演奏と盛りだくさん。このほか、青少年育成協議会 長崎市子ども会専門委員(市子連)としても活躍されており、「家のことをしてくれる自分がもう一人欲しい」と話されるほど、毎日多忙に過ごされています。忙しい時では、ひと月に1度しか休みが無かったことも。

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【手話を用いて童謡を歌う様子】

湯川さんの活動の原点は、高校3年生までさかのぼります。テニス部を引退後、赤十字ボランティアの青少年赤十字奉仕団(JRC)と出会い、当時はいろんな養護施設等へ行きゲームや折り紙を一緒にしていました。その後、青年赤十字奉仕団で子ども会等へレクリエーション等を教えに行き、40年前に大正琴の教室へ通い始めたことをきっかけに、病院や福祉施設等で演奏するようになり、二胡やフルス(ひょうたん笛)、さらにはオカリナに出合い、「ふれあいカフェ上長崎」の開所式でオカリナの演奏をしたことがきっかけで、今では認知症カフェや高齢者サロンなど3~4か所に携わるようになったとのこと。

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大正琴は、出会いから10年経たずに師範となり、現在ではオカリナと共に生徒の方に指導をしています。まさに“好きこそものの上手なれ”を体現されている方です。地域で演奏をする際には最大15人で活動をしていますが、演奏仲間は自然と集まるようになったとのこと。これは、湯川さんの持ち前の明るさ、一緒にいる人が楽しいというお人柄に惹かれて仲間が集まるのだと感じました。

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【サロンのみなさんで歌を歌う様子】

高校卒業後に青年赤十字奉仕団へ入って以来、子供に関わる活動にも長年携わっていらっしゃる湯川さんは、いまの子どもたちを取り巻く環境について、スマートフォンが身近となりSNSの普及や個人情報のセキュリティの問題など課題が多様化していると感じるとのこと。そのような中でも、挨拶をして顔見知りを増やしていくことが大事と湯川さん。

湯川さんが小学校の保護者だった頃には、クラスレクリエーションで海水浴や1泊2日のキャンプ等を計画したり、子どもたちを近所の顔見知りの中でみんなで見守る環境だったと懐かしそうに語ります。このように、高校生から地域に携わる湯川さんにその活動の魅力を尋ねると、「自分が楽しいこと」だそうです。昔から“人の世話好き”と話す湯川さんの性分に赤十字奉仕団の活動がピッタリだったそうです。

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今後の夢は、「身体が動く限り赤十字奉仕団としての活動を続けること」とにっこりと話してくださいました。 好奇心旺盛で、明朗快活、毎日を活き活きと過ごされている湯川さんから、これからも目が離せません。



第3回 紅と香 オーナー 紅茶・香茶コーディネーター 本田さなえさん

~旧外国人居留地の古民家に出会い、地域に溶け込むお店へ~

浪の平町で国産紅茶専門店【紅と香】を営んでいる本田さなえさん。もともと縁もゆかりもなかった浪の平町で開店した理由は、古民家「ざくろの家」との運命的な出会いにありました。

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「20代の多忙な時期にお茶に救われた」と話す本田さん。もともと親交のあった【斜面地・空き家活用団体 つくる】のメンバーが空き家をリノベーションした「つくる邸」を訪れた際、古民家とお茶の組み合わせに魅力を感じたそうです。その後【つくる】のもとに、浪の平町にある古民家の活用に困っていた方から相談が舞い込みます。その古民家はなんと築100年を超えるもので、旧外国人居留地で船の商社として使われていたこともあったとか。家を大事にしたいが体力的に難しい所有者と、古民家に魅力を感じていた本田さんの希望が見事にマッチし、プロジェクトがスタート!古民家をリノベーションする上でのハードルは体力仕事が多いことと、ゴミ処理などを頼れる人がいないことと感じたそう。「だからこそ若者が作業に入るべき」と本田さんは話します。

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本田さんは「ざくろの家」で生活をする中で、最高の景観を手に入れたと感じているそう。それは建築に精通している自治会長から「最も美しい景観とは、古い建物が保存されていることではなく、そこでの人の営みが見えること」という言葉を聞いたから。浪の平町に来たこともなかったからこそ感じる「海と山が両方見え心地よい朝夕の空気、松ヶ枝国際ターミナルに入港する客船、三菱造船所、結婚式場から伝わる幸せな空気・・・人の営みがたくさん見られるこの場所こそ最高の景観!」と笑顔の本田さん。

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まちの人と活動していて感じることを伺うと「良かったことしかない!」と本田さんは答えてくださいました。地域の常連客から聞いた被爆後に旧外国人居留地がどのように復興したかという話や、大正生まれのおじいちゃんが大正時代を語るなど、この場所でしか出会うことのできない話があったそうです。更に「ざくろの家」からは、日本茶の輸出貿易を始めた大浦慶が上海に密航した際に利用したという逸話が残る「浪の平港」があった場所を見渡すことができるという話も地元の方から教えてもらい、素敵なつながりを感じたとも。

ちなみに「ざくろの家」は、店舗入り口にあるざくろの木からとった名前。このざくろの出来具合を地域の方も気にしており、実がついたら配ることもあるそう。ここからも地域とのつながりが生まれています。

本田さんは店舗外でのイベントなどにも積極的に参加しており、南山手町にあるホテルで長崎産にこだわった料理とコラボした際には「長崎らしい場所で長崎の良さを知り深め合う化学反応を感じ、お茶をしていて良かった」と感じたそうです。一方、浪の平夏祭りにお茶淹れ体験を出店した際は「2歳児からご高齢の方までお越しいただき本当に楽しかった」と思い出を振り返ってくれました。

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今後については「まずお店をしっかり続けていきたい。ペットボトルでお茶が手軽に飲める中、急須で入れる手間=ほっとする時間も持ってほしい」と本田さん。「お茶一杯で人は元気になれる。それは小さな平和活動だと思います。そういったことを伝えていきたいし、そのための環境を守りたい。」温かい空気に包まれた「ざくろの家」で、きらきらと決意を語ってくれました。

第2回 風の大地美術館 館長 上田清人さん

昨年11月、市街地を見渡せる風頭山の頂上付近に美術館を開館した元中学校教員(美術)の上田清人さん。「絵の世界を伝えるだけの美術館でなく、地域に密着した美術館でありたい」と語ります。 

上田さんが加入している伊良林平自治会では、担い手不足等様々な課題を抱えていましたが、ここ数年、自治会役員が若返り、地域を盛り上げようと士気が高まっているそうです。

そのような中、上田さんも芸術家としての技術や元教員としての経験を活かして、美術館を地域の文化的活動の拠点とした地域づくりを楽しんでいます。

~上田さんの主な地域活動~

♢無料で美術館を開放し、地域内外から訪れる来館者へ憩いの場を提供

♢絵手紙教室、版画教室、年賀状作成教室

♢子ども達と作成したごみ捨てマナーのポスターを自治会掲示板へ掲示

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第1回 【しゃべりばサロンこえばる】のみなさん

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第1回目は、小江原第二自治会集会所を中心に、毎週行われている高齢者サロン【しゃべりばサロンこえばる】の皆さんです。

【しゃべりばサロンこえばる】では、毎週趣向を凝らした活動を行っており、毎回たくさんの参加者で賑わっています。

Q.毎週、趣向を凝らした活動を続けられる秘訣は?

A.【しゃべりばサロンこえばる】のみなさん

参加者それぞれが主役で、みんなが楽しい時間でないと意味がない。かたちにこだわらず、好きなこと、興味があることを毎週定期的に行うことです。 

Q.活動内容を具体的に教えてください。

A.【しゃべりばサロンこえばる】のみなさん

当サロンは4年前にスタートし、当初は3名だったサポーターも今では7名に増えています。

活動内容は、漬物づくりや味噌づくり、弁当持参の花見、浴衣着付け、男性の料理教室、頭の体操のほか、編み物や得意な料理のレシピを交換するなど。

会員の中にいろんな『先生』がいます。編み物が得意な方、料理が得意な方、各々が得意分野を持ち寄って、興味があるものに参加するという自由なかたちです。

時にはおしゃべりを楽しみながらのんびり過ごす週もあります。

また、月1回、参加者みんなで料理をする、楽しい食事会も開いています。

Q. 【しゃべりばサロンこえばる】 の特徴は、地域の様々な団体との交流と聞いていますが?

A.【しゃべりばサロンこえばる】のみなさん

近くの病院のデイケアグループや、自治会以外の地域からの参加者も受けて一緒に「うた会」を開催したりしています。

また、近くの小江原小学校では、昼休みを利用した子どもとの遊び教室「ゆかい」を週2回開催しています。29年度は、6年生の子どもたちと一緒に味噌づくりを行い、3月の卒業式前に子どもたちが家庭に持ち帰りました。

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【小学校でのグラウンドゴルフ指導の様子】

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【お味噌渡しの様子】

Q. 【しゃべりばサロンこえばる】 の活動をとおして、感じたことはありますか?

A.【しゃべりばサロンこえばる】のみなさん

地域の人とのつながりが深くなったと実感しています。

また、ほかの地区でもこうした活動が広まっていったらいいなと思います。

★取材を終えて★

【しゃべりばサロンこえばる】 の活動内容はバラエティ豊かで、高齢者でなくとも参加したくなるラインナップです。

また、小学校での活動は、少子化を迎えた小学校の賑わいづくりに欠かせない存在と感じました。

今後も地域に根付く【しゃべりばサロンこえばる】の活動に注目していきたいと思います。

【しゃべりばサロンこえばる】のみなさん、ありがとうございました!

家族

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〒850-8685 長崎市魚の町4番1号
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