前田さんが考案された色エンピツ画の画法について教えてください。
前田さん 「印刷にしても写真にしても黄、青、赤の三原色の組み合わせが基本であることはご存じですか?三原色にどの段階で、他のどの色を重ねていくかで仕上がりは変わってくるものですが、色エンピツ画にもその技法を取り入れてはどうかと考えました。色エンピツには赤ひとつを取っても色の種類はいくつもあります。三原色の法則をもとにさまざまな色を重ねていけば、色エンピツでもモチーフの影や光沢などより立体的に表現できるという結論にたどり着きました。」
前田さんは新聞社でカメラマンをされていたそうですが、そういった経験も色エンピツ画に活かされているのでしょうか?
前田さん 「そうですね。写真を撮るのはもちろんですが、以前、写真修正というのは針のようにとがったエンピツを使ってフィルム上で行っていました。色エンピツの芯の先を細長くとがらせ、軽く塗り重ねていくという方法をこの画法に取り入れたのは、そういった写真修正技術の応用でもあります。ほかにも、教室で生徒さんに教える時、特に初心者の場合、いきなりデッサンというのはなかなか難しいので、まずモチーフとなる写真を私が撮影してきてそれを見て描いてもらうという方法を取り入れています。 」 |