山口さんが、この活動を始めるようになったきっかけを教えてください。
山口さん「今から12年ほど前に生ごみに関しての講習を受ける機会があったんです。それまでは私も生ごみを普通に捨てていたんですが、その講習を受けて『生ごみってすごいんだな、リサイクルできるんだな』ということを知ったんです。それから、1人で細々と自宅の生ごみをポリ容器の中で堆肥にし始めました。それが6、7年ほど続きましたね。
そんなとき、さまざまなテーマを通じて地域づくりについて考える長崎伝習所で『生ごみシェイパーズ塾』を立ち上げる話があり、私に白羽の矢が立ったんです。塾長なんて最初は責任重大だと思いましたが、『人のために、誰かのために、喜ぶようなことがしたい』と、引き受けることを決意しました。
生ごみというのは、生活する上においては必ず出るもので、終わりがありません。生ごみを減らすということは、やりがいのあることだと思いました。自分が行動することによって、みんなが喜んでくれるんじゃないか、市民のためになるんじゃないかと考え、私にもできることがあるなら、がんばってみようと思ったんです。」
「生ごみシェイパーズ塾」で大変だったのは、どんなことですか?
山口さん「苦労したのは、やっぱり立ち上げの時ですね。公募で集まった15名のメンバーで月に1度、今後の活動について話し合いを持つ予定にしていたのですが、半年くらいは集まりが悪くて、いつも集まるのは2、3名。多くても5名ほどしか集まりませんでした。これではどうしようもない。『私が悪いのかな』と落ち込んだこともありましたね。
それでもとにかく、どこかでイベントをやってみんなにごみの堆肥化について知ってもらおうということになり、まず最初に、メンバーの1人の地元でもある梁川公園で、生ごみの堆肥化に欠かせない発酵促進剤(ボカシ)づくりを行うことにしました。当日は雨雪が降り、急遽、公民館をお借りすることになったのですが、その会場に100名近くの方が足を運んでくださいました。それも地元の方だけでなく、遠くからも集まってくれたんです。このイベントが大成功し、マスコミの取材の効果も手伝って、塾に人が集まるようになりました。
何かに一生懸命取り組む姿勢を見せたら、伝わるんだなぁと思いました。イベントを通じて、多くの方が私たちの活動に関心があるんだということが分かり、本当に嬉しかったですね。」
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