第13回 深堀暢師さん


ニックネームは“ジョデー”。外国人のように彫りの深い顔立ちの深堀暢師(まさし)さんは、おしゃれを楽しむふつうの若者。彼こそが祖父からの棋士の血を受け継ぐ、囲碁指導者の若手ホープなのだ。今回の「愛すべき、長崎人」は、碁会所や公民館を飛び回り、多くの人に囲碁の魅力を伝えている深堀さんに話をうかがった。

囲碁を始めたのはいくつの時ですか?

深堀さん「3歳ぐらいだったと思います。祖父が碁会所を開いていたので、僕も自然に始めていました。」

囲碁は年配の人の遊びというイメージがありますが、子どもや若い人も多いのですか?

深堀さん「僕が子どもの時は、周りに囲碁をしている友達がいなくて、話題にのぼることもありませんでした。数年前に、※コミック『ヒカルの碁』が流行してから囲碁に興味を持つ子どもが増えました。僕の教室にも、夏休みには100人以上の子どもたちがやってきます。」
※小学6年生の進藤ヒカルの意識の中に、平安時代の天才棋士・藤原佐為の亡霊が入り込み、ヒカルをプロへ導いてゆくといったストーリー。

深堀さんのように二十歳で先生という人は珍しいのでしょうか?

深堀さん「20代、30代は、碁を楽しむ人自体が少ないのです。先生としては、全国でも僕が一番年下かもしれません。3代続く碁会所がほとんどないのが現状です。僕は父と叔父と3人で教えています。」

先生になったきっかけは?

深堀さん「中学時代から父親たちと一緒に子どもたちに教えていて、楽しいと感じていました。高校では絵の勉強をしていたのですが、その時にコミック『ヒカルの碁』が流行りはじめて、教室に来る子どもの数が増えてきたのです。それで、囲碁も子どもも好きなので、本格的に仕事として取り組もうと決めました。」

囲碁の魅力はどういうところでしょう?

深堀さん「対局相手との駆け引きです。囲碁はマスの数が多いだけに複雑で、相手の動きをよむにもとても頭を使います。そこが面白いのです。」

今後の夢や目標をきかせて下さい。

深堀さん「教室の子どもたちの中からプロの棋士が生まれることです!」


最後に、長崎でおすすめの場所やお気に入りの場所を教えて下さい。

深堀さん「休みが少ないのであまり遠出することはないのですが、バイクは好きで、ときどき稲佐山に出かけます。あと、好きな店は“アミュプラザ長崎”にある‘Fabrics’です。」


深堀さんは二十歳とは思えないほど落ち着いていて礼儀正しい。じっくりと構え、様々な年齢、職業の人と同等に対局する囲碁の世界は、きっと多くのことを教えてくれるのだろう。
今や囲碁は世界へ広まり、今年は長崎で世界大会が開催される。
囲碁は子どもなら1日、大人でもひと月あれば楽しめるようになるそうだ。興味がある人は、気軽に碁会所へ足を運んでみよう。

深堀囲碁教室
長崎市松山4-45-2F
TEL 095-845-6809


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