伝えたいことの中には、具体的にどんなものがあるんですか?
早稲田さん「お茶の教室でも料理教室の中でも、私が仕事の中で出会った方には大人としてステップアップしていけるようなことを伝えていきたいと思っているんです。例えば、挨拶。お世話になった方とか、頂き物をしたというときに、電話一本、お礼状一枚書くこと。相手に気持ちが伝わるようにできて大人だと思うんです。“人の在りよう”というもの、人類(日本人)の歴史、進歩というものを次の世代に伝えていきたいんですね。今は、失くしていいものと、失くしてはいけないものを判断する過渡期にあると思うんですね。そんな中から今からの人達に“決して失くしてはいけないもの”をどんなに小さなことでも伝えていきたいと思っているんです。そのひとつの機会として、9月からは月2回、3ヶ月間に渡ってお手前以前の作法、言葉遣いや頭の下げ方などを短期特訓するお教室を開く予定にしているんですよ。」
他に、ライフワークにされていることがあるそうですね。
早稲田さん「今年前半は、江迎町の繭玉まつりという町興しの一環であるイベントを約1ヶ月間お手伝いしたんです。平戸のお殿様が食べていた卵料理などを再現して、お客様に食べて頂いたりしたのですが、私は
“自分達の町を良くしたい!”と、爆発するようなエネルギーをもって地道な努力をしながら頑張っている人達を応援したいんですよね。」
また、早稲田さんは長崎に住んでいながら、出身地である島原をフォローするような動きもなさっている。
早稲田さん「島原で何かイベントをするとなったら、バスを貸し切って人を集めて出向きます。途中、島原名物の具雑煮を食べたり、神代(こうじろ)の鍋島藩の屋敷を見学したり、農家の方が経営している店に立ち寄って新鮮な野菜を買ったり、島原の魅力を満喫できるツアーです。参加者の中にはいろんな方がいらっしゃいますから、参加者の仕事や趣味を生かした話を往復のバスの中でして頂いたりします。歯医者さんがいたら歯の話、私だったら料理やお茶の話と、内容は様々。耳だけ貸してもらってもいいし、別に寝ていてもらってもいいんです。何かに役に立てばいいなとも思いますし、生きて、動ける時間をどのように濃密に過ごすかというのが、私がテーマにしていることなので、私が勝手に好きでこのような“時間の提供”をさせてもらっているんです。」
さて、そんな早稲田さんから見た長崎の魅力ってどんなところでしょう? 観光客、またはこれから長崎に移り住む方へ訪れて欲しい場所など具体的なアドバイスをお願いします。
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