画家である岡さんから見た長崎の魅力ってどんな所でしょう?
岡さん「地元に帰って来た時秋だったんですが、真っ先に東望の浜へ行って泳ぎましたね。海を見ないと落ち着かないんです。長崎の素晴らしさは空が青い、そしてすぐそこに海があるということです。やはり港の見える風景がいいんですよ。高台から海を眺めるのもいいし、水辺ギリギリからの風景もいいですね。そして絵のモチーフが溢れた恰好の場所ですよね。」
それでは最後に観光客、またはこれから長崎に移り住む方へ訪れて欲しい場所など具体的なアドバイスを。
岡さん「今はなかなか難しくなっていますが、僕はまだ整備されていない場所へ訪れるのが本当の観光だと思っているんです。歴史に興味がある方と、そうでない方へのアドバイスは多少違ってくると思いますが、長崎の歴史は1570年(元亀元年)の開港以来の新しい町。皆さん御存知のように他県にない様々なユニークな歴史を持っています。現在、その時代の面影が残っているのはやはり鎖国後の開国以降に外国人居留地として開かれた東山手、南山手でしょうね。今はグラバー園内にきれいに整備されていますが、僕が幼い頃はうっそうと繁った木々の中から“リンガー邸(旧リンガー住宅)”を覗き込み、こんな家(洋館)があるんだ、とドキドキしたのを覚えています。今でも周辺を歩くと杠葉病院からグラバー園内最上部の旧三菱第2ドックハウスへ続く道などは雰囲気があっていいですね。またその居留地時代より以前に唐人屋敷(中国人の居留地)が置かれていた館内周辺も、当時のものはほとんど残っていませんが生活感のある町並みが続いていてとてもいい雰囲気です。初めて訪れた時は長崎の歴史に興味がなくても、それらの場所を歩いてみて、その時代の長崎に興味を持ってもらったらいいなと思います。そして再来してもらったらうれしいですね。」
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