この作品は『精霊流し』につぎ、長崎出身の歌手・さだまさしさんが地元長崎を舞台に描いた小説『解夏』の映画化です。
突然、徐々に視力を失っていく原因不明の難病・ベーチェット病で倒れた主人公・隆之。彼は失明するその日まで、生まれ育った長崎の景色を目に焼きつけようと恋人・陽子と二人で坂の町・長崎を歩きはじめます。
主人公の目に映る最後の夏を背景に、視力を失う恐怖と悲しみ、そしてそれを見守る家族と恋人の痛みが描かれています。
出演は大沢たかお、石田ゆり子、田辺誠一、石野真子、渡辺えり子、林隆三、富司純子、松村達男という豪華顔ぶれ。この映画の多くのシーンが長崎市内の各所で行われました。
それにしても、皆さんは“解夏”という言葉をご存知でしたか?
この聞き慣れない言葉は、劇中で解説されるように、禅宗の教えからくる季節の変わり目、“結夏(けつげ)”にはじまるお坊さんの行の終わりを示す仏教の言葉だそうです。
隆之の心を解きほぐすこの大切な“解夏”という言葉が登場するのが、2人が訪れたこの“聖福寺”です。
万寿山 聖福寺は延宝5年(1677)、隠元禅師の高弟木庵(もくあん)の弟子鉄心(てっしん)によって創建された黄檗宗(おうばくしゅう)のお寺です。境内には黄檗建築の特徴が多くみられ、また文化財も豊富です。大きな木々に覆われ、威厳と静寂に満ちた風情が漂っています。
●所在地:長崎市玉園町3-77 TEL.095-823-0282 ●アクセス:JR長崎駅より徒歩15分
この映画『解夏』のロケ地でとっておきの一枚をおさえるべく、いくつかのポイントをご紹介しましょう。
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