映画は赤川次郎原作の同名小説の映画化で、ミュージカルスターを夢みる少女の姿を描いた昭和59年(1984)に公開された作品。角川春樹監督、いわゆる角川映画です。出演は原田知世、倍賞美津子、渡瀬恒彦ほか。
主人公の少女を長崎出身の原田知世が好演。同じく角川映画『時をかける少女』で映画主演、主題歌歌手として華々しくデビューした原田知世の2本目の作品、しかも長崎ロケもあるということで、公開当時は長崎で大きな話題となりました。
ストーリーは、孤児である少女が誕生日に花を贈ってくれる“あしながおじさん”が実の父親ではないかと思い長崎へ探しに訪れるというもの。ロケは神ノ島カトリック教会以外にもオランダ坂、眼鏡橋、活水学院などで行われました。
神ノ島は長崎港を海側から見て左手に位置します。工場誘致を目的に埋め立てられ、造成される前は文字どおり島でした。シーボルトが日本から追放されたとき密かにおタキ、おイネと別れを惜しんだ場所です。
この土地に人が住むようになったのは約350年前で、それまでかくれキリシタンとして密かに信仰していた人々が諫早、佐賀などから移住してきたといわれています。信仰の自由が許された明治6年、信徒たちの手によって仮聖堂が、その後、明治14年、時の司牧者ラゲ神父によって聖フランシスコ・ザビエルを守護の聖人として木造教会が建立されました。長い歴史の中で増改築を重ねてきましたが、現在は白亜の建物が印象的な教会です。小高い丘の敷地いっぱいに建っているため間近で撮影するのは至難の技ですが、ぜひこの美しい教会をバックにベストショットを狙ってみてください。
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