大自然ならではの
風情ある景観に感動!

山の緑は鮮やかに色好きはじめる小満を過ぎると、清流ならではの光景、川一面に明滅するホタルの姿を楽しむことができる。

左ゲンジボタルとヒメボタル

竹燈籠

兵働さん「自然が残されているからこその光景です。車を止めることもできませんので、近所の皆さんは毎日のように懐中電灯を手に歩いて見に来られます。今年は6月上旬に「全国ホタル研究大会」に現地見学会があることもあって、お手製の竹燈籠を自治会の面々で制作して河畔に立てるようにしていますが、普段は全くの暗闇ですから、懐中電灯は必ず必要ですよ。」

真っ暗闇の中、懐中電灯片手に手をつなぎ、テクテク歩きながら見つけるホタルの明かりは、さぞ幻想的で美しいに違いない。ホタルの名所は幼虫を放流している地も多いというが、鹿尾川のホタルは生息するカワニナなど、自然の恵みを得て自然発生した鹿尾川生まれの鹿尾川育ち。毎年、その儚い一生は、この川を愛する人々によって見守られ続けているのだ。


地域住民の息の合った
活動も、この川の恵み

美化活動の折り返し点は鳴滝山観音寺。この観音寺前の広っぱまで来ると、皆さん口々に「ここはよかねー、きもちよかねー。」とひと休み。子ども達もゴミ袋を置いて川岸へと下り、川面に向かって石投げ競争がはじまった。

※前回のナガジン!特集「長崎の小さな滝巡り」では境内の八十八尺の滝を紹介しているのでご覧あれ!


石投げ競争
兵働さん「普段は穏やかな川ですが、川の側に暮らしていると、いいことばかりじゃありません。やはり自然ですから大きな水害が起きることもあるんですよ。」

H18.7.30水害
自然と共存することの喜びと不安を、地域の方も受け止め、現在、防災目的の河川改修計画に行政と協同して多自然川づくりを進めている。

広っぱには鹿尾川の美しい水とおいしい空気、そしてふりそそぐ太陽の恵みをいっぱい受けた自生の枇杷の木が、成熟の時期を待ち構えていた。




枇杷の木

美化活動、最終地点の大山祇神社。この神社の氏子は、三和町、土井首、毛井首、磯道町の4町の住民。建て替えのための寄付を募ったところ、予定を遥かに超える金額が集まり、2001年、立派な社殿が復元された。境内には地域の人々が有効に使える多目的機能を備えた交流館も完備。この春からはそこで地域住民による柔道教室などが開始された。


大山祇神社へ


大山祇神社


ゴミ収集


大山祇神社鳥居

地域の人々の心の拠り所である鹿尾川は、これまでもこれからも人々を近づけ、繋げるとてつもない財産となっている。
兵働さん「初夏のホタル、夏の川遊び、周囲の木々と翠と自然がいっぱいの鹿尾川の魅力を皆さんにも知っていただきたいですね。」

鹿尾川は地域の財産
 
●周辺見どころ遊びどころ

悠然と流れる鹿尾川に
ヨーロッパを見た!
 

市街地から行くと新戸町団地へ上る手前、大山町方面へ左折。2つの小さな橋を渡ると右手に流れる鹿尾川に沿って車を走らせると鹿尾ダムへと辿り着く。この鹿尾ダムまでの山地を縫うように悠然と流れる鹿尾川の風景はまるで残された秘境! 圧巻だ。ここは長崎市が推奨するヘルシーウオーキングコースにもなっていて、ウオーキングを楽しむ人もチラリホラリ。活水女子大学新戸町キャンパスが見える風景は、まるでヨーロッパ! 必見だ。



鹿尾川に欧州を見た

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