市街地近くに残された大自然! 鹿尾川周辺。河畔林の自然美は秘境の美そのもの。初夏のホタル、夏の川遊び! 鹿尾川の環境保全に努める地元ナビゲーターに緑したたる自然いっぱいの鹿尾川の魅力を伝授してもらおう。

 


ズバリ!今回のテーマは

「遠出しない絶景の避暑地! 鹿尾川で子どもも大人も満喫川遊び!」 なのだ




長崎市南西部の熊ヶ岳の山腹を源流とし長崎港へと流れ着く鹿尾川は、全長9.913Kmと市内で一番長く、流域面積も12.9K�屬傍擇崙鶺蕾論遏�しかし、長崎に住んでいる人でもこの川の存在を知らない人は多いようだ。実はこの鹿尾川、古くから飲料水として長崎の人々に親しまれてきた歴史を持っている。江戸時代、長崎に来航した外国人達が、貿易船内での飲み水として使用していたのも鹿尾川の水という説があり、また、大正以降もこの清流のおいしい水は、配水池に貯水され、高島や伊王島の炭坑夫の飲料水として船で運び出され送水されていた。

鹿尾川源流

美しい鹿尾川の水

水が美しいということは、周囲の生態系が整っているということ。現代でも、その自然豊かな川沿いの魅力は変わらず、この自然を守り次世代に受け継ごうという人々で精力的な活動が行われている。今回はそんな鹿尾川の環境保全に努められている三和町ふるさとづくり委員会の事務局長・兵働さんに鹿尾川の魅力を紹介してもらおう。


●JR長崎駅前からの三和橋までのアクセス

長崎バス/長崎駅前南口バス停から深堀、香焼、樺島方面行きに乗車し、土井首バス停下車、徒歩10分。
車/約20分(国道499号)。

●鹿尾川ナビゲーター

兵働馨さん
プロフィール●
三和町ふるさとづくり委員会事務局長。鹿尾川とその周辺の環境保全に努め、自然と住民が共生できる「いこいの場」づくりのために日夜研究&実践! 地域の伝統文化の継承と保存にも熱心に取り組まれている。



兵働さん


長年、人と暮らしを
結びつける川の存在

残された秘境とも呼べる鹿尾川。普段、私達が目にしているのは国道499号線にある「鹿尾橋」というバス停付近の光景だろう。次の「土井首」バス停付近から川づたいに上流へと入って行くと、すぐに「三和橋」という橋がある。


鹿尾橋バス停

兵働さん「この橋の付近は昔から“かっぱ淵”といわれ、かっぱが住んでいるという伝説が残っているんです。かっぱが住む程きれいな水だということと、深くなっているから入るなよ、と昔の人が子ども達に言って聞かせた教えが含まれているんです。」

川と共存する地域の昔ながらのいい伝えは、今も子ども達に語り継がれている。

兵働さん「付近の子ども達はこの川で泳いだり、川の生物を獲って遊んだり、今でも川が身近にあります。もちろん、ここで育った人もたくさんの思い出があるこの川が大好きですし、移り住んで来られた方もこの川との共存した暮らしを気に入ってもらっています。そんな中から、今自分達の川を自分達で守る、という気持ちで三和町自治会が中心になって環境保全や美化活動をすすめているんですよ。」


川遊びする子ども達

この三和町自治会の形態が面白い。三和町、古道町、京太郎町、鹿尾町、磯道町、草住町と、鹿尾川に沿い、川の恩恵を受けている6町で形成されているのだ。これは随分前からのことだそうで、とても珍しいこと。鹿尾川が地域の人と暮らしを強く結びつけているのだ。

取材にうかがった日は、年に4回行っている美化活動の日。大人も子どももゴミ袋を片手に“自分達の川”を守るべく、上流へと続く細い道でゴミ拾い活動を決行していた。川沿いの木々には、土井首小学校の子ども達お手製の「川をきれいに!!」のポスターがくくり付けられている。ふと周囲を見渡すと、既に、草木が草刈り機で刈り取られていた。「今日だけじゃ間に合わんけんね。1週間前から少しずつ刈っとったとよ。」自分達の川という意識の高さに感服させられる。


清掃活動






お手製のポスター

それにしても、こんなに美しい川にゴミを捨てたり、不法投棄するとは、市民意識として情けない。地元の方同様に、私達長崎市民の川という意識も高めていきたいものだ。


大人も子どもも
川に親しみ川に学ぶ

地元の人が“らくま”と呼ぶ「手長えび」や「カワムツ」「アユ」、ホタルの主食である「カワニナ」などなど、この清き水に住む生物は数知れない。そんな鹿尾川に生息する生物は、子ども達の格好の研究材料。これまでに土井首くんちでは、大山祇神社境内において三和町ふるさとづくり委員会のメンバーが「川の生物の展示」を行っている。


手長えびとカワニナ


カワムツ
兵働さん「この辺りが夏になると子ども達が泳ぐ場所です。水はもちろんきれいですし、深さも2m程あって飛び込むこともできるんです。」
地域で育った子ども達は、それこそ誰もが“夏”といえばこの川が思い浮かぶのだろう。


泳ぐ場所
戦前生まれの女性が「私達が子どもの頃は、洗濯に行くという名目で、川へ遊びに行って、まず洗濯をして岩の上に干して、それが乾くまで川遊びを楽しんだものです。」と当時の思い出を話してくれた。その女性の手には、自生のクレソンがたっぷり。今も川の恵みを受け暮らされている。

お話をうかがった女性ほか
兵働さん「川や水路を活かしたまちづくり運動として、1月の鬼火を皮切りに、5月の鯉のぼり、5月末〜6月上旬にかけてのホタルまつり、12月の餅つきなどのイベントも精力的に行っています。夏はバス停付近の川を利用して、地元の子ども達にカヌーやペーロン乗船など、スポーツやレクレーション活動も体験してもらっているんですよ。」

鬼火


カヌーまつり


ペーロン乗船体験
 
●周辺見どころ遊びどころ

八十八尺の滝を擁する
鳴滝山観音寺

 


八十八尺の滝


観音寺前の広っぱ

三和橋から鹿尾川沿いに約15分。ただひたすら歩いて行くと、正面にパーンと開けた地が見えてくる。鳥のさえずりに混ざって聞こえてくるのは、ゾォー、ゾォーという水の音。背後に戸町岳、熊ヶ岳、悪所岳の連山がそびえる緑豊かな地にある観音寺のこの広っぱは、地域住民の憩いの地でもある。滝を眺め、川でひと休み。大人も存分に楽しめるスポットだ。

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