ビジネス街のど真ん中に32万冊もの蔵書を抱え、ドドンと誕生した長崎市立図書館。1月5日のオープンから早くもふた月が過ぎたが、期待通り連日大盛況!毎日老若男女、多くの利用者で溢れかえっている。その魅力がどんな所にあるのかは訪れた方のみぞ知る。


ズバリ!今回のテーマは

「図書館の魅力に迫る!」 なのだ



なお、ナガジンでは、このテーマに沿って初級、中級、上級編を独断と偏見で設定してみた。もちろん、どんな過ごし方をするかはあなた次第! ご参考までに一読あれ!

長崎駅からのアクセス
路面電車/長崎駅前電停から蛍茶屋行きに乗車し、桜町電停で下車、徒歩5分。
長崎バス/長崎駅前東口バス停から中央橋方面行きのバスに乗車。興善町バス停下車、徒歩1分。
県営バス/長崎駅前東口バス停から循環(西山台団地・三原団地)行きに乗車。興善町バス停下車、徒歩1分。
車/長崎駅前から車で5分。

開館 10:00〜20:00(生涯学習エリアは21:00まで)
休館 火曜日、12月29日〜1月4日(特別整理期間5日間以内)
駐車場 64台 有料(※30分以内に限り無料。30分を超える利用は最初の30分(140円)も加えた料金となり、その後30分ごとに130円増し ※詳しくは2ページ参照)
駐輪場 80台 無料
問い合わせ 長崎市立図書館 興善町1-1 095(829)4946/FAX095(829)4948
公式HP http://lib.city.nagasaki.nagasaki.jp/
(ひとことアドバイス!★長崎市立図書館のホームページを開いたら、右下に【WebUDダウンロード】【WebUDについて】というアイコンがある。まず【WebUDについて】を開いて説明を読んでみよう。【WebUDダウンロード】をすると、ホームページの内容を音声で読み上げたり、文字の大きさを大きくしたりするなど、様々な機能が利用可能となり便利だ。)



まずは、長崎市立図書館の建物について解説しておこう。
県庁所在地で唯一本格的な大型市立図書館がなかった長崎市に誕生した、待望の図書館は、公共施設としては珍しく、設計・建設・運営等に民間の技術力と資金を活用し約35億円を投じて完成した近代的建造物。設計・建設・運営・維持管理が一体となったPFI事業として計画された当初のコンセプトは、「都市の中に新しいみちをつくり、まちをつくる」だった。その象徴とも呼べるのが、正面玄関入ってすぐの通り抜けの出来る十字型平面の吹抜空間“クロスロード”で、これを共有して図書館・多目的ホール・新興善メモリアル・救護所メモリアルが配置されている。

外観
スタイリッシュな外観に一役買っているのは、正面、ガラスのカーテンウォールに使用されている植栽を施したルーバーだ。アプローチ横には、この地にあった新興善小学校の校庭の樹木を配置。春には青々と茂る植物と近代建築とのコラボは、町ゆく人々のオアシスとして憩いの場となっていくことだろう。

新興善小学校跡地

移植イチョウ


植栽のルーバーは図書館内の利用者にも大きな役割を果たしそうだ。
市立図書館の大きな特徴として、1階、2階共に、間仕切りのないワンフロアータイプであることがあげられる。書棚は比較的低く、圧迫感を感じられないような配慮がされていることに加え、植栽のルーバー、内部のガラス張りの窓から自然光が入り込む。広々した空間と柔らかな日差しはとびきりの癒し的要素。足下のじゅうたんマットも足音を吸収する働きを持ち読書の妨げにならない。実に計算された設計、空間づくりに感動!


植栽ルーバー

生け花が出迎え

原爆が投下された後、救護所としての役割を担った、新興善小学校(国民学校)。校舎解体時に保存していた床板、腰壁、窓枠などを利用して、当時の救護所の様子を再現し、映像や写真パネル、被爆者の証言などにより原爆被害の実相を伝える空間「新興善メモリアル」が図書館の一角に作られている。被爆者の痛み、原爆の脅威、恒久平和の大切さを唱え続ける長崎市民を育むため、今の、そして未来の子ども達に継承していくことが重要だ。大きな被害を受けた浦上エリアから少し離れたビジネス街のど真ん中。仕事で来られた他県の方々などを案内するなど、気軽にできる“平和活動”の場として活用してみてはいかがだろうか?

救護所メモリアル外観


内観


教室と廊下を再現
 
● いろんなニーズに応えるサービス 1

ユニバーサルデザインで
あらゆる場面でバリアフリー
私達の生活の中に広がり定着しつつあるユニバーサルデザイン。文化や言葉、老若男女や障害など能力の違いを超えて、誰もが公平に心地よく利用できる施設や製品、情報を総じてユニバーサルデザインというが、この市立図書館にも数々のユニバーサルデザインが取り入れられている。上記のホームページアドレスのひとことアドバイス!で示した内容も、パソコンの画面表示を見やすく工夫したユニバーサルデザイン(WebUD)のご案内だ。また、大きい活字の本や点字図書、対面朗読室、録音資料、授乳室、バリアフリートイレ、外国語図書コーナーの設置なども同じくユニバーサルデザイン。そして、館内空間も「接近や利用をするために十分な大きさを保つ」というユニバーサルデザインの7原則のひとつも十分に満たしている。どんな人も快適に過ごせる環境、それがこの市立図書館の最大の魅力だ!

対面朗読室


点字図書


バリアフリートイレ

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