藁ひも2本を靴に結び、竹杖を手にいざ出発! 先頭を歩く山崎さんに続き、一同、期待と不安を胸に落ち葉が敷き詰められたなだらかな坂の山道に入っていく−−。
「家庭祭壇に祈る際、せっかく祈るのでれば、先祖一人一人の名前を口に出して祈りなさい。」 その時、山崎さんは唖然とした。両親、祖父母まではわかるけど、それ以前はわからなかったのだ。すぐに役場へ走り自分の先祖について調査し始めた。そして山崎さんは入手した戸籍や除籍を元にすぐさま家系図を作成。
この事実に言葉では言い表せない衝撃と感動を覚えた山崎さんは、外海町に点在するキリシタン弾圧時代の史跡について調べ、それを多くの人に伝える活動をはじめた。そして昭和58年(1983)、山崎さんはこれまでも噂だけは存在していた“次兵衛岩”と呼ばれる洞窟を約8年の歳月をかけ山深い山中に発見したのだ。
一九八三年十一月二十三日 史跡探訪記念 外海 山崎
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