●大パノラマの海と
遺跡に心弾む・深掘●
JR長崎駅前から大浦方面へ走り、国道499号線をひたすら西へ進む。
小菅、戸町、小ヶ倉、……土井首を越えると、右手に紳士服の大看板が見えてくる。
その一つ先の信号を右へ(県道29号線 / 香焼江川線)。
青い交通表示板では香焼を示している方向だ。
まずは、長崎市の南端である深掘へ。
香焼への分岐点から左、県道224号線(深掘三和線)へ入ろう。
深掘は1〜6丁目まであり、城山(じょうやま)の山の西麓に集合団地や昔ながらの住宅が立ち並ぶ形で町が構成されている。
一方は長崎市内に、一方は香焼町に、そしてもう一方は西彼杵郡三和町に面している深掘。
長崎港の入口には、夏場海水浴場として賑わう伊王島や、昔炭鉱の町として栄え今では釣りポイントとして人気の高島、同じく炭鉱の町として発展し現在ではその際の建造物だけを残し無人となった端島(軍艦島)など、西彼杵郡の島々を望むことができる。
それでは漁港の香りが漂う小道へと入って行こう。
10メートル程進むと左手奥に懐かしいコカ・コーラの看板を掲げた小店がある。
ここを右に曲がり海沿いの道、大籠町方面へ。
なかなか離合しづらい細道を通ると広い市道が開けてくる。
するとたちまち視界には蒼い海が広がってくるのだ。
すれ違う車もほとんどなく、穏やかな海原を見ていると心が和んでいくに違いない。
しばらく走ると左に上る坂道があるのでここを上ろう(更に進むと三和町へ)。
ここからの眺めはまさに圧巻!
穏やかな蒼い海原に浮かぶ島々……大パノラマが広がるのだ。
善長谷教会を後にして、今来た道を先程のコカ・コーラの看板まで戻り、その看板の先に続く細道へと入って行こう。
この辺は深掘5丁目。
ここでは是非車から下りて立ち寄って欲しい場所がある。
散策マップはこちら
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まずは車を深掘貝塚遺跡資料館にしばらくの間駐車しよう。
この深掘貝塚遺跡資料館は昭和27年頃からはじまった調査で発掘された遺跡で、長崎県の長崎半島、西彼杵郡の西海岸側に多く見られる砂丘遺跡を代表する遺跡。
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深掘川の河口部に発達したこの遺跡からは縄文時代前期から、弥生、古墳、古代、中世、近世に至る遺物が出土している。
主な展示品としては縄文・弥生・古墳時代の動物遺体、そして弥生時代及び古墳時代の石棺。
最近でも腕輪をはめた人骨が発見された。
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展示物の中でも興味をひくものが、発掘された棺の中で発見された深掘弥生人の風貌。
北九州一般に認められている弥生人と異なり、顔面の幅が広く、かつ低身であって、むしろ縄文後・晩期のものに近いのだそうだ。
長崎人のルーツがここに来れば見つかるのかもしれない!?
開館 / 9:00〜17:00
休館日 / 月曜日(12月29〜1月4日)
入館料 / 無料
問合せ / 長崎市観光宣伝課 TEL095-829-1314
さらにこの5丁目には江戸期、深掘鍋島藩の陣屋だった深掘陣屋跡がある。
市指定史跡の深掘鍋島家の墓地は、この陣屋跡の奥にある菩提寺後山墓地にある。
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また、この陣屋跡の周辺には東屋敷、中屋敷、西屋敷と呼ばれた家老屋敷のほかに小規模ながら武家屋敷も多く残されており、往時を偲ばせる風情漂う石塀が連なる散歩道となっている。
写真は武家屋敷跡の石塀。
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