ゆうこう」は、長崎で今もっとも注目されている柑橘類のひとつで10月から2月に収穫されます。柚子よりは少し大きい果実は、熟す前は「かぼす」のような緑色をしていますが、熟すときれいな黄色になります。現在は佐賀藩であった、長崎市内の土井首地区と外海地区という限られた地域にわずか100本ほどの自生樹が確認されているだけの希少種です。

幕末から明治時代の初め、外国から来た宣教師たちが食事をするとき、日本ではおなじみの「だいだい」では、洋食には酸味が強すぎ、甘みのある「ゆうこう」が調味料として好まれたため、広く栽培が行われるようになったといわれています。しかし、時代の流れと共に、いろいろな調味料が作られるようになると、「ゆうこう」の出番は少なくなり、結局は土井首地区と外海の一部に自生するだけとなったのです。


地域で長年受け継がれてきた長崎の伝統果実ともいえる「ゆうこう」ですが、今では、いろいろな加工品に利用されています。パン、まんじゅう、こんにゃく、パウンドケーキ、シフォンケーキなど、どれも「ゆうこう」の香りと甘みを活かしたものばかりです。
まだまだ皆さんにはなじみの薄い「ゆうこう」ですが、秘められたパワーを生かした独自のレシピを開発してみるのもいいかもしれませんね。


※ 「ゆうこうの加工品」は道の駅 夕陽が丘そとめで手に入ります。
道の駅 夕陽が丘そとめ
住所:東出津町149-2 TEL:0959-25-1430
営業時間:9:00〜19:00(4月〜9月)/9:00〜18:00(10月〜3月)
正月休み(休憩所無休)
駐車場あり
国道202号線沿い、遠藤周作文学館に隣接、道の駅バス停から徒歩1分




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