カトリック信者の巡礼地と知られる南フランス、ピレネー山脈の山麓にあるルルド。このルルドの洞窟で起った奇跡にちなんだ場所が、日本にも長崎を中心に点在している。今回はこのルルドの奇跡とともに、長崎市内にある巡礼地・ルルドを紹介。
ズバリ!今回のテーマは 「長崎の祖先が残したもうひとつのキリスト教遺産を巡る!」 なのだ
そこで今回のナガジン!では、長崎の類い稀なキリスト教史に裏打ちされたもうひとつのキリスト教遺産! 聖母マリアと少女・ベルナデッタの奇跡の物語が再現された市内に点在する神聖な巡礼地を紹介しよう。
コルベ神父が長崎滞在中に成した偉業は数知れない。来崎の翌年には、長崎市街地を取り囲む山の一つ、彦山中腹の斜面に、昭和6年(1931)、コンベンツアル聖フランシスコ会聖母の騎士修道院(無原罪の園)を創設、5年後に修道院内に現在の聖母の騎士学園の前身である「本河内神学校」を開校した。今現在も発行が続いている月刊誌「聖母の騎士」を創刊させ、日本国民にキリストの福音と聖母マリアの愛を伝えるための出版による布教を活発に行った。修道院を建てる際に、山の方がいいと、コルベ神父自らの希望でこの地を求めたのだとか。現在、境内にはコルベ記念館、幼稚園、中学、高校があり、この敷地の一番高い場所に本河内教会のルルドがある。 神父は、日本へ向かう途中に、フランスのルルドを訪れたのだそうだ。そして、長崎の地にもこのようなルルドを造りたいと考え、豊かな自然に抱かれた眺望も素晴らしい彦山に実現させたのだった。
本河内教会から急な坂道を200m程登る。静寂に包まれた境内の細い坂道の両側は美しい木々に覆われ、案内板がその地へと誘ってくれる。
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