長崎の冬の風物詩、中国の旧正月を祝う長崎ランタンフェスティバルが今年も開催! 長崎市内の中国料理店が最も賑わうのは、やはり全国各地からたくさんの人が訪れるこの時期だ。そこで、長崎で美味しい中華に出会ったあなた! 優れた中華食材をお土産にいかが?


ズバリ!今回のテーマは

「あの日食べたお店の味を家庭で再現!」 なのだ



中華料理は数あれど、「家庭で食べるのは定番のものばかり」という方も多いはず。そこで、長崎で美味しい中華に出会ったら、それをきっかけにレパートリーを増やしてみてはいかがでしょう? 今回は新地中華街の中国料理店ご用達で、中華街に店を構える2つのお店にご協力いただき、すぐに使える中華食材をピックアップ! 昔から健康にもいいと食べ続けられてきたこれまで見慣れなかった中華食材が、明日からは食卓に! 中国料理店にもご協力いただき、プロが伝授する“家庭で中華!”実践レシピもご紹介!!


【紹興酒】
そのまま飲むのも紹興酒
料理に使うのも紹興酒!

好みの紹興酒で“家庭で中華!”を盛り上げよう!
紹興酒は主に中国浙江省紹興市付近で作られているホアンチュウ(黄酒)と呼ばれる米を原料とした醸造酒。基本的に黄酒を長期熟成させたものを老酒(ラオチュウ)と呼ぶ。日本では紹興酒に角砂糖等の糖類を入れる飲み方が浸透しているが、それは質のよい紹興酒が日本に輸入されなかった時代に糖類で誤魔化し飲んでいた習慣。現在のように上質の紹興酒が手に入る場合は不要なのだ。ぜひ、紹興酒そのものの味を堪能したいものだ。
さて、紹興酒は3年熟成されないと紹興酒と認められず、認可されたものには、ラベルに国証マークがついている。もちろん、熟成度合いによって深みや香りなどの味わいが変わる。さらに中国大陸のものは柔らかい口触り、台湾のものはドライなど、産地によっても特徴がある。また、瓶入りよりも龜入りの方が、口当たりがなめらかで人気が高い。直輸入の場合は輸入した時期で値段も違ってくるので、好みのものを見つけたら価格帯をチェックすることもお忘れなく! 飲み残しは料理の香りづけとして実力を発揮する優れた調味料でもある。


写真は高貴な香りと端麗かつ深い味わいで中華だけではなく和食や洋食にもマッチする紹興貴酒(16度)。中国トップブランド古越龍山(15度)は、日本でも人気ナンバーワン! 虞美人(15度)は、色彩と香りに磨きをかけ洗練された極上の味わい。龜入りの陳年紹興貴酒(共に16度)は、国内一流品。5年ものは程よい酸味とまろやかな舌触りのビギナー向け銘酒。15年ものは、長期熟成だけあって芳香な香りとコクが自慢のバランスのとれた老酒。
紹興貴酒(3年) 490円 375ml ※B
古越龍山(5年) 900円 500ml ※B
虞美人(10年)2,300円 600ml ※B
陳年紹興貴酒(5年)1,575円と(15年)4,200円 共に500ml ※B


紹興貴酒と古越龍山と虞美人


陳年紹興貴酒


【メイン料理】
レパートリー倍増!
使い方覚えて食卓革命

香港名産の蝦ワンタン麺

香港ではとってもポピュラーな名産品「蝦ワンタン麺」のインスタント食品。蝦ワンタンは入っていないが、蝦の卵が練り込まれた蝦風味の麺がいい働きをする! スープも付いているので、普通にワンタン麺を食べるのなら調理時間3分だが、この麺のみを利用して作る炒麺(焼きそば)が美味だとか。一度ゆでた麺を具材と一緒に炒め、ガラスープや甜麺醤などの調味料を使ってお好みの味に。ノンフライ!ノンオイル! ヘルシー麺というのも魅力の一品!
雲呑蝦子麺 880円 10束入り(スープ付) ※A


雲呑蝦子麺

食欲そそるあの一品を家庭で!
もともと鍋釜にこびりついたお米を乾燥させ、油で揚げて餡をかけて食べる料理が、鍋巴(コーパー)と呼ばれる中華おこげ。食欲をそそる効果音を効かせたグルメ番組の影響からか、最近は徐々に家庭でも浸透してきた中華料理だ。油で揚げた鍋巴に食べる直前にアッツアツのお好み餡をジュワ〜っとかけるだけ。家族の会話も弾む一品になりそうだ。
乾脆鍋巴 1,050円 500g ※A


乾脆鍋巴

あなただけのオリジナルまん
角煮まんを皮切りに、数年前から長崎で一大ブームを興している“◯◯まん”。
その“まん”にあたるのが、この割包(カーパウ)と呼ばれるまんじゅうだ。
使い方はいたってシンプル。この冷凍割包を蒸し器で数分蒸して、お好みの具材をはさんで食べる! 例えばチンジャオロースでもエビチリでも、もちろん角煮でも、“イケる!”と思ったものをはさんでパクリ。お気に入りの“オリジナルまん”を開発しておやつや軽食に楽しもう!
割包 504円 10個入り ※A

割包

違い歴然!スープに適した緑豆春雨
熊本名物「太平燕(タイピエン)」が全国的にも知られるようになったが、長崎中華でも春雨スープは定番の人気料理。その際使われるのが日本には鎌倉時代に中国から伝わって来た緑豆春雨と呼ばれる中国山東省龍口市特産の春雨だ。緑豆をすりつぶし粉にしたものを原料として、糸のように伸ばし麺状に仕上げたもので、コシが強く煮崩れしないのが大きな特徴。弾力があるのに柔らかく、喉ごしがよくて味わい深い。日本の春雨と食べ比べるとその違いは歴然とする。ぬるま湯で戻して使用するが、スープはもちろん、煮物や炒め物、鍋の具材やサラダなど主菜から副菜まで変化自在に活用できる。ビタミンも豊富!
龍口粉絲 250円 50g 5束 ※A


龍口粉絲


【高級食材】
高級食材だからこそ
家庭でチャレンジ!

憧れの高級食材も“家庭で中華!”
干貝柱に干ナマコ、干アワビにフカヒレ! 誰もが一度は口にしてみたい憧れの中華食材じゃないだろか? しかし、決して簡単に調理できるわけではないし、もちろんお値段が張るものも多い。この中でもっとも手軽な食材である干貝柱は、炒め物や炊き込みご飯など、和食でも中華でも使えとっても便利。煮込み料理にはだし汁も全部無駄なく使えるので常備していると重宝するのだ。
そして、干ナマコ、干アワビ、フカヒレは江戸時代、長崎から中国に輸出され貨幣の代わりに流通していた乾貨(俵物)の最高峰“俵物三品”。中国料理の乾物は、保存食というより、素材をおいしくする技術。干ナマコは戻すのに1週間もかかり手強いが朝鮮人参に匹敵する滋養強壮作用があり、中国では両親への感謝の贈り物として人気なのだとか。最近では長崎・大村湾産干ナマコが多く出回っているとか。干アワビは高級食材に名を連ねるだけあって、干アワビに到達するまでにも数年かかるなど手間ひまがかかり、なかには途中で腐ったりするなど希少価値も高い食材なのだ。そして、美容に関心の高い女性が憧れるフカヒレ! やはりフカヒレも干した乾燥フカヒレが味はいちばんいいのだが、数10kg・単位で取引するため一般向けに販売するのは難しいのだそうだ。それよりすぐに調理できる1kg・1〜3枚入って2万円〜程度の冷凍または缶詰がお手頃なのか、今年に入っても個人宅からのオーダーが相次いでいるという。いずれもきちんとしたレシピが必要となるが、問い合わせれば教えてくださるということなので、一度、腕まくりして試みてはいかがだろうか?

干貝柱 2,000円 100g(11個前後) ※B要問い合わせ】
干ナマコ(大村湾産) 4,500円 100g(4個前後) ※B要問い合わせ】
干アワビ(気仙沼産) 約4,000円 1個前後 B要問い合わせ】
フカヒレ(冷凍&缶詰)(気仙沼産)20,000〜25,000円 ※B要問い合わせ】



干貝柱


干ナマコ


干アワビ


フカヒレ


◆プロが伝授する“家庭で中華!”

脇役中華食材●袋茸

【五目入りかけごはん】  
いつもの八宝菜も入れる食材にこだわると、中華料理の風格が増すというもの。2ページで紹介する「袋茸」は、炒め物はもちろん、蒸し物、スープなどなど、料理に加えるだけでより中華らしくなる中華料理には欠かせないアイテムだ。 ひとつひとつの食材の味を引き立たせ、まとめあげた野菜と魚介のエキスたっぷりの餡はお見事! お店で人気があるのも頷ける。この餡を上記の中華おこげに使うのも◎ 材料はあくまで参考で、Bの黄金の合わせ調味料を覚えて、家にあるもので美味しい餡作りに挑戦してみよう。
 
材料(一人分)
A 白菜
  たけのこ
  袋茸
  芝エビ
  鶏むね身
  貝柱
  青ねぎ

B スープ
  オイスターソース
  砂糖
  旨味調味料
  醤油
  ゴマ油

C 水溶き片栗粉


大 1枚
2cm×5cm 4〜5本
10個
3尾
スライス3切
1個
ぶつ切り少々

1カップ
大さじ2〜3
小さじ1
少々
大さじ1〜2
少々

大さじ3〜4


袋茸と五目入りかけごはん

作り方
(1) ニンジン、袋茸、貝柱をスライスし、イカには切れ目を入れてスライスする
(2) Aを軽くゆでる
(3) (2)をBで味を調え、Cを加える
(4) 仕上げに(3)にゴマ油を少々入れる
(5) (4)を皿に盛ったごはんにかけて出来上がり


●食品から雑貨まで揃う老舗店


チャイナドレスや中国雑貨、30種類以上のアイテムを取り扱うチャイニーズショップ。また食品も豊富で、中国茶や飲茶の人気商品など、中国本場の味が手軽に味わえる食材が揃っている。

※A 泰安洋行(たいあんようこう)

●営業時間:9:00〜21:00
●店休日:1日、15日(この日が祝日の場合は翌日)
※長崎ランタンフェスティバル期間中は休まず営業
●住所:長崎市新地町10-15
●電話:095-821-3455

尚、※A※Bどちらかの取り扱いとして掲載している商品も、双方の店舗で取り扱っている場合もありますので、ぜひご確認ください。

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