写真:(株)ナガサキ・フォト・サービス提供

長崎の歴史と風土と伝統によって誕生し、今も進化し続ける祭り「長崎くんち」。
子ども達は賑わう出店を心待ちにし、大人達はそんな子ども時代からの思い出を胸に、
独特の雰囲気を求め繰り出す3日間。
そんな長崎きっての祭り・長崎くんちには、どんな魅力が詰まっているのだろう?

ズバリ!今回のテーマは
「長崎くんち、注目ポイントはコレ」なのだ



長崎くんちってどんなお祭り?

京都の「加茂祭り」大阪の「天満宮の祭り」と共に、日本三大祭りの一つに数えられる「長崎くんち」は、諏訪神社の秋の大祭。なぜに「くんち?」かというと、もともと旧暦の9月9日に行われたので9日「くんち」となったらしい。
この長崎くんちの最大の特徴は、まず他から受け入れ模倣したものではなく、評判の歌舞伎や出島や唐人屋敷の風俗に、町人が年毎に工夫を加えて育て上げてきた町人による奉納であるということ。そして歴代の長崎奉行が経費を貸して保護したので、年々盛大になっていったということだ。
異国情緒に溢(あふ)れ豪華絢爛(けんらん)。これが「長崎くんち」最大の特徴であり魅力なのだ。


長崎くんちの行事は6月1日の小屋入り(こやいり)からはじまる。
その年に奉納踊りを出す当番の町を踊町(おどりちょう)というが、現在は59ケ町あって、7年に1度まわってくる。踊町の世話役や出演者は諏訪、八坂の両神社前で清祓(きよはら)いを受け無事達成を祈願し、従来この日から演し物の練習に入るといわれている。昔は文字どおり小屋を建て身を清めて練習に専念したので小屋入りというのだそうだ。
旧暦のこの日は、全国的にいろいろな行事が行われていた佳日で、長崎では厄入り・厄払いの行事も6月1日に受け伝えられている。


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コレがpoint!
「まずはシャギリの音を聞いて本番までのカウントダウンをはじめよう。気分は秋待ち!」


次なる行事は、いわば長崎くんちのプロローグである10月3日に行われる庭見世(にわみせ)。夕方から各踊町の家々では表格子をはずし、木戸口を開放して家の中や庭園を道行く人に見せるのだ。表通りに面した位置には町印である「傘鉾」をはじめとした演し物、衣裳、小道具、楽器などを各家に分散して飾り、お祝品を並べ披露する。現代では古い町家などが少なくなったため、ガレージなどで行われることも多くなってきた。



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コレがpoint!「庭見世では各踊町お神酒(みき)を用意!お神酒を戴きながら渡り歩き、本番を御機嫌な気分で待ち構えよう。」


そして庭見世翌日の10月4日に行われるのが人数揃い(にぞろい)。演(だ)し物の練習が立派に仕上がったので本番前に各町の数ケ所で披露する、いうなればリハーサルだ! 衣裳などは全て本番通り。前日(まえび)まで待てな?いという町内の人から「どれどれ仕上がりはどうね」というお偉方までが多数参集。今年は幸い土曜日。各踊町へ足を運んでみよう。

コレがpoint!「スタートは各踊町おおかた午後1時から2時頃から!」

 
これらの行事を経て、いよいよ10月7日。諏訪神社の真向かいにそびえる彦山から朝日が昇り、大舞台である石畳の踊馬場がまぶしく輝く午前7時。どこからともなくシャギリの音が聞こえ、いよいよ本番を迎えるのだ。
今年は特別参加の籠町を含め6ヶ町が踊町の大役をつとめる(◇築町・御座船、本踊◇馬町・本踊◇銅座・南蛮船◇八坂町・川船◇東濱町・龍宮船、本踊◇籠町・龍踊り)。詳しくは公式HPでチェックしよう(桟敷席のチケット購入情報あり)。


10月7日〜9日と定まった日程で行われる長崎くんち。神事なのだからこの日程は雨で順延された場合を除き不動のもの。それゆえ平日である可能性は非常に高い。

そこで長崎市は考えた。平成14年から9日後の休日に各踊町の奉納する演し物を鑑賞できる「モッテコ〜イくんち」をスタートさせたのだ。くんちは観たいが休みがとれないという地元の人や、観光客などにもさっそく好評。長崎くんち期間のお祭りならではの緊張感は少し欠けるが、各踊町の意気込みは本番さながらのもの。今年は10月12日(日)、13日(祝)に行われる。
問合せ●長崎国際観光コンベンション協会
       TEL.095(823)7423


コレがpoint!
「まさしく長崎くんちのアンコール公演。本番で全力を出し切った上での演し物には、男気、女の底力を感じる!」

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