●あんなことこんなこと 知られざる路面電車の裏情報

地元の人にとってピッタリ生活に密着している路面電車。
しかし、長崎に住んでいるとなかなか気づかない新鮮素材っていうのもあるものだ。
そこで、ここでは知られざる路面電車のコアな情報をご提供。
実際に出向いてみたり、購入してみたり、耳を傾けてみたり……と、ただの移動空間だけではない電車の魅力に触れてみてください。それではしゅっぱ〜つ!!

1.運賃箱と一緒にどこへ行く?運転士さ〜ん


浦上車庫前
何だか運転士さんがソワソワしている。外では別の運転士さんがやっぱりソワソワ……。
ここ、浦上車庫前はこの路面電車を動かしている長崎電気軌道株式会社本社前でもあるのだ。
現在全従業員約230名、内運転士さんが約120名もいるそうだ。
1コース運転してきた運転士さんと次の運転士さんが運賃箱を持ってここで交代!
浦上車庫前ではそんな光景を見ることができる。


またここには改装中や点検中の電車や、出番待ちの様々な電車が停車している。
あらかじめ予約を入れておくと案内してもらえるので興味がある人はぜひどーぞ。






2.電車のアレコレがわかる資料室




昭和50年、電車開通60周年を記念して市内デパートで開催された「長崎の電車60年展」で好評を得たのをきっかけに、翌年、もっと多くの人達に電車のことを知ってもらうべく資料室が誕生した。
場所は浦上車庫前電停すぐ側の本社3階
電車が走る風景を年代別に紹介したパネルや、電車の部品、長崎電気軌道の運転士が制作した模型電車など充実した内容で、マニアだけでなく、大人から子どもまで楽しめる空間だ。



入り口にある模型の運転台では運転士さんの帽子をかぶって写真を撮ることもできる。
記念スタンプもあるので乗車した記念にぜひ立ち寄ってみよう。

8:30〜17:00 /日曜定休、土曜不定休
こちらもあらかじめ予約を入れておくと案内してもらえる。

3.旅の記念に電車グッズはいかが?




地元の人にも資料室の存在はあまり知られていない。
さらに、知られていないのが、「路面電車グッズ」というものの存在。
シールに携帯ストラップ、Tシャツなどのグッズが、資料室とこの建物1階の営業所で購入できるのだ(郵送可)。
車両シールは形式別になっていて(前述の数字でわかる!)、乗車した電車を見つけることもできる。
どちらも長崎土産に最適な商品だ。

4.耳を澄ますと聞こえてくる……CM


路面電車に乗った県外の人が印象的だったこととして「車内で流れているCM」という声を聞いたことがある。
これは地元の人にとっては馴染み深いBGMと化しているのだけれど、県外の人には相当に新鮮なのだとか。
「次は○○町電停〜」と言った後に周囲の観光地やお店のCMが入るのだけれど、この声が昔懐かし風のトーンだからかなぁ?
まぁ、山手線で流れないのは事実でしょうね。
これも長崎の路面電車の特徴ということで、ひとつ耳を傾けてみてくださいナ。

5.路面電車がビデオと絵本になった!




昨年から今年にかけて発売され話題となっているのが、長崎の路面電車をモチーフにした絵本&ビデオ(DVD)。
2002年3月に発売した絵本『チンチンでんしゃのはしるまち』(横溝英一作 かがくのとも傑作集 福音館書店発行 838円)は、子どもが運転士であるお父さんにお弁当を届けるアットホームな内容で、電車のことと長崎の美しい風景が地元の人から見てもよく描かれている。



一方、ビデオ(DVD)『街を走る路面電車2〜長崎のチンチン電車〜』(サトウ電設株式会社制作 30分 ビデオ2800円/DVD3200円)は広島の路面電車に次いでのシリーズもので、現代の長崎を走る路面電車の特徴などが事細かに捉えられている。
今年5月までは紀伊國屋DVD ISLANDコーナーで大々的に紹介しているのでチェックしてみよう。
問合わせ / 紀伊國屋書店 TEL095-811-4919 元船町10-1夢彩都4F

TOPIC.映画『精霊流し』のロケも電車で行われた!


近日公開の映画『精霊流し』は、御存知!長崎出身のさだまさし原作の作品。
当然、幼少時代を過ごした長崎の町が随所に登場してくるのだが、そんな長崎風景の一つとして、路面電車を貸し切っての撮影が行われた。
主演の内田朝陽さんや、あの!松坂慶子さんまでもが電車に揺られて「よーい、カチンッ」って感じでやったというわけ。



まだ冬の寒さが厳しい時期に撮影の真夏のシーンとあって、出演者の人たちは皆さん超薄着。
しかし松坂さんなんか寒さなどは微塵も感じさせなかったのだとか。
この路面電車での撮影光景はぜひ、映画でご確認くださいマセ。



●知ってて得する、役に立つ1ポイントアドバイス

平坦な道がとっても少ない長崎の町を縦横無尽に走る路面電車は、昔から親しみ深い乗り物。
通勤、通学、観光の足として多くの人が利用するので、車内ではそれなりのルールが必要となってくる。
とはいってもここで言うのは難しいルールではありません!
知ってると、アナタが得する類いのモノだから、しっかりチェックしてくださいナ。
もちろん、車内で携帯電話を利用しない、飲食しないなどの周囲に迷惑をかけないための最低限マナーもお忘れなく!

また、観光客に優しい電車を目指して、停車した時に流れる英語案内や、各電停にわかりやすく表示した観光マップが充実。
携帯電話用ホームページ(http://www.naga-den.com/navinet/)では電車時刻(始・終発)、イベント情報が流れているのでこちらもチェックしよう!

それでも迷ったら地元の人に訊ねる。
これが何より一番の早道。
昔から観光客に接する機会が多かった長崎の人は親切な人が多いという定評もあるので、気軽に訊ねてみよう。


1.乗り方の小わざ教えマス


基本的に乗り口は中央のドア、もしくは後方ドア。
しかし、満員に近い場合は降りるのが大変そう……と乗り過ごす人も多い。
そこで知っておくと便利なのが、降りる人が多い電停。
それは目的地である電停より先に電車が空いてスムーズに降りることができるってこともあるからだ。
築町、長崎駅前、長崎大学前、西浜町、観光通りが特に利用頻度が高い電停。
乗車前にいくつ目の電停で降りるかを路線マップでしっかり確認しておこう。

2.“揺れ”対策!吊り革は持つべし!




大都市の地下鉄や環状線に乗ると、吊り革を持たずに立って本を読んでいる人を見かけて仰天することがある。
あの踏ん張り方、強靱(きょうじん)な足腰を持っている人が多いのだろうが、“揺れ”が少ない、とも言える(“揺れ”に慣れているとも言えるかナ)。
しか〜し、長崎の路面電車ではそうはいかない、大きくカーブする箇所も少なくないので、座席に座れなかった人は、絶対に吊り革は持つよーに、お願い致しマス。
なお、現在はこの“揺れ”を解消するために車両の新造や改良が行われている。

3.運転士さんが持ってるお得な記念乗車券


長崎観光の便利アイテム「1日乗車券」
これは、500円でこの乗車券を購入すると1日何回でも乗れるという人気の乗車券。
「5回以上乗ってあちこち観光したい!」という人に打ってつけのこの乗車券、だけど「5回は乗らないかも?」という人もいるよね。


そんな人におすすめしたいのが300円の「記念乗車券」
これは100円の乗車券が3枚綴りになっているもので、料金的にはお得感はないのだけれど、長崎の観光名所などの写真が一緒になっているので旅行の記念の品になる。



また、使用期限がないからもし残ったとしても次回来た時に使用することができるのだ。
1日乗車券はあらかじめ購入しないといけない不便さがあるのに対して、記念乗車券は運転士さんが持っているという手軽さもいいでしょ?


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