長崎の大通りをスイスイと走る路面電車。
長崎を旅したことがある人は、この町中を電車が通る風景が
心に残っている人も多いのではないかな?
 今回のナガジンではこの路面電車を横から裏から多面的に調査!
一番時間に正確な電車の“使える”情報満載でお届けしマス!

ズバリ!今回のテーマは
「長崎の足、路面電車を知って!使って!欲張り観光」なのだ


路面電車に関する問合せ / 長崎電気軌道株式会社 TEL095-845-4111
     http://www.naga-den.com




●100円電車ですぐに使える2つの大事な決めフレーズ

長崎ではJRのことをJR、もしくはいまだに“汽車”なんて言う人がいる。
それはどうしてか? というと、やはり“電車”といえば路面電車というふうに決まりきっているからだ。
長崎における電車の存在感は揺るぎないもので、100円電車はいつの時代も子どもからお年寄りまで優しい交通機関として愛され続けているのだ。
まずは、そんな愛すべき“電車”の中でよく使う決めゼリフならぬ「決めフレーズ」を紹介しよう。
マスターしておくときっと役に立つよ。

1.「これなーんだ?」粉薬の袋のような両替袋が欲しい時の一言


財布を開けて気付く。「100円がな〜い」。
そんな時には運転席へ近づき「両替お願いします!」と申し出る。
すると、こ〜んな薬の袋(のようなもの)が手渡される。
一つの袋の中味は100円玉が5枚入った500円のものと、子ども用に10円玉が5枚と50円玉が1枚入った100円のものとがある。
1000円を両替えする時には500円玉と100円玉が5枚入った袋が返ってくるという訳だ。

●決めフレーズ1「両替お願いします!」
発声タイミング / いつでもどこででもOKだけど、運転士さんは運転に集中してるので、
         できるだけ信号待ちなど停車してる時にね。


2.貰わなければ損をする…のりつぎ券が欲しい時の一言


グラバー園観光を終え、次は平和公園に行きたいなっていう時、何号系統の何行きに乗るか?
観光客には難問中の難問だけど、これだけは覚えておこう。
それは“ひとまず来た電車に乗って築町まで行き、のりつぎ券を貰って赤迫行きにのりつぐ”ってこと。
石橋から赤迫に行く時などのルート変更時に貰うこののりつぎ券を発券しているのは築町電停だけ。
お間違いないよーに。
貰わないと、また100円かかりますよ。

●決めフレーズ2「のりつぎ券下さい!」
発声タイミング / 築町電停に停車して降りる際に一言。
         運賃箱に100円を投入しながら……が正しいタイミング。


●時代に沿ったニーズあり 路面電車の今昔に迫れ!

長崎の路面電車は、何故今の時代にどこまで行っても100円なのか?
ありがたいことだけど、疑問に思う人も多いだろう。
実は長崎のこれらの電車、自社で製造しているものが大半だけど他県で走らなくなった電車を譲り受けたものも多くあるのだ。
それと、企画電車や広告電車などの広告収入。
車内吊りポスターやCMスポット、そしてボディを彩る全面広告などなどから収益をあげ、お客さんには大人100円、子ども50円をキープしているのだ。
市民に親しまれる由縁は100円にあり。
されど他にも路面電車の魅力はまだまだあるよ。

 



1.原爆被害に大きく貢献した路面電車




長崎に路面電車が開通したのは大正4年、築町〜病院下間の区間。
翌年に千馬町(現在の出島町)〜大浦間、大浦〜出雲町(現在の石橋)へと次々に路線が拡大されていった。
営業開始当時の運賃は一区間一銭。
米10kgで1円78銭、映画入場料15銭だった時代だから、庶民にとっては高級な交通手段だったが、当時は人力車が走っていた時代、新しい市民の足として路面電車は急速に浸透していったそうだ。


しかし、昭和19年の大橋車庫の火災、翌年昭和20年の原子爆弾投下で壊滅的な被害を受けた路面電車は長期運休を余儀なくされてしまう。
しか〜し、市民のためにも一刻も早い復旧をと、わずか3ヶ月半後に運転を再開。
驚異的なこの早期復旧によって長崎の復興に大いに貢献した。
昭和59年から現在まで、全区間100円均一という日本一安い運賃を続けている。



2.季節で登場する風物詩的電車をご紹介!



〈ランタン電飾花電車〉


〈ランタン電飾花電車〉


長崎の冬を彩るランタンフェスティバル恒例のランタン電飾花電車にはじまり(中国の旧正月で行われるため毎年日程が変動する・開催期間は15日間)、お釈迦さまの誕生日である4月8日前後を走る花まつり花電車、また夏場に風景を眺めながらのビール電車(時期に変動)などが主な変わり種電車。
花電車は眺めるだけだけど、ビール電車は実際に乗って景色を眺めながら飲食できると毎年好評。



〈花まつり花電車〉


〈ビール電車〉


〈ビール電車〉


今年の運行はまだ未定だが、例年お弁当付きで飲み放題2500円だ。
約2週間前から予約を受け付け満席になりしだい締め切るので、情報は長崎電気軌道のホームページで確認してみよう。
ほかに、片道7700円で区間を自由に設定できる貸し切り電車もあって、最近では結婚式の2次会での利用があったとか(定員77名)。
いろんな利用法があるのだ!


3.年に数回!レトロ電車が走る日




明治44年製造、160形旧西鉄電車は、現在レトロ電車と呼ばれ“特別な日”のみ運行している。
毎年6月10日の路面電車の日ほか、10月14日の鉄道の日11月16日の電車開通記念日などなど。
また、本社がある浦上車庫前に併設された配車室で電車の運行状況をみて、遅れが大きい場合には、他都市で走っていた昭和30年代製造の電車が配車されることもしばしば。
運良くこれらの電車に乗り合わせた人には幸運が訪れるかも?


4.ボディに記された数字に注目!


路面電車にもナンバーがあることにお気づきかな?
このボディの正面と側面に記された数字は、実は電車の形や年代を示す「車号」なのだ。
必ずしも数字が小さい程古いという訳ではないが、ある程度年代をおっている。
現在一番新しい形式は1800形の車体。
全面広告になっているこの電車にあなたは果たして出会うことができるかな?



5.クリーム色と緑のコンビが最も人気の自社カラー


走る広告塔とも呼ばれる長崎の路面電車のボディは実に様々。
既製の車体に文字を書いたり、看板をつけただけの広告電車も多いが、最近では全面が商品や会社そのものの広告になっているというものが多い傾向にある。
目新しいし、面白いのでこれら広告電車ももちろん人気が高いが、その人気を押さえて長年、長崎の路面電車の象徴として堂々と走り続けているのが、このクリーム色と緑のコンビカラー電車だ。



これは、長崎電気軌道の自社カラー。
長崎の街並みにマッチしてるからかな?


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