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令和5年度第2回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

更新日:2024年3月11日 ページID:041810

長崎市の附属機関(会議録のページ)

担当所属名

文化観光部 世界遺産室

会議名

令和5年度第2回 長崎市外海の石積集落景観整備活用委員会

日時

令和5年11月22日(水曜日) 10時30分~

場所

出津地区ふれあいセンター 講堂(長崎市西出津町2794-1)

議題

⑴ 令和5年度補助事業について
ア 大野神社排水対策整備及び石垣修復工事
イ 出津教会漏水修理工事
⑵ 令和6年度補助事業について
ア f家のネリベイ建物保存活用事業
イ 大野神社修復工事
ウ 辻神社枯木伐採
⑶ h家のネリベイ建物の活用について

審議結果

議題1 令和5年度補助事業について
ア 大野神社排水対策整備及び石垣修復工事
今年度予定している大野神社排水対策整備及び石垣修復工事について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。

【事務局】
当初は、1.表面水対策のための排水路舗装整備、社殿回りのコンクリート舗装整備、2.地下水対策のための暗渠排水整備、3.石垣修復整備を計画していたが、11月21日の文化庁調査官現地調査及び11月22日の整備活用委員会の現地調査での指摘等を考慮し、今年度は2.暗渠排水整備、3.石垣修復整備のみとする。
1.の整備については、2.の整備による排水状況を踏まえ、整備内容の有効性や景観への配慮について再検討を行う。
今後境内で整備を検討している事項については、所有者と協議して計画として整理する。

【委員等】
意見等なし。

議題1 令和5年度補助事業について
イ 出津教会漏水修理工事
今年度予定している出津教会漏水修理工事について、長崎市文化財課より配布資料に基づいて説明を行った。

【委員】
資料2のページ7、2.の写真に見えるようにマリア像を固定しているフックの根元の部分が悪さをしている可能性はないか。

【長崎市文化財課】
点検口が250mm角くらいしかなく、頭しか出せないような状況であるため、フックを固定している底の部分と上部の部分を目視確認できていない。状況を確認して、場所が悪いようであれば、水がかからないような場所に移動することも検討している。ただ、重要文化財なので、建造物修理の担当と協議しながら方法を決めていこうと思っている。

議題2 令和6年度補助事業について
ア f家のネリベイ建物保存活用事業
来年度予定しているf家のネリベイ建物保存活用事業について、所有者からの委託を受けている所有者から委託を受けた業者より配布資料に基づいて説明を行った。

【委員等】
意見等なし。

議題2 令和6年度補助事業について
イ 大野神社修復工事
来年度予定している大野神社修復工事について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。

【委員】
天井板を交換する予定とのことだが、もともとの天井板はどうするつもりか。

【事務局】
交換後の既存の天井板の活用については、まだ話が及んでいない。今後所有者と協議しながら検討していく。

【委員】
j家のネリベイ建物の補修工事の際は、垂木等に防蟻塗装をしたいと相談をしたら、補助対象外と言われたと所有者から聞いている。防蟻塗装については、今回補助金がでるのか。

【事務局】
防蟻塗装については、保存のために必要なものなので、今回は補助の対象として認めていただければと思っている。j家について補助の対象とならなかったのは、元々の計画(仕様書)に含まれていなかったことによるものと思う。

【文化庁】
所有者の方々が必要だと考える工事については、専門家ではないので限界がある。長崎市としても単に所有者の要望を受けるだけではなく、本来必要な工事は何なのかというのを専門の先生方の力を借りて明らかにしたうえで、計画的に進めていってもらえればと思う。
大野神社は建物だけではなく、境内全体で様々な修理のニーズがあるように見受けたので、改めてこの工事だけで十分なのか、先生方の指導を受けながら、境内全体がどうあるべきかを検討していただきたい。

議題2 令和6年度補助事業について
ウ 辻神社枯木伐採
来年度予定している辻神社枯木伐採について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。

【文化庁】
昨日の現地調査で伝えたことについて補足する。辻神社は山の神を祀っている場所ということなので、建物も大事かもしれないが、山自体が大事なものとされてきたのではないか。今回大木の伐採のために、相当な数の樹木を切って、大木を倒したときに周りに飛び散らないようにする方法を検討しているとのことだが、本当にこの方法しかないのか再度検討いただきたい。
周辺の樹木を切る必要があるのであれば、樹木の専門家にも意見を仰ぎつつ、山が回復する過程についても計画に織り込んでいただきたい。
また、切った樹木を境内地に置いておく計画としているが、果たしてそれが森にとっていいものなのか、運び出して処分した方がいいのかについても、専門家の助言を仰いで、適切な方法で進めていってもらいたい。

【委員】
世界遺産の構成要素となっているが、辻神社はどういう位置を占めているのか。

【長崎県学芸文化課】
辻神社については、潜伏キリシタンが潜伏期に神社の氏子を装い、信仰を続けてきたという場所である。

【委員】
藪や森が潜伏期における信仰の対象となっている。辻神社の社叢がそれに類似するものであれば、伐採等も慎重になるべきだろうと考えている。

議題3 h家のネリベイ建物の活用について
h家のネリベイ建物の活用について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。

【委員】
まず、所有者はどう思っているのかをききたい。

【事務局】
所有者は、この建物に現在住んでおらず、別の家も持っているため、莫大な金額をかけてまで修復する気はないとのこと。もし欲しい方がいれば譲りたいと話していた。

【文化庁】
昨日現地を見たが、早くどうするか決めないと毀損も進んでしまうし、選択肢も狭まってしまう。来年度改訂予定の整備計画の中で位置づけるとしているが、その場合令和7年度でないと事業が始まらないということになってしまい、それだと遅すぎる。整備計画には後から位置付ければいいので、早急に対応策を検討していただきたい。
市として、どのようにしていくか方針を決めてもらう必要がある。7月にも11月にも言われている記録(測量)については、早く実施しないと、建物から得られる情報がどんどん失われていく。
そもそも今後こういうことが無いようにしていただきたい。重要な構成要素の状態について、年に1回所有者に聞き取りをしているとのことだが、市としても年1回くらいは現地を確認していただきたい。そのうえで、急速に毀損が進みそうな要素については、環境を整えていただくように所有者に働きかけて、毀損を防ぐ対策を取っていただくべきだと考える。このような観点からもモニタリングを継続していただければと思っている。
今回、無住であるため、毀損の把握も遅れてしまったと思う。要素がどのような状況にあるのか(現在使用されているか等)も把握していただき、このようなことが起きないうちに、所有者が手が付けられなくならないうちに、補助制度や修復方針等について市から提案していただくようお願いする。

【委員】
委員会としては、文化庁調査官が言われたことに早急にとりかかるように、事務局に対して要望する。具体的な方法等については、文化庁調査官に相談していただきたい。

報告1 大平作業場跡整備について
今年度整備完了予定の大平作業場跡について、所有者から委託を受けた業者より配布資料に基づいて説明を行った。

報告2 出津教会堂来訪者用駐車場整備について
今年度工事が完了した出津教会堂来訪者用駐車場整備について、事務局より配布資料に基づいて説明を行った。

【委員】
駐車場整備とトイレの新設については、長年の要望事項だった。今回整備をしていただいたことに感謝している。教会自体の老朽化も進んでいるため、今後教会側から様々な相談をさせていただくかもしれない。

その他

【委員】
前回の委員会で報告した野中墓地のイノシシ対策について、11月20日に墓地周辺をフェンスで囲うことができた。他の委員から報告のあった野道共同墓地については、どうなっているのか。
「ド・ロさまと歩くミュージアム」の中に、ド・ロ神父ゆかりの道がある。この道から変岳までの間に佐賀藩と大村藩の境界があり、変岳の頂上まで20mおきに境界を示す塚がある。これも観光資源になると思うので、ぜひ活用してもらいたい。
井戸の中に大村藩と佐賀藩の傍示石が3つか4つある。これをこのままおいておくべきなのか、表に出して観光客に見せるべきなのか、そのあたりも議題として取り上げてもらえれば面白いのではないか。

【委員】
前回の委員会の中で報告した野道共同墓地のイノシシ被害については、出津教会役員会や墓地委員会等で検討しているが、全体的な被害がひどく、範囲的に広いということもあり、作業等に関する結論は出ていない。世界遺産室にも相談しながら検討している。今後も墓地委員会とも相談しながら対策を検討していく。

【事務局】
イノシシ防止用の柵については、すでに提案している。今後も協議を続けながら、対策について検討していく。

委員会総括

【文化庁】
様々な課題を地域の魅力を生かして解決していこうというようなアイディアを積極的に出していただき感謝する。また、大平作業場跡を中心とするプロジェクトについては、橋口家のネリベイ建物と共に今年度完成するということで、今回現場を見させていただいた。重要文化的景観の整備もそうだが、文化財整備の新しい工法や、文化庁が掲げる「活用」の非常に新しい事例を作っていただき、大変感謝している。
今後もこれにとどまらず、この発想を地域に広げるという構想だと受け止めている。市の方で整備計画を新たにするという計画がある中で、様々な課題を解決するための取り組みを文化庁としても支えていければと思っている。

【委員】
事務局の方から本日の委員会を経て、変更になった点や新たに追加された点、文化庁から指導いただいた点について、本日リモートで参加の委員、欠席の委員に、事務局から報告していただくようお願いする。

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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