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令和4年度第2回 長崎市経済活性化審議会

更新日:2023年5月15日 ページID:040429

長崎市の附属機関について(会議録のページ)

担当所属名

商工部 産業雇用政策課

会議名

令和4年度第2回 長崎市経済活性化審議会

日時

令和5年3月22日(水曜日) 15時00分~17時00分

場所

市役所5階 議会第3委員会室

課題

・ 第五次長崎市経済成長戦略に係る令和4年度の取組について
・ 令和5年度の取組について
・ その他

審議結果

〔開会〕 

事務局報告
※長崎市経済活性化審議会規則第5条第2項の規定により、会議の開催には委員の半数以上の出席が必要であるが、半数以上が出席しているため、審議会が成立していることを報告(出席委員は15名中13名)
※今回の会議に傍聴者が2人いることを報告
※新任委員の紹介
事務局から今年度の委員改選における新任委員の紹介を行った。
※長崎市経済活性化審議会の開催予定と会議内容について
事務局から当審議会の開催予定と会議内容について、資料に基づき説明を行った。 

1 第五次長崎市経済成長戦略に係る令和4年度の取組及び令和5年度の取組について
⑴ 事務局からの説明
事務局から資料に基づき説明を行った。
⑵ 質疑等

【会長】
まず、重点施策1に関わる課題認識、課題解決策などについて、ご質問、ご意見等を伺っていきたい。
行政が先行的に取り組んできた重点施策1に関わる分野で、これまで積極的な事業展開をされてきているNAIGAI CREW関係の艶島委員と、スタートアップ企業代表者の北村委員の方からそれぞれの視点に基づいて、意見をいただきたい。 

【委員】
オープンイノベーションによる新事業創出というプログラムのNAIGAI CREWというものがあるので、その取組についてと、十八親和銀行のスタートアッププログラムについてお話したい。
オープンイノベーション型の新事業創出の支援体制としてNAIGAI CREWというものがある。オープンイノベーションというものは自社だけでなく大学、自治体、民間などの業種分野が連携して、ノウハウや知識を利用しながら、地域の活性化、地域課題の解決をしていこうというものである。
NAIGAI CREWは、十八親和銀行が音頭をとってやっているものでもなく、自然発生的に集まった団体であって、組織化もしていない。
2020年頃から、長崎市からも提案いただいて、「長崎の課題って何だろう」というところからスタートとしたと記憶している。
課題の一つとして、長崎は海に面していて魚が豊富で魚がおいしいが、魚を食べさせてくれるところがないなどいろいろとある中で、一番最初に行ったのが「おさかなサブスク」というもので、to C、サブスクリプションという形で、伊藤忠テクノロジーの冷凍技術を活用して、一般のお客様に刺身状態で販売できないかということで、東京五反田の伊藤忠のコワーキングに集まっている皆さんと長崎市の方たちとそのような水産業の課題を解決する手段がないかということで、NAIGAI CREWが発足した。いろんなブランドの魚を作ったり、それをどうやって売っていくか、物流をどうするかっていう中で進めていくと、GOOGLEなどこの活動に参画したいという企業もあり、そのような企業に参画いただいて魚を売っているという状況だ。
売上はさほどなく、それほどの利益まで結びついていないが、我々が県や市と一緒にやっているのは、こういったことで新しい事業を作っていくという機運醸成を図っていくことで、それが今大事だ。
それと、重点施策3のヘルスケアについても、このメンバーでアイデアソンのイベントを開催し、その場で意見しながら、長崎には長崎大学やBLS-4があるので、それとどういった結びつきをすることによって長崎に新しい産業ができるかということを行っている。
また、スタートアップの大枠をお話ししたい。昨今、スタートアップがクローズアップされているが、確か昨年の6月に閣議決定されて、政府の骨太の改革の中の重点政策の4重点投資分野の一つにスタートアップが加わったと思う。その中でスタートアップ5ヶ年計画で1,000億円の予算がついて、国自体はスタートアップを増やそうといった流れがあると思う。
スタートアップとは、もちろん起業のことだが、今までになかったような新しいアイディアで新しい価値を作り、その中でも短期的に急成長するものだと言われている。身近なところではLINEやAmazonでショッピングするなど、そういった人の行動が変わっていくようなことで短期的に急成長させていくっていうのが必要だと考える。なぜならば、自論で申し訳ないが、私が銀行に入行した37年前の時価総額ランキングトップ10は日本の企業が大半をしめていたが、令和では全く入っていない。アップルなどが台頭してきて、日本が非常に遅れているので、急成長していかないと日本の経済が追いついていかないという背景があるのかと思う。
我々も国をあげて応援しているスタートアップの伴走支援を行っているところで、県内のスタートアッププログラムをご紹介したい。
まず、「startupweekend」だが、54時間かけてみんなで集まってアイディアを作っていこうと、本当のスタートの考えをやっていくというプログラムを年に一、二回やっている。
また、東彼杵町からもご依頼いただいてビジネスプランコンテストをやっている。長崎総合科学大学では独自で学生ビジネスコンテストをやっており、審査などをやっている。商業高校もビジネスアイディアコンテストというものがあるが、なぜやっているのかというと、今、国を挙げて小中高において探求の授業が制度化され、高校では必須科目になっている。いわゆる詰め込み型で教えてもらう教育ではなく、自らが地域課題や社会課題、ビジネスアイディアを考えようというのが科目になっている。そういったものが学校ではなかなか進んでいないので、我々が授業を受け持ってやっている。
また、佐世保市でもstart up 99を行った。
NFECというのは、長崎大学のアントレプレナーシップで実践プログラムとしてアイディアコンテストを行っている。
学生ビジネスプランコンテストは、メンタリングなどを行いながら予選を勝ち抜いて九州大会や全国大会に結びつけている。
スタートアップコンパスは、長崎市と一緒に伴走支援を行っているもので、長崎における啓蒙活動を増進させるため、ワークショップやセミナーを行うことと、月1回ぐらいメンタリングという形でスタートアップを目指す方のアイディアを鍛えることを行っており、昨日が発表会だった。
知事からの依頼で今年から始まったミライ企業NAGASAKIは、スタートアップでチャレンジする部分とスタートアップでベンチャーキャピタルと繋げて投資の受け入れにつなげるということを行っている。
X-techinnoversionは、グループの中で全国の地銀と連携しながらやっている。
新事業創出アクセラプログラムは、今年は4社を対象に、変わっていくこの時代で今までの既存の事業だとなかなか成長が見込めない中、新しい事業を作るために、全国に1万8,000社ほどあるスタートアップ企業と自社のリソースをマッチングさせことを行っている。
以上のとおり、スタートアップや新事業創出というオープンイノベーションのお手伝いを我々銀行がさせていただいている。

【委員】
弊社では、病理AIというものをメイン事業にすべくスタートアップとして活動をしているのですが、資料に書かれている課題や現状はその通りだと思う。スタートアップとして本当に欲しいのは人材で、東京の企業とお話をすると、こういう人材が欲しいと言うと東京ならいくらでもいるじゃないかと言われてしまう。今、いろいろな大企業を誘致しているので、もっとそのようなところとも交流があるといいと思う。
スタートアップについては、先ほど委員からお話があったように、いろいろなことがされていて、SNSで情報が流れてくるので、とてもよくわかっているが、その他の補助金や助成金など、例えば市が何をしているかという情報があまり回ってこないと思っており、説明にあったような市がいろんな施策をされているなかでも、実は知らなかったものもあり、長崎市は若い人をもっと盛り上げていきたいと思っているのだと思うので、市としてもっとSNSを活用できないのか。

≪事務局≫
先ほど委員から説明いただいた内容は、長崎市と一緒に取り組んでいる部分で、十八親和銀行ではたくさんのスタートアップに向けた支援もされているという状況をご理解いただきたい。
また、市の情報の入手方法がないことについて、長崎市も市のLINEを開設して、それを通じた情報発信などを行ってはいるものの、それ自体の認知が不足していたり、子育てや福祉、イベント、そして我々が行っている経済活動の支援など、ありとあらゆる情報を発信しているので、情報が多すぎて見なくなる人も多いなど、問題も出てきた中で効果的なPR戦略をいろいろ考えながらやっている。今後は、若者が何を介して情報を入手しているのかなどを認識しながら、効果的なことはやっていきたいと思っているので、アドバイス等々あればいただきたいと考えている。

【会長】
中小企業にとって、DXなどの精神の必要性は理解されているが、それをどういうふうに具体化していったらいいかという問題を抱えているというご意見が従来からあった。その点について、本田委員、松永委員からご意見をいただきたい。 

【委員】
今、DXやデジタル化という言葉は、非常に行き渡っているが、商店街関係を含めて非常に中小零細の規模のところが圧倒的に多く、それぞれのお店や企業の効率を上げたり、利益性を高めることに繋がるということを理解しながらも、それをどうやって進めるのかということが全くおりてきてなくて、手の付けようがないという状況がある。
その前に、すでにコロナ前からあった中小企業の定番的な問題点である雇用の問題や、今、非常にクローズアップされている人材の問題などが潜在的にあったが、これがコロナによって収益性が悪化し、売り上げが上がらず、人がいなくなるといったことが顕在化していった結果だ。今、コロナがすでに峠を越して、人流が活発になって、確かにお客様の数が増えたり、売り上げが上がったりという足元は見えてきているが、それが本当に元に戻るかどうかという先は全く見えず、むしろこのままやっても元には戻らないのではないかというくらい、コロナの3年4年で、すでにあった問題がさらに深刻になっているというのが、今の中小零細の商店を含めて、圧倒的に皆さんの実感にあるのではないかと思う。
そこにもう一つ、物価高が来て、価格転嫁ができないところがたくさんある。価格転嫁ができたとしても、それは、今までの不足分がやっと取り戻せたかどうかというぐらいの水準であって、結果として、元に戻るのかと言うと戻らないというようなことがこれから先も続き、今までコロナ期にあった不安はずっとまだ継続している。
むしろこのままいくと、もうあんまり長く続けられないというようなことも含めて、中小零細の企業は、コロナ前よりもさらに逼迫した状況で、今をしのいでいるというのが現実だと思っている。
その結果として、商店街そのものの収益性も落ち、会費が減少し、構成メンバーが減っており、商店街に出店しても商店街組織には入らないところがたくさんごある。今の状況の中で、商店街あるいはそういった組織に入るメリットがないというような言葉をたくさん聞くのも現実だ。
こういった状況の中で、DX、デジタル化など本当に行き渡るのかは、中小企業の立場からするとまだよくわからない。本当にできるのかどうか、その上で資金不足であったり、人材不足であったりということが非常に大きな問題となってきているのが現状だということをご報告しておきたい。
最後につけ加えて言うならば、よく言われる人材不足について、一つは、人員が削減された後に、少し業績が回復してきて採用しようと思っても、特に物販関係や店頭に長く立つ業種などはなかなか充足されない。募集をしても以前のように来ない。感覚的には、今年に入ってから少し応募状況が改善してきたと思うが、まだ回復していない。
もう一つは、IT、DXについて、今まで紙に書いていたものをデジタル化して、データにしてそれを活用するなど、中小企業でもやれることはいっぱいあるじゃないかというような話もたくさんある。あるいは、そういった方々からのアドバイスを提供しますというお話もたくさんある。しかし、自分のところでそれをやろうとなった場合、今まで手書きでやった人が、突然、デジタル化に移った時に本当にできるのか。つまり、現場を知っている人が、DX、IT化にそのまま移行できるような考え方がないと、結果的には専門家を連れてきても現場が全くついてこないというような現実的な問題が、特に、中小企業にはあると思う。
このようなところを、個々の企業に任せるのではなく、体制的に、あるいは人材的にどうフォローしていくのかは、やはり行政の力、あるいはお金の面に関していえば金融機関の力というものが非常に必要になってくると考えられ、潜在的にある問題を解決しつつ、次の段階に進むことが果たして本当にうまくいくのかというのは、我々中小企業の立場から言うと非常に先が見えないということを報告したい。 

【委員】
今の一番の経営課題は人手不足で、観光関係でも、今は観光客がかなり来ており、宿泊施設も予約はあるが、客室が100%稼働していないという話もあり、それは人が足りないことで機会損失をしている状況にある。それも全業種に広がり、全国的に人の取り合いになっている状況だ。
最低賃金も上がり、賃上げもしないといけないし、さらに、人をどう確保するかが大事になってきている。人手不足を解消するために、どうするかというと、今の経営のあり方をもう一度見直し、その一つの手法がデジタル化だというような話をしている。小規模事業者の皆さんを含めて、デジタルを新しい価値創造や改善といったところに活用して、何とか事業継続をやっていただかないといけないと思っている。これは、全国の商工会議所も同じ課題を抱えていて、今、事例集などをどんどん作ってもらっている。この前、あるセミナーで、地元の事業者の事例発表を聞いた事業者の方が、とても話がわかりやすくて、自分たちも取り組まないといけないのかなというお話をしていた。全国の事例は少し距離感があるので、身の回りの話として聞いていただく機会をもっと作らないといけないということを課題として考えている。
また、私どももデジタル化のセミナーや啓蒙啓発になることをやっているが、事業者から相談に乗ってほしいと言われたときに、単独で相談に乗れないので、受け皿の体制を地域全体、産学官連携で作っていただくとありがたいという話をずっとしてきている。長崎県は、長崎県情報産業協会や中小企業診断士協会でそういう受け皿も作っているし、会員制のネットワーク的な組織も作られているが、そこは敷居が高いという感じがする。ので、長崎市か商工会議所が中心となった組織、受け皿があるとありがたいと思う。
一つの参考として、北九州市がDX推進プラットフォームを作っていて、それは行政と地域のベンダー企業も含めた産学官で作られており、足元からサポートする体制ができている。私どもとしては、羨ましいという思いがあるので、できればそういうものを作って、全体の底上げができるような仕組み作りが必要じゃないかなと思う。
重点施策1を見ると、全部必要な大事なことだと思うが、やはりデジタル化に関心のある企業向けの施策が多いと感じる。デジタル化が苦手だとか、二の足を踏むという企業に対する支援をもう少し手厚くしないといけない印象がある。我々も試行錯誤をしながらやっているので、どのような体制がいいのか、皆さんのご意見聞きながらやっていければいいと思う。 

【会長】
DX、デジタル化を推進し、生産性を上げることで、労働者の賃上げや労働環境の改善などに繋がらないと意味がないと思うので、実際に長崎市の企業で、賃上げや労働環境が改善されているのか、あるいは改善されてないとすればどういう問題点があるのかを労働者側の代表として石橋委員にご議論いただきたい。

【委員】
私は、この委員に連合から選出していただいており、連合は全国に組織があって、長崎では連合長崎という名称で活動しており、各企業の労働組合で構成されており、約4万7000人の組合員人数になっている。
DXにおける労働側から見た課題と解決策の観点でお話をさせていただきますと、確かにDXの進展によって、労働力不足の緩和や労働時間の削減によるワークライフバランスの推進には非常にメリットがあるとは感じてはいるが、労働者側として懸念している事項は、主に四つあると考えている。
まず、一点目は、人が担っていたことをデジタル化するということでリストラが今後進むのではないかという課題がまず一点。
二点目は、DXと単なるデジタル化が混同して、安易にシステムなどを導入したことによって、逆に労働者側の手間が増え、ストレスを感じることで、作業効率の低下を招くというところが2点目に挙げられると思う。
三点目は、パソコンやインターネットを使える人と使えない人の格差や待遇の差、機械の差ということがあげられる。
四点目は、導入にはコストがかかるので、デジタル化・DXをできるその企業の体力によって、デジタル格差が進んでいくという、四つが考えられる。
それを解決していくには、まず、雇用の関係について、DXによって得られた利益を原資にして、賃金の底上げや労働条件の改善、人への投資を行って欲しいということ。
二点目は、法律関係について、公正に移行していくためには、やはりデジタル・DX関係の教育面をそれぞれの企業に任せているだけでは格差が生まれるので、情報を扱う能力を身につけるための教育の機会が足りていないと思っている。また、デジタルコストによる格差については、企業任せではなく、設備投資への支援などに取り組んでいかなければならないし、市からの支援等ないといけない。既に働いている人の学び直しについても企業の体力だけでは難しいと考える。
私は、日本通運で働いているが、トラックドライバーとパソコンで事務をしている事務系と大きく二つの区分に分かれ、事務系はデジタル化が進んでも慣れてやっているが、トラックドライバーに関しては、今までは紙で様々なことを申請していたものを、やり方を見て、自分のスマホで申請してくれということを案内しても、今働いている人は高齢でわからないため、事務系の人に代わりにやってもらって、事務系の人のかかる手間が増加しているという事象も生まれている。やはり、全員で取り組む意識の改革も必要であり、教育の機会が必要になってくると考えている。

【会長】
会長としては、当面の課題、あるいは取組方針に関して、リカレント教育のプログラムの在り方を産学官金言でのプラットフォームの中で問題を解決していくという仕組み作りがすべての重点施策において必要だと考えている。 

【副会長】
私自身が問題意識の根底に持っているのは、コロナ禍からの回復はマクロ的に見たらそれは非常に好ましい動きということになるが、個別事業者のレベルで考えた場合には、むしろ格差が広がって、苦しい状況の企業が出てくるということ。人手を確保できる企業とできない企業、これから増えていく需要を取り込めるようなビジネスモデルを作った企業と作れなかった企業で、全体のパイが増える局面ではむしろ格差が広がってしまうという厳しい状況がこれから強まっていくだろうと思っている。
そういう状況に対して行政は、コロナ禍の際と同じように、助成金のような形で厳しい企業の収益をサポートするという形での施策をさらに続けていくことは、長い目で見た地域の活力のようなことを考えると適切ではないと思う。
そこで、地域で価値ある商品やサービスを提供している企業がこぼれ落ちていってしまわないようにどうするのかという話となる。企業によってバラバラな課題を抱えている中で、デジタルやDXというのが「錦の御旗」のように全ての解決策になるということはない。あくまで個々に抱えている個別の経営課題にきちんと寄り添って個別に対応策を考えることが必要で、その対応策の一つが、もしかしたらデジタルかもしれないし、それ以外かもしれないと考えるべき。デジタル化というのは、目的ではなく手段であるという基本的なところに立ち返って物事を考えていく必要があるというのが、委員の皆さんの発言を伺った感想だ。そういった意味では、成長戦略の中でも、DXさえ進めれば、地域が元気になるというような前提で考えない方が良いのではないかと思う。
また、成長戦略は、先端人材や先端企業の育成といったところにフォーカスがあたる感じがするが、ポストコロナで問われるのは、大多数の中堅・中小・零細企業の普通の社員のデジタルへの対応力を地域としてどれだけ高められるかということが本丸ではないかと感じている。
私も高齢の親からパソコンの操作がわからないと電話がかかってくることがある。成長戦略には、学び直し、リカレント教育も含まれるが、企業におけるデジタル化もこのようなレベルから始まると思っている。手間はかかるが、こういったことに丁寧に対応していくことが地域全体の底上げになると思うし、そういう構えがあることが、安心してこれからの事業を進める空気を作っていくということもあると思う。構えの作り方にはいろいろあると思うが、今後、困っていくのは、おそらく中堅・中小・零細企業であり、そこで働かれている一般の方々であるということを前提に、産官学連携や行政として何ができるのかということを成長戦略のど真ん中に持ってきてもいいのかなという印象を受けた。 

【委員】
DXに関して、昨年11月議会で、内閣府が進めている女性デジタル人材育成プランを導入して人材を作っていく必要があるのではないかという趣旨の一般質問をしたが、今、企業が抱えている問題もそれに通じると痛感した。
要は、できる人がいない、少ない、のであれば、時間がかかっても育てていくことをやっていかないといけないし、行政ができるのは、DX推進プラットフォームのような相談体制を作っていくための仕組み、リカレント教育の手助けなどじゃないかと思う。私が一般質問した時の答弁は、実施されている県の事業を補っていくものを行うとのことだったが、今、現状での考えを聞きたい。

≪事務局≫
県の事業でデジタル人材育成のプログラムがあり、参加状況が高いようであれば、長崎市もそういう取組みが必要なのかなと思うが、まだ枠に余裕がある状況のようだ。
また、時間が経てば経つほど、そういうニーズが高まるかもしれないので、状況を注視しながら、長崎市ができることがあるのかをしっかりとリサーチ等をしながら、事業展開は考えていくべきだと思っている。
ただ、短時間で働けるような環境や副業などといった部分は、企業自体が働き方改革を推進してそういった雇用をできる体制を作っていかないと、人材が育ったとしても、働き口がないという状況にもなってくるので、我々としては、働き方改革の推進も同時に進めている。
働き方改革の取組みを進めながら、そのバランスの中で、うまくマッチングができるような環境を作りたいと考えている。

【委員】
既に働いている人材のリカレント教育の重要性も感じたので、これも含めてご検討いただきたい。

【委員】
重点施策1の情報・環境関連分野について、国がDXを推進することに伴って、地方も国の方針に沿って取り組んでいるが、人材はいるのかということを1年前から言っている。
今、県内の大学、高校で情報関連の勉強をしている若者をどう取り込んで、県内・市内で採用していくか、専門分野の人材育成として大学で学んだ人をいかに採用していくかについて、行政が先陣を切って採用し、それから、民間にどうつなげていくかが大事だと思う。
長崎市がやろうとしているのは、キャッシュレスで税金が納められるシステムを作ろうとしているが、例えば、商店街、観光業界、製造業含めて現場の声を聞けば、作業効率が上がることで働く人が楽になることが重要で、生産性が上がって儲かった分を働く人に賃金として返すというシステムは大事だと思う。
DXは、いろんな情報はあるけども、国の方向性に沿って、国、県、市、そして関係団体で、何が現場で一番効果があるかということをキャッチして、それを皆さんに伝えていくのが行政の役割だと思う。
また、DXには相当な予算を必要とし、各分野で末端の民間事業者で行うときには、当然お金がいるので、設備投資の助成金、交付金を国も考えないといけないし、支援金があってしかるべき中身だと思うので、6月の補正予算のとき計上を考えてもらいたい。
この会議の中で頭に残ったのが、地元のDX・デジタル化の事例を紹介するということだった。長崎市だけでは非常に難しいので、特に国、県、関係団体と連携して、活性化や成長に繋がり、働く人が楽になって効率が上がるようなシステムにしっかり取り組んだほうがいいと思う。

【委員】
今後のこの審議会のスケジュールを見るとそんなに回数はなく、第五次経済成長戦略は令和7年度で見通しを立てるというための戦略だと思っているので、もう少し即効性のある話をやっておかないといけない。DXは時間もかかるし、教育の話を含めると、まだ即効性という意味では効果が少ないと思っている。
企業誘致の話は、重点政策に入っているが、大島造船の500人の雇用という話があり、地場企業の製造業で500人プラスアルファというのは大きい数字だ。また、誘致された会社で、4月入社の人を25人採用したと聞いた。企業誘致もどこまで行政がフォローしているがわからないが、誘致した後、どれくらいの雇用が生まれているかということも、毎年毎年、どういう予想を立てているのか。それは即効性がある話だ。
特に、私は、人口減少を含めた今の長崎がおかれている経済の減少をかなり危機的だと思っており、この第五次経済成長戦略を作った時もそうだが、その危機感が伝わってくるような議論をしなければいけない。一般的な議論はわかるが、長崎の特殊な議論を深めていく必要があり、そこを議論するのがこの会議の目的ではないかと思っている。

≪事務局≫
企業誘致では、田上市長が就任した平成19年からこれまで約5,500人、年間で約340人の雇用を生んでいるという現状だ。
私がやるべきことは、端的に言えば、「雇用の創出」と「所得の向上」の二つだと思っている。即効性のある部分として、雇用の創出に取り組む中の一つの柱が企業誘致であろうと考えている。それが、もう一つの地場企業の皆様の所得の向上ということに繋がっていくので、どちらかに重点を置くというより、両方取り組んでいかないといけないと思っている。今後も、引き続き、県や産業振興財団などと連携しながら取り組んでいきたいと考えている。
また、企業誘致の今の状況としては、オフィス系の企業が多かったが、先日、田中町の企業立地用地を二区画分譲して、一つは地場の運輸業で、もう一つは、関西の蓄電池の製造装置を作る企業、いわゆる製造業に入ってきていただくことになるので、そこでも一定の雇用が生まれると考えている。

【委員】
既存の地場の大企業の動向について、5年前にサミットをやっていた時は、基幹製造業の説明会を毎年行って、現状把握をやらせていただいたつもりだが、今はそういうものはないので、私自身も全体感があまりわからないところある。当然、商工部では把握しているということは理解しているが、既存の企業の現状に接する機会がないので、そういうところも含めて、どういう課題があってどういうふうに解決していけばよいかを考えるべきだ。
特に、心配なのは、企業誘致を含めてだが、長崎の人口がこれだけ減ってくると地場の大企業も人材確保に苦労するはずだし、企業誘致をする時も今までは長崎は人材が豊富だということで企業誘致ができていたけれど、そういう人材も枯渇してくる可能性がある。そのあたりに力を入れていただきたい。

≪事務局≫
私自身も、企業訪問をさせていただいており、1年間で40社程度の地場企業、誘致企業の現場を回らせていただいて、個々の企業の課題は把握させていただいている。ご指摘のとおり、今からは人材確保に努めなければならず、そのためにも、今の従業員の皆さんの教育も含めて、そういったところに力を入れていかないといけないと認識をしている。

【委員】
委員の皆さんはそれぞれの立場で正しいことを言われていると思うが、みんな手段や戦術の話で、ここでは戦略の話をしないといけないと思う。
まず、市がどういう方向に市をもっていって、どういう企業を持ってこようとしているのかというのが全然見えない。資料に書かれていることはみんな戦術だ。今、セキュリティ学科ができて5年ぐらいになって、今度、学生を増やすし、長崎大学のITも増やす。そういうのを見て、IT関係の企業を誘致していると思う。また、BSL-4があって、そこが世界に9ヶ所しかない霊長類の手術ができるということは、ワクチンや医療の薬などを作れるわけで、それに医療業界も目を向けていて、医療業界の工場が入ってきている。もうすでに民間ではそういうことが起こっている。しかし、長崎市が長崎市をそういうところにするというものが全然見えない。見えないから、皆さんが戦術、戦術で話すことになり、ごちゃごちゃになったので、どうまとめていくのかと思っていた。
例えば、台湾だったら半導体で世界一になるということで力を入れている。人材も集め、そこにお金を出している。半導体をほしいから中国は狙っている。先ほど発言があったように、東京でどうされているのかではなく、長崎だったら何ができるのか、長崎しかできないものをどうやって作っていくのかということを話さないと、東京でできることばかり話しでも長崎ではできないと思うし、同じことをしてもかなわないと思う。それが全然見えない。
観光についても、カステラなどに繋がる次のブランドをどうやって作っていくか。コロナが終わったら、どんどん船も入ってくる。そしたら、その人たちがどういうものを求めていて、それに対して長崎でどういうブランドを作っていくか。そういう大きな物の見方が全然ない。
だから、攻めていくのも難しいと思う。それを見越して市長もいろいろなことをされてきたと思うが、それをどう生かすか、長崎をどういうまちで引っ張っていくのか。今までは、三菱があって造船で引っ張っていった。今度は、どうするかということを考えないといけない。私は、水素論者なので、6年前から水素を勉強している。経産省からも日本は水素でいくという情報もらっている。私は、新たな産業になると思っていろんな人と話をしている。そういうことも全然出てこない。DXが何とかっていうのはその次の段階だ。だから、市として長崎をこうしたいんだというものを出して、ここで皆さんにそれはどう思いますかという話をした方がこの審議会の意味があると思う。 

【委員】
重点施策2の海洋・ものづくり分野のながさき海洋・環境産業拠点特区ですが、現在、更新申請をしているとのことなので、この成果と課題を確認しておきたい。
それから、重点施策3の生命科学関連分野の長崎大学感染症研究出島特区の設置について、説明してほしい。

≪事務局≫
まず、ながさき海洋・環境産業拠点特区について、先日、地域の協議会が開催された。長崎県内のいわゆる海洋産業、特に、造船業を取り巻く環境は長崎市でも佐世保市などでも大きく変わってきている。状況の変化等はあるが、まず、長崎県、長崎市としては引き続き海洋・環境産業を推進していくことが必要だということで、特区について更新するような形にしている。
成果と課題については、今まで海洋産業特区については国の補助事業の優先採択や、いわゆる規制等についての認めていただくなどの部分で一定の成果が出てきている。
ただ、長崎県内の造船業等を取り巻く状況が非常に変わってきているので、各事業者からの協議の要望等は出てきていないところだが、引き続き協議等を進めていき、長崎県、市にとっても、海洋・環境産業は引き続き支援していく必要があるので特区については推進したいと考えている。

≪事務局≫
長崎大学感染症研究出島特区の設置について、長崎大学があくまでも呼称として出島特区という名前を付けた組織であり、内容は医学部や熱帯医学研究所、BSL-4などが新しい事業に取り組むときにはしっかりと連携してやっていこうということで新しい組織作りをしたもので、いわゆる国の特区とは別物だと認識いただきたい。

【委員】
医療分野については、国が関与する特区を検討した方がいいのではないか。長崎市、長崎県でどういうシステムができるのか。
ながさき海洋・環境産業拠点特区については、具体的に何が課題か、あるいは規制緩和で税金が軽減されたなど具体的なものは評価するべきだと思う。また、次年度に申請するアイテムは、例えば、先ほど話があった水素、風車のエネルギー、海洋クラスターなど、特別に国と連携をとっていくアイテムはこういうものだということを次の審議会で紹介をしてほしい。

【委員】
重点政策4の交流分野について確認をしておきたい。委員の皆さんから今、長崎が抱える課題の一つに、雇用の確保、人材の確保という話が出ている。私もそこが非常に気になるところだが、今の観光、MICEの現状は、昨年の秋口から戻りつつあり、特に顕著には修学旅行が海外から長崎への振り替えの話をいただく中で堅調に回復基調にあると言えると思う。コロナ禍の中で何が起きたかというと、観光業、特に宿泊や土産業の皆さんが、700万人を超えていた観光客数が260万人まで減少したという背景を元に、正規職員の方や契約職員の方が早期退職や転職をして、従業員を手放してきた。観光客は回復基調にあるが、雇用については元に戻っていないという状況を解消できないと、機械化云々ですぐに対応がとれるわけではないので、いわゆるKPIやKGIの目標数値まで持っていけるのか疑問である。もっと具体的に言うと、3月は退職などで飲食の動きが出てきているが、新地の中華街の皆さんも予約があっても従業員がいないために予約を受けられないという実態がある。
コロナ以前に集客は戻っても、受入環境が整わなかった場合には、目標を掲げても、本当に掲げている目標に届くのか非常に疑問になってくる。
そういった中で、重点施策4の交流分野の当面の課題に書いてあることは、これはこれで大事だが、まさに全業種のスタンダードな課題になっている雇用の確保や人材の確保等に、行政だけとは言わないし、一企業にまかしてもなかなか解決する問題ではないので、どのように向き合って、何らかの改善策を検討しないといけないと思っているので、新市長のもとでどのように展開されるのか、その具体的なものを出していかないと、まさに絵に描いた餅になるのでので、ぜひその辺の審議も含めて、今後検討の中に入れていただきたい。

【委員】
今後の施策の進め方において、企業ごと、地域ごと、業種ごとなどの特性の違いを把握した上で、こういう施策をどう現場に下ろしていくかということは、ある意味、この資料の中では、全く触れられていない。
国であればこれでいいが、長崎市が考えることであれば、もう少し地元の地域性やそれぞれの業種特性などに触れながら施策を進めていくという配慮が必要だと常々思っていた。今後進めていくにおいては、何か対応していただきたい。

≪事務局≫
最初にご説明したように、6月以降に肉付けの予算での事業を行っていくことになる。それに向けてのご意見をいただく場と認識しているので、今日いただいたご意見を踏まえて、この取組方針に何か加えた形で肉付け予算としたいと思っており、6月以降の審議会ではその報告をしたい。また、その後必要なものは、ご意見いただき、経済成長戦略を回していくというような形になると認識している。

【会長】
KPI等は俯瞰的に達成しているかを見るための指標であるが、設定した時からの経過を見て、目的がずれていたり、世界情勢などが大きく変わっていたり、長崎市を取り巻く環境が大きく変わってくると、KPI等の数値をそのままにして、維持するだけにすることは非現実的だと思うので、適宜見直すことも必要なことだと思う。見直す場合には、この審議会でしっかり審議させていただきたい。 

〔閉会〕

お問い合わせ先

総務部 行政体制整備室 

電話番号:095-829-1124

ファックス番号:095-829-1410

住所:〒850-8685 長崎市魚の町4-1(9階)

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