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更新日:2022年11月28日 ページID:039624
土木部土木企画課
令和4年度第1回 長崎市都市交通審議会
令和4年9月29日(木曜日)10時00分~
長崎県農協会館701・702会議室
長崎市附置義務条例の見直しについて
(事務局)
定刻となりましたので、ただいまから、「令和4年度 第1回 長崎市都市交通審議会」を開催します。
私は事務局を務めさせていただいております、土木企画課企画係長の玉川でございます。
どうぞよろしくお願いします。
委員の皆様におかれましては、大変ご多忙の中、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
(事務局)
まず初めに、土木部長の松浦より、皆様にご挨拶を申し上げます。
松浦部長よろしくお願いします。
(事務局)
長崎市土木部長の松浦でございます。
本日は、大変お忙しい中、委員の皆様におかれましては、当審議会にご出席を賜り、誠にありがとうございます。
また、日頃より、本市の道路交通行政につきましては、格別の御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この都市交通審議会は、都市交通体系に関する重要事項の調査・審議を目的とした本市の附属機関で、任期を2年間とし、委員の委嘱をさせていただいております。
この度、令和4年1月にその任期が満了し、改めまして、委員御就任の御依頼をさせていただきましたところ、大変御多忙の中、御承諾をいただきましたことを重ねて御礼申し上げます。
本日は「長崎市建築物における駐車施設の附置及び管理に関する条例」、いわゆる「附置義務条例」の改正の素案についてご審議をお願いするものでございます。
限られた時間ではございますが、本日は、委員の皆様からの忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。
(事務局)
続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
土木企画課長の「谷口」でございます。
土木企画課の「坂本」でございます。
土木企画課の「玉村」でございます。
事務局の紹介は以上でございます。
(事務局)
続きまして、辞令交付でございますが、本来でございましたら、土木部長より辞令書を交付させていただくところですが、新型コロナウイルス感染症拡大対策に当たり、会議時間を短縮するため、省略いたします。
また、委員の紹介については、出席者名簿をご参照いただきたいので、あらかじめご了承願います。
(事務局)
今回、初めて本審議会にご就任いただく委員もいらっしゃいますので、都市交通審議会の概要について簡単にご説明させていただきます。
本審議会は都市交通体系に関する重要事項の調査審議を行うことを目的としており、昭和49年9月10日に設置され48年間続いている審議会です。
これまでに「幹線道路の整備や交通対策」、「公共交通施策」「長期未着手都市計画道路の見直し」など様々な審議を行っております。
昨年は「長崎市駐車場整備計画の改訂」について2回審議した結果、11月に皆様からの意見も反映した「駐車場整備計画」が改訂されました。この場をお借りしお礼申し上げます。
以上が審議会の概要ですが、お配りしている参考資料の中にも記載がありますので、後ほどご参照下さい。
(事務局)
続きまして、会長及び副会長の選出を行います。
この度の改選により、現在、会長・副会長が不在となっており、審議会規則第4条第2項の規定により、会長及び副会長の選出は、委員の互選となっております。
それでは、まず、会長を選出したいと思いますが、どなたかご推薦いただける方はいらっしゃいませんでしょうか。
(委員)
会長には、土木や都市計画に精通し、学術的・専門的な知識経験をお持ちである、長崎大学の吉田委員にお願いしてみてはいかがでしょうか。
(事務局)
ただ今、委員から、会長に、吉田委員の推薦がありましたが、皆様いかがでしょうか。
(異議なし)
ご異議がないようですので、吉田委員に会長をお願いしたいと思います。
吉田委員、よろしいでしょうか。
(承諾)
次に、副会長の選出に移りますが、どなたかご推薦はありませんでしょうか。
(会長)
副会長には、日頃より物資の輸送という立場から都市交通に深く関わっており、また、市内の主要幹線道路の要望活動にも参加をされている、井石委員をご推薦したいと思いますがいかがでしょうか。
(事務局)
ただいま、吉田会長より井石委員をご推薦する発言がございましたが、皆様いかがでしょうか。
(異議なし)
ご異議がないようですので、副会長は、井石委員にお願いしたいと思います。
・井石委員、よろしいでしょうか
(承諾)
「長崎市建築物における駐車施設の附置及び管理に関する条例(附置義務条例)」の改正(素案)について
(事務局)
それでは、議事に入ります。これから先の進行は吉田会長にお願いします。
(会長)
皆様こんにちは。
会長を務めることとなりました、長崎大学の吉田です。
皆様方からの忌憚のないご意見をよろしくお願いいたします。
まず初めに、本日の会議の成立について、事務局より報告をお願いします。
(事務局)
本日の会議の成立についてご報告いたします。
本日、出席いただきました委員の皆様は19名中15名であり、委員の半数以上の出席となっておりますので、審議会規則第7条により、会議が成立していることをご報告いたします。
(会長)
本日の会議録の署名人を指名させていただきます。
鈴木委員と峯委員にお願いしたいと思いますがよろしいでしょうか。
(承諾)
ありがとうございます。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。
本日の議題は、会議次第に記載のとおり、「附置義務条例改正の素案」についてです。
それでは、事務局より説明をお願いします。
(事務局)
土木企画課の谷口でございます。
左上に「資料1」と記載したA3横の資料をご覧ください。
本日の議案は、「長崎市建築物における駐車施設の附置及び管理に関する条例の改正(素案)」についてですが、本条例の改正の契機となる、昨年11月に改訂した「長崎市駐車場整備計画」の内容を簡潔にまとめた概要版でございます。
こちらの資料は、昨年6月と10月に開催した本審議会でご審議いただき策定したものになりますが、本日は、振り返りの意味を含めまして、要点をかいつまんで、ご説明させていただきます。
それでは、1ページをご覧ください。なお、ページ番号は、右下に記載しています。
左側・中程の「計画の位置付け」ですが、この計画は、駐車場法に基づき、駐車場の整備に関するマスタープランとして策定するもので、体系図に示しますように、前計画を踏まえつつ、長崎市総合計画に即し、また、関連計画と整合を図りながら改訂を行うこととし、計画に盛り込む具体的な施策の一部については、青色の四角の中に記載していますように、「長崎市駐車場条例」や「附置義務条例」に展開していくこととしております。
その下の「計画期間」は、令和3年度から12年度までの10年間としております。
右側・上段の「前計画に基づくこれまでの取組み」ですが、平成6年度に策定した「長崎市駐車場整備計画」では、記載のとおり、4つの基本方針を掲げるとともに、目標年次である平成17年の路外駐車場の整備目標量を約8,600台と設定し、駐車場の総量確保に重点をおいた取組みを進めてきました。
下段には、「整備目標量の達成状況」として、届出路外駐車場の整備台数の推移をグラフに整理しております。
平成17年における目標量は既に達成し、その後も整備台数は増加しており、今後もその傾向は続くものと予想されます。
2ページをお開きください。
次に、「駐車場を取り巻く状況の変化」としまして、左側には、上から「人口減少と高齢化が進行していること」と、「自動車保有台数の伸びが鈍化傾向にあること」を、右側には、上から順に、「主要地点の交通量が減少していること」、「観光バスの駐車需要が増加していること」、「ネットワーク型コンパクトシティの都市づくりが進められていること」、「環境問題が顕在化・深刻化していること」、「ICTが発達していること」、最後に、「国において、これまでの『量的な駐車場施策』から『まちづくりと連携した駐車場施策』に転換する必要性が打ち出されていること」と整理しております。
3ページをお開きください。
次に、「駐車場の現状」ですが、令和2年に実施した駐車場実態調査の結果を整理しております。
左側・上段には、四輪車駐車場の需給状況を地区毎に整理しており、ほとんどの地区で駐車場の供給量は充足している結果となっています。
右側・上段には、路上駐車の車種別の割合を整理しており、平日においては、貨物車、いわゆる荷捌き車両が普通車と同様に多い結果となっています。
左側・下段には、二輪車駐車場の需給状況を地区毎に整理しており、多くの地区で供給量が不足している結果となっています。
右側・下段には、中心部と北部地区における駐車場の配置状況などを整理していますが、駐車場の整備が進み、その規模も10台未満の駐車場が増えております。
4ページをお開きください。
上段には、「駐車場に関する課題」として、これまで説明してきました、従来の駐車場整備計画における基本方針や駐車場を取り巻く状況の変化、駐車場実態調査の結果など踏まえ、右側の緑色の枠となりますが、「駐車場に関する課題」として、「1.目指すべき都市づくりとの整合」をはじめ、記載のとおり7つの課題を整理しています。
以上のことを踏まえ、下段に記載のとおり、「駐車場整備等に関する基本方針」として、これまでの「駐車場の総量確保の取組み」から「まちづくりと連携した駐車場施策への転換」という大きな方向性のもと、基本方針の1つ目として、「都市づくりと連携した駐車場施策の展開」、2つ目として、「多様な駐車需要への対応」、3つ目として、「駐車場の質の向上」を掲げております。
5ページをお開きください。
左側には、「基本方針の実現に向けた施策の展開」として、先程の3つの「基本方針」ごとに「基本施策」を設定し、この「基本施策」を受けて、具体的に検討していく「個別施策」を表に整理しております。
なお、5ページの右側から10ページには、「個別施策の概要」を、それぞれ記載しておりますが、説明の方は、割愛させていただきます。
次に、右上に「資料2」と記載したA3横の資料をご覧ください。
「長崎市建築物における駐車施設の附置及び管理に関する条例」の改正(素案)」につきまして、ご説明いたします。
なお、こちらの資料が、今回、ご審議いただきたい内容となっております。
また、これ以降につきましては、本条例を「附置義務条例」と略して説明させていただきます。
6ページをお開きください。なお、ページ番号は、右下に記載しています。
まず、始めに、現在の附置義務条例の概要につきまして、簡単にご説明いたします。
表の左側が現行条例の概要を項目ごとに整理しておりますが、この「附置義務条例」とは、一定規模以上の建築物を新築、増改築する場合に、その建築物の延床面積に応じて、その建築物又は敷地内に駐車施設を設けることを義務付ける条例のことでございます。
まず、「1 本条例の対象地域」ですが、駐車場整備地区、商業・近隣商業地域、周辺地区で建築物を新築する場合などが対象となります。
この「駐車場整備地区」とは、自動車交通が著しく輻輳する地区で、円滑な道路交通を確保する必要があると認められる地区のことで、長崎市では、現在、都心部から住吉地区にかけて、約341ヘクタールの区域を都市計画で定めております。
また、「周辺地区」とは、この駐車場整備地区、商業・近隣商業地域、第1種及び第2種低層住宅専用地域以外の市街化区域のことでございます。
従いまして、市街化区域内の第1種及び第2種住宅専用地域と市街化調整区域において、建築物を新築・増改築する場合は、本条例の対象外となります。
次に、「2-1 普通車駐車施設の附置義務基準」ですが、建築物の用途を「特定用途」と「非特定用途」に分け、基準を設定しております。
この「特定用途」とは、自動車の駐車需要を生じさせる程度の大きい用途のことで、具体的には、百貨店その他の店舗、事務所、病院、ホテル、劇場などの建築物でございます。
また、「非特定用途」とは、自動車の駐車需要を生じさせる程度の小さい用途のことで、具体的には、住宅、学校、神社などの建築物でございます。
表に整理しておりますとおり、駐車場整備地区、商業・近隣商業地域においては、特定用途の延床面積と非特定用途の延床面積の50%の合計値が1,000平方メートルを超える場合に条例の対象となり、附置義務駐車台数算定の原単位は、特定用途は150平方メートル毎に1台、非特定用途では400平方メートル毎に1台、つまり、延床面積を150平方メートル又は400平方メートルで割って得られた台数が附置義務駐車台数となります。
同じように、周辺地区では、非特定用途の延床面積が2,000平方メートルを超える場合に条例の対象となり、原単位は、150平方メートル毎に1台となります。
なお、周辺地区では、非特定用途、いわゆる住宅系は、条例の対象外となっております。
次に、「2-2 荷捌き駐車施設の附置義務基準」ですが、表に整理しておりますとおり、駐車場整備地区、商業・近隣商業地域においては、特定用途の延床面積が2,000平方メートルを超える場合、周辺地区においては、特定用途の延床面積が3,000平方メートルを超える場合に条例の対象となり、附置義務駐車台数算定の原単位は、建物の用途毎に定められております。
次に、「2-3 車いす使用者駐車施設の附置義務基準」ですが、市長が車いす利用者の駐車施設が特に必要と認める建築物、具体的には、地方公共団体の庁舎、学校、病院、図書館、老人福祉施設などについては、附置すべき駐車施設のうち、車いす使用者用駐車施設を1台以上設置することが規定されております。
次に、「3 駐車施設の規模」ですが、記載のとおり、普通車駐車施設、荷捌き駐車施設、車いす使用者用駐車施設のそれぞれについて、駐車マスのサイズが規定されております。
最後に、「4 駐車施設の附置の特例」ですが、附置義務駐車施設は、原則、建築物やその敷地内に設置することになりますが、建築物の構造又は敷地の状態その他特別の理由により、当該建築物又は当該建築物の敷地内に駐車施設を設置することが困難と認められる場合は、当該建築物の敷地からおおむね300m以内の場所に隔地駐車施設として、附置義務駐車施設を設置することができることとなっております。
以上が附置義務条例の現在の内容でございますが、今回、この内容の一部を見直そうとするものでございます。
それでは、1ページにお戻りください。
1ページは、「長崎市駐車場整備計画」の概要を整理したものですが、先程説明しました「資料1」の4ページと同じものですので、説明は、割愛させていただきます。
2ページをお開きください。
左側は、「長崎市駐車場整備計画」における施策の体系で、3つの基本方針ごとに、「基本施策」を設定し、この「基本施策」を受けて、具体的に検討していく「個別施策」をそれぞれ掲げております。
なお、赤色のアンダーラインを引いた個別施策が、今回、説明させていただく、附置義務条例の改正に繋がる内容となっております。
それでは、これより、附置義務条例の概要や現状、見直そうとする内容などにつきまして、ご説明いたします。
まず、右側・上段の「2附置義務条例とは」ですが、先程説明しましたように、一定規模以上の建築物を新築等する場合に、その建築物の延床面積に応じて、その建築物又は敷地内に駐車施設を設けることを義務付ける条例のことです。
次に、「3 これまでの経緯」ですが、目的地が明確な駐車需要に対応するため、昭和45年に附置義務条例を制定し、以後、状況の変化等に対応しながら、表に整理のとおり、平成5年と平成13年に改正を行ってきています。
次に、「4 これまでの成果」ですが、下段の表には、附置義務条例に基づく台数Aと、実際に建築主の方が設置した設置台数Bを用途毎に整理しておりますが、駐車場整備地区等の特定用途では約2倍から3倍、非特定用途については約5倍となっており、大部分の施設においては、建築主の判断により附置義務駐車台数以上の駐車施設が設置されており、路上駐車の防止や道路交通の円滑化などに一定貢献してきているものと考えております。
3ページをお開きください。
次に、左側の「5 現状・課題」につきまして、ご説明いたします。
まず、「⑴現行条例」ですが、最終改正以降20年が経過する中で、駐車場を取り巻く状況の変化に対応できていないこと、さらには、原則、建築物やその敷地内に駐車施設を設置することになるため、建設コストの増加による土地利用の制約や、その出入口が沿道の多くに設けられることにより、特に、都心部では交通阻害などの要因ともなっています。
次に、「⑵駐車場の整備状況」ですが、令和2年に、主に時間貸し駐車場を対象に実施した実態調査では、四輪車の駐車場供給量が駐車需要量を上回っており、今後もその傾向が続くと予想される中、既存駐車場の効率的な活用が求められている一方で、二輪車等駐車場は、依然として不足している状況が見受けられます。
次に、「⑶まちづくりとの連携」ですが、長崎市の将来のまちの姿「ネットワーク型コンパクトシティ長崎」の実現に向け、各分野で様々な取組みが進められている中、駐車場の分野からも民間事業者が土地利用の転換を図りやすい環境づくりや公共交通機関の利用促進に資する取組みが求められています。
最後に、「⑷長崎市駐車場整備計画の改訂」ですが、今後の駐車場施策の方向性として「『駐車場総量確保の取組み』から『まちづくりと連携した駐車場施策』への転換」が示されています。
以上のことを踏まえ、駐車場整備計画に掲げる施策を遅滞なく推進していくため、駐車施設の実態等を踏まえつつ、まちづくりとの連携を意識した駐車場の附置義務条例の見直しを行おうとするものでございます。
具体的には、1.まちづくりの方向性と連携した駐車場施策の展開として、「ネットワーク型コンパクトシティ長崎」の実現に向けた都心部の土地利用の促進と公共交通の利用促進、2.二輪車等駐車場の確保として、不足している二輪車等駐車場の民間連携による確保、3.だれもが利用しやすい駐車場の普及として、駐車場のバリアフリー化の促進に寄与する見直しを行うこととし、その内容につきましては、右側の「6見直し内容(案)」によりご説明いたします。
まず、「⑴特別用途の細分化」ですが、現行条例では、特定用途は、同じ原単位であるため、全て同一の駐車需要が生じるとみなされていますが、実際は、百貨店と事務所やホテル、病院などでは、駐車需要が異なると考えられることから、駐車需要を適切に反映するため、「百貨店その他の店舗」と「その他の特定用途」に見直そうと考えています。
なお、中程には、国の標準条例による特定用途の区分を表に整理しています。
国の標準条例では、特定用途を3つに区分しておりますが、今回の見直しに当たり、集客性の度合いやこれまでの届出の実態等を踏まえ、「商業系」と「それ以外」といった形で、2つに区分したところでございます。
次に、「⑵四輪車駐車場の附置義務台数算定基準の原単位の見直し」ですが、附置義務駐車台数算定の基準となる「原単位」は、平成5年以降30年近く見直しがされていないため、駐車需要の実態等を踏まえつつ、駐車場の需給バランスの適正化や民間事業者が土地利用の転換を図りやすい環境づくりなどを図るため、この「原単位」を見直そうと考えています。
まず、「ア 駐車場整備地等における百貨店その他の店舗」につきましては、非常に集客性の高い用途であり、周辺の道路環境に与える影響も大きいため、引き続き、駐車需要に応じた台数確保を担保するうえで、現行の「原単位」を維持したいと考えています。
4ページをお開きください。
次に、「イ 駐車場整備地等におけるその他の特定用途」につきましては、先程の百貨店その他の店舗に比べますと集客性は、そこまで高くないことから、対象施設の実態等を踏まえ、「原単位」を緩和しようと考えています。
具体的には、対象施設等の実態を調査したところ、駐車施設の稼働率が概ね60%であったことから、この割合で現行の原単位を割り戻して算定し、250平方メートルへ見直そうと考えています。
次に、「ウ 駐車場整備地等における非特定用途」ですが、この非特定用途は、集客性はほとんどなく、また、建築主の判断により附置義務駐車台数をはるかに超える駐車施設が設置されていることから、附置義務を課さなくとも、建築主の判断で建築物の形態に応じて駐車施設が設置されるものと考えられるため、附置義務の対象外とするよう見直そうと考えています。
次に、「エ 周辺地区における特定用途」ですが、先程の「イその他の特定用途」と同様の考え方により、現行の原単位を250平方メートルへ見直そうと考えています。
下段には、これまで説明した内容を表に整理しており、右側・上段は、国の標準条例に示された「原単位」でございます。
次に、「⑶四輪車駐車場の附置義務駐車施設の低減措置」ですが、百貨店その他の店舗以外の用途においては、今回、まちづくりと連携した取組みなどを実施する場合、さらに、附置義務駐車台数を低減する制度を新たに設けようと考えています。
まず、「ア 公共交通の利用促進に寄与する取組みによる低減」ですが、公共交通機関の維持・確保を図るため、従業員の自家用車通勤の抑制策の取組みを実施する場合は、台数を低減することを考えています。
具体的には、令和2年の国勢調査の結果、長崎市内への通勤・通学者のうち、自家用車を利用している人の割合が44%であったことを踏まえ、従業員の自家用車等での通勤割合が20%以下の場合、台数の20%を、また、従業員の自家用車等での通勤割合が30%以下の場合、台数の10%を低減することを考えています。
次に、「イ 附置義務台数緩和区域の設定による低減」ですが、まちづくり施策と連携し、民間事業者が土地利用の転換を図りやすい環境づくりなどを進めるため、都市再生緊急整備地域において、建築物を新築等する場合には、台数を10%低減することを考えています。
この都市再生緊急整備地域とは、「都市再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域」として政令で指定する地域のことでございます。
資料が飛びますが、8ページをお開きください。
青色の実線で囲まれた区域が、令和2年9月に内閣府より指定を受けた都市再生緊急整備地域の長崎中央地域約180haでございます。
再度、4ページにお戻りください。
右側・下段の「ウ 二輪車等駐車施設の確保による低減」ですが、不足する二輪車等駐車場の確保を図るため、建築主の過度な負担とならないよう、二輪車等駐車場5台設置につき、附置義務駐車台数を1台低減することを考えています。
5ページをお開きください。
次に、左側・上段の「⑷車いす使用者用駐車施設の設置の完全義務化」ですが、現行条例では、車いす使用者用駐車施設は、特定の建築物、具体的には、地方公共団体の庁舎や学校、病院などに設置が義務づけられていますが、だれもが利用しやすい駐車施設を確保するため、全ての建築物に対して設置を義務づけることを考えています。
次に、「⑸附置義務駐車施設の隔地設置の弾力的な運用」ですが、附置義務駐車施設は、原則、建築物やその敷地内に設置することになりますので、その出入口が沿道の多くに設けられることによる交通阻害や歩行空間の分断、さらには、その設置に伴う建設コストの増加による土地利用の制約も懸念されます。
そこで、このような課題を解決するため、国の標準条例を踏まえ、隔地設置の承認条件を「交通の安全及び円滑化又は土地の有効な利用に資するものと認められる場合」へ見直そうと考えています。
具体的な承認条件としましては、都市再生緊急整備地域で建築物を新築等する場合、国県道の幹線道路や主要な市道など歩行者や自動車の交通量が多く、交通安全上駐車施設の出入口を設けることが適当でないと認められる場合などを想定しております。
右側の「7 今後のスケジュール」につきましては、記載のとおりでございますが、本日、当審議会でご意見をお伺いするとともに、関係団体等との意見交換を経て、最終的な条例改正案を取りまとめ、本年11月議会に条例改正議案を上程したいと考えております。
6ページをお開きください。
これまで説明してきた、附置義務条例の見直し内容(案)を表に整理しております。
左側が現行条例、右側が見直し(案)で、変更内容を赤文字で表示しています。
7ページをお開きください。
参考資料として、左側には、「見直し後の附置義務駐車台数の試算」を取りまとめております。
「事務所」の場合ですが、今回の見直しにより、低減措置を活用することで、5割から6割程度緩和されることになります。
また、右側には、「他都市の事例」として中核市を調査した結果を表に取りまとめております。
「(1)条例制定の有無」ですが、この附置義務条例の制定は、各都市の判断に委ねられており、制定していない都市もございます。
記載はございませんが、長崎県内で申しますと、長崎市と佐世保市のみが制定している状況でございます。
次の(2)から(6)につきましては、後程、ご参照ください。
「資料2」の説明は、以上でございます。
最後に、右上に「資料3」と記載したA4縦の資料をご覧ください。
1ページは附置義務条例の概要で、2ページ以降は条例の本文でございます。こちらも、後程、ご参照ください。
説明は、以上となりますが、本日は、「資料2」の附置義務条例の改正の素案につきまして、委員の皆様からご意見をいただきたいと考えています。
ご審議の程、よろしくお願いいたします。
(会長)
ただいま説明がありました、「附置義務条例改正の素案」について、ご意見、ご質問はございませんでしょうか。
(委員)
民間駐車場の整備に対して、助成金などはありますか。そのような助成金があれば、更に民間駐車場の整備が進むと考えますが。
(事務局)
民間駐車場の整備に対する助成金などはありません。また、以前はモータリゼーションの進展に伴い、駐車場の整備が進められてきましたが、現在は駐車場も一定充足している状況下で、国においても、駐車場の量の確保からまちづくりと連携した駐車場施策への転換といった方向性が示されていることから、長崎市においても駐車場の実態等を踏まえ、そのような取組みを進めていきたいと考えているところです。
(委員)
駐車場の実態調査から、供給量が需要量を上回っているとのことですが、特定の駐車場はピーク時に満車状態となり、交通渋滞を招いている状況です。
附置義務を緩和するのは構いませんが、以前長崎市が導入していた駐車場案内システムのような空き駐車場の利用を促進するような取組みを行政側で考えてみてはどうでしょうか。
現在も「とむ~で.com」や駐車場マップがありますが、どこが空いていてどこが満車なのか、すぐにわかるようなシステムがあった方がよいと思います。
9月23日(新幹線開業日)の大渋滞時は、水辺の森公園付近で駐車場待ちの車両も見受けられました。今後、ジャパネットのスタジアムシティなどができることで、交通混雑も予想されるので、そのような対策も合わせて検討した方がよいと考えます。
(事務局)
特定の駐車場が道路交通に影響を与えている実態もありますので、空いている駐車場を案内するようなシステムは重要と考えられます。
「とむ~で.com」とも連携しながら、どのような対策ができるか引き続き研究してまいります。
(委員)
商業施設の駐車場に関し、駐車場を確保しても出入口の問題により交通渋滞を招いているケースがあります。
附置義務条例に駐車場の確保と合わせて出入口を2箇所設けさせるような規定を盛り込むことはできないのでしょうか。
(事務局)
附置義務条例とは別に、不特定の方が利用する駐車場で料金を徴収するような駐車場の場合、駐車場法に基づく届出が必要となりますので、そちらの方で技術的な部分を審査しています。
特に大規模な駐車場の場合、出入口の入庫と出庫を分けるなどの規定もあります。
また、アミュプラザ長崎や長崎スタジアムシティなど大規模な開発につきましては、交通管理者や道路管理者で協議を行いながら対策を検討しておりますが、引続き周辺の方にご迷惑がかからないよう検討してまいりたいと考えています。
(事務局)
今回附置義務の台数見直しを行う中で、商業施設(店舗系)に関しては現在も渋滞が発生している状況を踏まえ、店舗系は緩和できないという判断のもと、緩和を見送ることとしています。
また、アミュプラザ長崎(新長崎駅ビル)は、現在工事中のため駐車場出入口が1箇所となっていますが、最終的には出入口が2箇所になり、前面道路を拡幅するなど色々と対策がなされることとお聞きしています。県警や県の道路管理者とも協議しながら、なるべく渋滞が発生しないように対策を検討しているところです。
スタジアムシティにつきましても、現在関係者で協議しながら具体的な対策を検討しておりますが、ハード・ソフト両面で十分な対策をしていきたいと考えております。
(委員)
駐車場の混雑緩和策の1つとして、DXを活用していくことが効果的な取組みと考えられますが、市として活用する考えはありませんか。
(事務局)
DXについては、行政をあげて取組みを進めているところです。
現在、「とむ~で.com」がありますが、全ての駐車場を網羅しているわけではありませんので、駐車場施策や渋滞対策を進めていくうえでDXを活用した取組みは重要と考えています。
今後検討していきたいと考えています。
(委員)
DXは短期間のうちに取組みを進めていただきたいと思います。また、長崎市は観光地なので、そのことも踏まえながら駐車場附置義務の緩和や適切な駐車場運営ができるような内容の構築をお願いします。
(会長)
隔地駐車場の弾力的な運用については、車いす使用者用駐車施設も適用することになるのですか。
車いす使用者用駐車施設については、隔地駐車場の対象から除外した方が望ましいのではないでしょうか。
(事務局)
車いす使用者用駐車施設はなるべく施設に近い位置にあった方がよいという主旨の意見だと考えられますが、例えば隣の敷地に駐車場が確保できるケースも想定されますので、車いす使用者駐車場も含めて隔地駐車場の対象にしているところです。
ただし、委員ご指摘のとおり、車いす使用者用駐車施設はできるだけ近い位置にあった方がよいと考えられますので、資料2の5ページに記載している「隔地設置の弾力的な運用」については、車いす使用者用駐車施設に配慮した書き方ができないか検討します。
(委員)
車いす使用者用駐車施設の設置が完全義務化されることによって、これまで対象外だった施設は新たに設置しないといけなくなるのでしょうか。
また、車いす使用者用駐車施設は、車いす使用者のみ使用できるのでしょうか。それとも他の障害者の方も使用できるのでしょうか。
(事務局)
これまでは特定の用途のみ適用されていましたが、今後は附置義務台数のうち1台は車いす用駐車施設を設置していただくようになります。
附置義務条例で定める「車いす使用者用駐車施設」は、車いすの方が使用できるように駐車マスの規模のみを規定していますので、他の障害を持つ方も使用することは可能です。
(委員)
長崎県福祉のまちづくり条例やバリアフリー法でも車いすの駐車場について、規定されているので、そのあたりとも整合を図りながら精査した方がよいのではないでしょうか。
(事務局)
福祉のまちづくり条例等と整合を図りたいと思います。
(委員)
「車いす使用者用駐車施設」は、その他の対象者は利用できないという誤解を招く可能性がありますので、表現は検討した方がよいかもしれません。
また、他の障害をお持ちの方が車いす使用者用駐車施設のスペースが必要かというとそういうわけではないと思います。
そういう意味では、表示のあり方や言葉の使い方についても検討した方がよいと思います。
(事務局)
今回の内容は、駐車場の規模の部分で車いす使用者用という表現になっていますが、実際使用する際には、車いす使用者に限らず障害者の方が停められるような駐車場にした方がよいと思いますので、今後、駐車場の附置義務の手続きを行う際などに指導や協力のお願いをしていきたいと思います。
(委員)
観光目線でいくと、大型イベントの誘致をする際に、大型バスの行き先が問題となります。
資料1に観光・イベント需要等への対応とありますが、その後の検討状況はどうなっているのでしょうか。
(事務局)
資料1の4ページに記載の「バス駐車需要が増加しており、松が枝2バース化などを見据えた対応が必要」については、県と連携しながらバス駐車場をどうしていくのかといった対策をしていく必要があると考えています。
また、「イベントなど特定の交通需要への対応が必要」については、現在、ジャパネットさんからスタジアムシティで試合が開催される際は、パークアンドライドやシャトルバスを運行する考えが示されていますが、そのためにはバスが待機できる場所が必要になりますので、現時点で具体的な場所の選定には至っていませんが、バスの待機場所は必要になると考えているところです。
(委員)
新幹線が開業して、県外からの来訪者が増えてくることが見込まれます。
出島メッセ長崎の前にバスの4台分の乗降場は設置されていますが、東口の交通広場ができるまでの間、バスの待機場がない状況となります。
その対策について市の見解をお聞かせください。
(事務局)
バスの待機場所は重要と考えていますが、場所がない状況でございます。
これから長崎駅やスタジアムシティの開業によりたくさんの方が来られるようになると思いますので、今後市の内部でもバスの待機場所も含め検討していきたいと考えております。
(委員)
今、色々と意見が出ましたので、それに対する回答をいただきたいと思います。
(事務局)
例えば、次回の審議会で皆様にご回答するなどの対応をとらせていただきたいと思います。
(会長)
それでは、本日予定しておりました議事は以上となります。活発なご討論をいただき、また、会の進行にご協力いただきありがとうございました。それでは、進行を事務局へお返しします。
(事務局)
本日は、貴重なご意見をいただきありがとうございました。
本日ご審議いただきました「附置義務条例の改正(素案)」についてですが、いただいたご意見を踏まえ再度内容を精査し、最終的な条例改正案を取りまとめ、本年11月議会への議案上程を目標に取組んでいきたいと考えております。
それでは、これをもちまして、令和4年度第1回長崎市都市交通審議会を閉会させていただきます。
本日は、ありがとうございました。
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